520301211 リサナウト・誓約・クロノス 見えない理由
新しくマスターの隊に入ってきた リサナウト・誓約・クロノス
高い戦闘能力と その稀有な能力で 彼女は隊に貢献してくれていた
【リサナウト】
どうしたのかしら
当主様？
【リサナウト】
クロノスと誓約を交わした私の
完璧な時間操作に
惚れ惚れしてしまったのかしら
時間操作… 一体どんなことをしているんだろう とマスターは思案する
マスター達には時間操作された際の 記憶は残っていないので 彼女が何をしているのか知る由もない
【リサナウト】
あなた達は何も知らなくていいの
【リサナウト】
私のこの時間操作の力を使って
この隊に敗北の一文字もない
完璧な勝利を約束するわ
敗北は二文字だけど… と困り顔のマスター
【リサナウト】
と、とにかく
私の時間操作は完璧なの
完璧になったのよ
マスターをさておいて リサナウトは語る
【リサナウト】
誓約を交わしてから
今までの私の能力がいかに
不完全だったかを思い知ったわ…
【リサナウト】
でも完璧すぎる私の能力にも
当然、条件があるの
【リサナウト】
そのためにあなたを利用…
いえ、有効活用させてもらうわ！
どちらもあまり 良い言い方ではないよね… とマスターは苦笑する
ところで…どうして この隊に入ってくれたの？ と折を見てマスターが尋ねる
【リサナウト】
何でって、ちょうどよかったからよ
渡りに船ってやつね
【リサナウト】
私はクロノスに人の意思と
力によって生まれる未知の
可能性を見せる必要があるの
かなり難しい話をさらりと 話すリサナウト
【リサナウト】
まぁつまり
世界を平和に導くために戦っている
あなたにだから私は力を貸すのよ
その力強い言葉に ありがとう…っ！ とマスターは素直に喜んだ
【リサナウト】
ふふん、そうよ
もっと頼りなさい！
次の戦闘も私に任せておけばいいの！
【リサナウト】
私がいる限り
この隊の未来は勝利しかないわ
【リサナウト】
これは予言ではない
確定事象の報告でしかないの！
そう言って リサナウトは自信満々に 胸を張るのだった
そんな折のこと… 隊の管理をしていたマスターは ある違和感に気づいた
備品の数が何もかもピッタリで 隊の戦闘ではみんなが無傷で 帰還するような状況が続いていた
本来であれば喜ばしいことだが あまりに順調すぎて、 何かが引っかかる
【リサナウト】
その顔…気づいたようね、当主様
その気づきに２０ポイントあげるわ
どういうこと？ とマスターが事情を尋ねてみると…
【リサナウト】
私が隊の時間を戻しているの
【リサナウト】
時間を戻して
みんなが何も失敗しない時間軸に
確定させているのよ
失敗をなかったことにしてるの？ それはよくないんじゃ… とマスターは戸惑う
【リサナウト】
そうかしら？
失敗がなくなるのは
いいことじゃない
【リサナウト】
それに、皆のために
私ができることは
これしかないのよ
そんなことないはずだよ とマスターは伝えるが…
【リサナウト】
私はやれることをやる
やれることをやらないのは
怠慢よ
【リサナウト】
とにかく、
任せておきなさい、当主様
私が必ず成功に導いてみせるわ！
そう言って、リサナウトは マスターの忠告を聞き入れずに 時間操作を繰り返すのだった…
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