Phantom of the Kill

Story scripts of Phantom of the Kill (ファントム オブ キル)

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520253211 エルキュール・擬装・セイバー お祝いの中の憂鬱

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town_night.png

賑やかな街中を歩く マスターの隊

その地では今、 大聖堂の創立を祝う 壮大な記念祭が催されている

料理や酒をたしなみ、 盛り上がる街の人々

その熱気を受け、 姫達もパーティー会場で 楽しんでいる

戦闘続きの彼女達にとって、 ほんの暫しの安寧の時間

マスターは寛ぐ姫達を 嬉しそうに見ていた

――が、この場に似つかわしくない、 浮かない顔をした一人の姫を発見する

5202531.png 【エルキュール】 ………

マスターは、 彼女に声を掛けることにした

5202531.png 【エルキュール】 ………あっ! …マスター

5202531.png 【エルキュール】 ………これは…

どうぞ …と、お酒を 彼女に手渡すマスター

5202531.png 【エルキュール】 あ、ありがとうございます…

そう言って受け取ったものの、 彼女は口をつけようとしない

せっかくの創立祭なんだから、 楽しもうよ マスターが彼女に微笑む

5202531.png 【エルキュール】 ………

だが彼女は言う

5202531.png 【エルキュール】 とても、そんな気分には…

周囲の陽気な雰囲気とは対照的に、 沈んだ表情を見せるエルキュール

そんな彼女にマスターは尋ねる まだ気にしているの?

5202531.png 【エルキュール】 ……はい

5202531.png 【エルキュール】 私のせいで… 『安寧の杯』が……

5202531.png 【エルキュール】 まさか… 道連れにするなんて…

世界を平和に導くと言われている 『安寧の杯』 

マスターの隊は、 それを捜索する戦いに身を投じた

だが、その中で敵が杯ごと自爆 『安寧の杯』は、 塵と化してしまったのだった

5202531.png 【エルキュール】 あっと言う間で… 止められませんでした……

5202531.png 【エルキュール】 あの杯があれば… きっと人々に 希望を与えられたはずなのに…

5202531.png 【エルキュール】 本当に申し訳ありません

5202531.png 【エルキュール】 すべて…私のせいです

彼女は、 平和の象徴を守れなかった 己の無力を嘆いていた

5202531.png 【エルキュール】 共に戦ってくれた皆さんにも 申し訳なくて… …本当に…不甲斐ないです

5202531.png 【エルキュール】 マスターの隊に入れて頂き、 ようやく使いこなせるようになった この擬装の力で…

5202531.png 【エルキュール】 仲間の皆さんに支えられながら、 少しずつ…ほんと少しずつですが…

5202531.png 【エルキュール】 自信のようなものも付いてきました でも…

5202531.png 【エルキュール】 事あるごとに思い知らされます

5202531.png 【エルキュール】 私なんて… まだまだ未熟なんだ、と……

そう呟いた後、 はぁ…と、 ため息をつくエルキュール

――と、次の瞬間

5202531.png 【エルキュール】 えっ!?

行こう! 彼女の手をマスターが引っ張った

5202531.png 【エルキュール】 ちょっと…マ、マスター!? 行くって…どこに!?

その問いには答えず、 マスターは彼女を連れ、 パーティー会場を抜け出すのだった

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