520252214 エルキュール・擬装・セイバー 零装『光明の道標』
数日後――
戦闘にて、 勝利を上げるマスターの隊
【エルキュール】
やりましたね、みなさん！
喜ぶ彼女に、ラグナロクは言う
【ラグナロク】
あなたのおかげよ
【エルキュール】
…え？
【ラグナロク】
窮地に陥った仲間を鼓舞し、
希望を示したあなたのおかげで、
私たちは勝利することができたの
【エルキュール】
いいえ、そうじゃありません
【エルキュール】
みんながいてくれるから…
【エルキュール】
安心して背中を預けられる
仲間がいるから、
私も思いっきり戦えるんです
【エルキュール】
だから、この勝利は
みなさんのおかげです！
仲間と喜び合う彼女 その様子を見ながら、 ラグナロクは呟く
【ラグナロク】
…ふふ、
そんなあなただから、
みんな結束するのよ
【ラグナロク】
その軍旗の元に
満足そうに頷き、歩き出す エルキュールの背を 見送りながら、
そういえば、とマスターは ラグナロクに 質問をぶつける
どうして最初から エルキュールにそのことを 伝えなかったの、と
【ラグナロク】
彼女は私に憧れのような
気持ちを持っている
良くも悪くも、ね
【ラグナロク】
だから、私の言葉が
届かないときがあるのよ
【ラグナロク】
だけど、マスター
あなたの言葉なら、
きっとどんなものでも届くわ
【ラグナロク】
これからも彼女を
見守ってあげて
そう言うと、 マスターの肩をポンと叩いて 行ってしまった
その後、マスターは森で一人、 穏やかな風を浴びている エルキュールを見つける
【エルキュール】
ふぅ、気持ちいい
もう完璧に大鎌を 使いこなせるようになったね？ マスターが彼女に声を掛ける
【エルキュール】
私一人じゃ、
使いこなすことは
できませんでした
【エルキュール】
みんなの支えがあるから、
私は大きな希望を背負った、
この軍旗を振るうことが出来るんです
マスターの目を見つめる彼女
【エルキュール】
マスター
【エルキュール】
私、あれから…
また少し変わったんです
【エルキュール】
もう挫けないって言ったけど…
挫けてもいいんだと
思えるようになりました
【エルキュール】
だって…仲間がいるから
【エルキュール】
すぐそばに心強い存在がいてくれたら
…どれだけ挫けても、
もっと強くなって立ち上がれます
【エルキュール】
私は元々、強くなんてない
だから…
【エルキュール】
みんなに助けられながら、
強くなろうと決心しました
【エルキュール】
私はみんなから
希望をもらってるんです
【エルキュール】
その希望の灯を…
みんなと一緒にともしていきますよ
微笑むエルキュール
その瞳には、 成長した彼女の心の強さが、 きらびやかな輝きとなって表れていた
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