520021214 ダフネ 霊威解放
あれから数日後…
休日をもらったダフネは、 上機嫌で出かける支度をしていた
【ダフネ】 ふふっ 今日はどこに行こうかな
【ダフネ】 そうだ! あの場所なら人もこないし、 落ち着いて手入れができるはず…
【ダフネ】 …だれも、いませんよね?
ダフネがやってきたのは、 先日マスターと話をした 町外れの一角だった
【ダフネ】 ふふふっ 今日もピカピカにしますよ〜
ダフネは丁寧な手つきで、 白銀の盾を取り出すと、 その表面を磨きはじめた
【ダフネ】 …よし、いいツヤが出てきましたね ここも、もうちょっと…
ニコニコしながら盾の手入れに 没頭する彼女の視界に、 突然だれかが滑り込んで来た
【ダフネ】 えっ!?
その人物はマスターだった どうやら、石につまずいて 転んでしまったらしい
【ダフネ】 だ、大丈夫ですか? どうして、ここに?
ダフネを探してたけど見つからなくて 休憩しようと思ってここに来たんだ と、マスターはいう
【ダフネ】 私をですか? なにか、不測の事態でしょうか? でしたら、今すぐ…
あ、そうじゃなくて、 ご飯に誘おうと思っただけだから と、マスターは微笑む
【ダフネ】 そうだったんですか? ありがとうございます…
【ダフネ】 あの、とりあえずケガの 手当てをしましょうか? …かなり派手に転ばれましたね
何度か声をかけたんだけど、 ダフネは気づかなかったみたいだね と、マスター
【ダフネ】 それは、申し訳ありません…
【ダフネ】 …って、 いつから見ていらしたのですか!?
盾の手入れをしている途中からかな 何度か声をかけたんだけど と、マスター
【ダフネ】 そうですか… 見られてしまったのですね…
ごめん、見ちゃいけなかった? と、マスターはたずねる
【ダフネ】 いえ… 貴方が謝ることではないのですが…
【ダフネ】 あの… 変な話かもしれませんが、 少し聞いていただけますか?
マスターは、もちろんだよ と、うなずく
【ダフネ】 …この盾の手入れをすることは、 私にとって重大な責務であると同時に 自分だけの大切な時間でもあるのです
【ダフネ】 できるだけ手入れに没頭できるよう、 人の目を気にする必要のない… 静かな場所を選んだつもりでした
盾の手入れをするのに どうして人の目が気になるの? と、マスターはたずねる
【ダフネ】 それは、盾の手入れに没頭すると 気が緩んでしまって… その、騎士らしくないので…
ダフネがそういうと、マスターは なるほど… と、腕を組んで考え込む
【ダフネ】 きっと、気を緩めた私の姿を見て 呆れてしまわれたのですね…
【ダフネ】 恥ずかしいところをお見せして、 申し訳ありませんでした…
…うん、ダメだね と、マスターはいう
【ダフネ】 そ、そうですか…
そうだよ、ここじゃダメだ もっといい場所を探さなくちゃ! と、マスター
【ダフネ】 え…?
人も異族も来なくて、安全で静かで、 ダフネが安心できる場所か… と、マスターは真剣な顔でつぶやく
【ダフネ】 あ… ダメって、そのことですか…
【ダフネ】 よかった… ふふっ
笑い事じゃないよ、 ダフネの大事な時間を守らなくちゃ と、マスターはダフネに向き合う
ほら、一緒に探しに行こう もちろん、みんなには内緒でね と、マスターは微笑む
【ダフネ】 ふふっ… よろしくお願いします
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