530101211 ロンゴミアント・暴走 瞳の奥の哀しみ
マスター達の前に 突如現れたキル姫
【ロンゴミアント】
醜悪なこの世界を
終わらせる意志を
受け入れし者
【ロンゴミアント】
終焉に集いし愁傷の凶心、
ロンゴミアントです
【ロンゴミアント】
哀しみの連鎖を断ち切るため、
この世界と共に
消えてください
問答無用で襲い掛かる ロンゴミアント
その強さは尋常ではなく 次々と倒されていく マスターの隊のキル姫
まだ、かろうじて犠牲者は 出ていない だが、それも時間の問題だ
そう思ったマスターは キル姫を庇うようにして ロンゴミアントの前に立つ
【ロンゴミアント】
キル姫を庇う奏官ですか…
珍しいですね
冷たい目で見てくる彼女に ひるむことなく マスターは言う
僕の命を差し出す だからキル姫達は助けて欲しい
【ロンゴミアント】
何を言っているのですか？
私は、あなたもキル姫達も
どちらも消すつもりです
それでもマスターは一歩も退かず キル姫達を守り抜こうとする
【ロンゴミアント】
……
【ロンゴミアント】
あなたの瞳の奥……
深い哀しみを知っている色
【ロンゴミアント】
なぜ、あなたは哀しみを知りつつ
絶望しないでいられるのですか？
マスターは彼女の問いに 戸惑いつつも、 哀しみの世界を変えたいと言う
【ロンゴミアント】
……いいでしょう
あなた達に少しだけ興味がわきました
あなた達のことを見せてもらいます
【ロンゴミアント】
きっとこの方たちもいずれは
絶望に染まっていく…
その時は私が…
こうして、ロンゴミアントは マスターの隊と行動を 共にするようになった
最初は隊のキル姫達も 彼女を警戒していたが 危険な行動がないことを知ると
自然と彼女のことを 受け入れる姫達も増えてきていた
そんなある日、マスターが 爽やかな朝だね と、彼女に声を掛けた時のこと…
【ロンゴミアント】
光あふれる朝が来ようとも、
私にとって、世界は
闇夜のように暗く沈んで見えます
【ロンゴミアント】
この世界が存在する限り、
哀しみは消えることはありません
【ロンゴミアント】
やはり、
正義の名のもとに、
消滅するべきなのです
彼女の目には、 深い哀しみが満ちているようだった
そこで、マスターは 哀しみを紛らわせようと、 彼女をピクニックに連れ出した
姫達は、 みな楽しく時を過ごしている
【ロンゴミアント】
………
しかし、ロンゴミアントだけは そんな状況を悲し気な目で見ていた
君も輪に入って、楽しんできたら？ 彼女に提案する
【ロンゴミアント】
………
【ロンゴミアント】
お断りします
私の目的は観察すること
慣れ合うことではありません
【ロンゴミアント】
それに必要以上に慣れ合うことは、
余計な哀しみを生むことになります
……哀しみ？ どうして、そう思うの？ と、マスターが尋ねようとした時――
マスターの隊を狙って、 敵の大群が出現した
のどかだった草原は、 たちまち戦場に変わり果てた
【ロンゴミアント】
行きます
マスターは、 ロンゴミアントの 戦いぶりを見て驚く
【ロンゴミアント】
アアアアッ！
普段の物静かな雰囲気から一変
【ロンゴミアント】
キエテ！ゼンブ！
ワタシノマエカラキエサッテ！
まるで獣のように暴れ狂う彼女
【ロンゴミアント】
アアアアアッ！！
よせ！ロンゴミアント！！ 彼女はマスターの命令も聞かず、
敵の大群に単身で斬り込み、 傷だらけになりながら戦う
【ロンゴミアント】
ゼンブ！キエロオオオオオ！
その姿は、自ら傷つきに 行っているようにすら見える
そんな彼女を制止する姫達 だが、なんとロンゴミアントは……
【ロンゴミアント】
ジャマヲ！
スルナアアアアア！！
仲間である姫達にも、 攻撃を仕掛けたのだ
【ロンゴミアント】
オアアアアアアア！
ロンゴミアントと姫達、 そして敵軍の三つ巴の混戦になるも、 姫達はなんとか敵軍を全滅させる
【ロンゴミアント】
はぁ…はぁ…はぁ…！
【ロンゴミアント】
…うぐ！
しかしロンゴミアントも、 姫達もみんな、少なからず 負傷していた
【ロンゴミアント】
やはりこうなりますか…
そう力無く呟き、 気を失うのだった
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