520043213 パラシュ・擬彩 華葬『潰えぬ理想』
数日後――
【パラシュ】 さあ、みんな! 今日も鍛錬に励もう!!
隊の姫たちは、 またパラシュ先導の 特訓に勤しんでいる
【パラシュ】 ………
先日、パラシュに 理想を見つけられない と言っていた姫
そんな彼女を、 優しい目で見つめているパラシュ
【パラシュ】 ……そっか
特訓後、パラシュはマスターに語る
【パラシュ】 ねぇ、マスター 思ったんだ
【パラシュ】 ボクは今まで、 憧れた人を… そう、理想の極致を目指していた
【パラシュ】 そして、そこに 辿り着けない自分を卑下もしていた
【パラシュ】 でもマスターの言葉で、 理想は… 必ずしも一つじゃないと知った
【パラシュ】 自分にしか出来ないことを極める… そんな理想があってもいいと 教えてもらったから
【パラシュ】 そしたら… 理想を探そうとしているあの姫を 認められるようにもなった
【パラシュ】 理想なんて人それぞれ
【パラシュ】 マスターの隊に入り、 色んな仲間と関わったことで、 それを知ることが出来たよ
【パラシュ】 理想とする道や、 それに向かって歩むスピードは、 みんな違うんだね
【パラシュ】 ボクは… それを認めたい
その思いやりの精神が、 彼女にまた新たな力をもたらしていた
【パラシュ】 これまでは、 世界の平和のために 理想を目指していた
【パラシュ】 でも、今は…
【パラシュ】 理想を追い求める仲間や、 大切なことを教えてくれた マスターを救うために戦いたいと思う
【パラシュ】 これは当初のボクの理想からは、 遠く懸け離れたことだ
【パラシュ】 これじゃいけないのは分かっている…
【パラシュ】 でも…今はそうしたい
【パラシュ】 本当にこの道でいいんだろうかと、 思い悩みながらボクは進むんだ
【パラシュ】 キミの隣でね
不安と希望が入り混じった 笑顔を見せるパラシュ
マスターは、 そんな彼女を優しく見守るのだった
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