520043211 パラシュ・擬彩 目指すべき理想
マスターの元に、 新たなる姫が入隊した
【パラシュ】 さあ、みんな! 今日も鍛錬に励もう!!
彼女の名はパラシュ・ 擬彩(インテグラル)
【パラシュ】 いいかい? 新たな理想の世界を創るためには、 全てを犠牲にする覚悟が必要なんだ
【パラシュ】 理想の世界の為、 懸命に頑張ろう!!
理想が高く努力家の彼女は、 隊の姫たちを先導し、 戦闘の訓練をするようになる
その甲斐あって、 隊の姫たちはメキメキと 腕を上げていった
パラシュのおかげだよ、ありがとう 感謝の意を示すマスター
だが、彼女は…
【パラシュ】 理想の実現には、 これくらい当然だよ
【パラシュ】 じゃあ、ボクは 自分の鍛錬があるから
全体訓練が終わった後も、 一人で鍛錬を積むパラシュに 驚くマスター
【パラシュ】 はぁぁぁぁぁぁぁっ!!
だが、その常軌を逸した特訓法と、 彼女の鬼気迫る迫力に、若干の 違和感と懸念を覚えるのだった…
数日後――
【パラシュ】 はじめ!
今日もパラシュに扇動され、 訓練に明け暮れる姫たち
そんな中、 徐々に遅れを取る姫が現れた…
【パラシュ】 ………
休憩に差し掛かり、 その姫に声を掛けるパラシュ
【パラシュ】 理想を思い描くんだ
【パラシュ】 そして、その理想の極致を目指せ
【パラシュ】 極致への歩みこそが、 生命(いのち)への糧となる
【パラシュ】 進み続けるんだ、目指す頂を見据えて
だが、その姫は言う
自分にはパラシュや、 マスターのような理想は無い
私はキル姫だから 戦うだけだと
その言葉を聞いたパラシュは…
【パラシュ】 なにを甘いことを…
【パラシュ】 向上心なき者は、 生ける屍だ
苛立ちを隠せないパラシュ
その姫も、向上心が無いわけではない だが目指す理想が 見つけ出せないでいるだけだ
だがパラシュは尋ねる
【パラシュ】 理想なき鍛錬など、 なんの意味があるんだい?
【パラシュ】 理想もなく、 ただ技を磨いているだけでは、 いずれ危険因子になる可能性もある
【パラシュ】 そうなれば、 敵として戦うことになるかも知れない それなら、いっそ――
姫の目を見据えるパラシュ
――と、 なにしてるの? そこにマスターがやってきた
【パラシュ】 ………
【パラシュ】 ……別に
パラシュは苛立った気持ちを抑え、 その場を後にした
【パラシュ】 はぁ…!はぁ…!
一人、鍛錬に明け暮れるパラシュ
そこに、またマスターがやってきた さっき、あの子に、話を聞いたよ 何か、思い詰めているんじゃないの?
【パラシュ】 ………
【パラシュ】 この乱世において…、 理想は何よりも重要な極致だ
【パラシュ】 太陽の光を浴び、 清らかな水を吸えば花は咲く… 才能もそんな風だったら楽だけど
【パラシュ】 でも才能は、 誰しも必ず開花するわけじゃない
【パラシュ】 だから己の才能は開花する、 そう信じて進むしかないんだ
そう言って、 斧を振る彼女にマスターは言う
でも君は… 本当に自分らしい理想に向かって、 進んでるのかな?と
【パラシュ】 !!
【パラシュ】 ……なんだって?
彼女の顔色が変わった
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