Phantom of the Kill

Story scripts of Phantom of the Kill (ファントム オブ キル)

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530101212 ロンゴミアント・暴走 終局を煽情する悲傷の狂槍

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あれから数日後――

5301011.png 【ロンゴミアント】 ……うぅ

目を覚ますロンゴミアント

そこはマスターの隊の宿舎だった

5301011.png 【ロンゴミアント】 ……生き延びてしまった

5301011.png 【ロンゴミアント】 また…始まる

5301011.png 【ロンゴミアント】 哀しみと…絶望の世界が……

――と、 そこにやってくるマスター 良かった~、目が覚めたんだね!

5301011.png 【ロンゴミアント】 ………

しかし、 浮かない表情のロンゴミアント

彼女の看病をする中で、 マスターは尋ねる

必要以上に慣れ合うと、 余計な哀しみを生むことになるって 言ってたけど…どうして?と

5301011.png 【ロンゴミアント】 ………

無言のままの彼女

マスターは言う 君はとても大きな哀しみを 背負ってるんだね?

話してくれないか? その哀しみを理解することは 出来ないかも知れないけど、

分かち合うことは 出来るかも知れないから…と

5301011.png 【ロンゴミアント】 ………分かち合う?

5301011.png 【ロンゴミアント】 ………

マスターの真っすぐな目を見て、 彼女は己の過去を語り始めた

5301011.png 【ロンゴミアント】 過去において、私は… 奏官の家系の キル姫として仕えていました

5301011.png 【ロンゴミアント】 当時のマスター達は 私利私欲に溺れることはなく、

5301011.png 【ロンゴミアント】 弱き者を守り、 自分達は決して奢らず、 私を大切に扱ってくれました

5301011.png 【ロンゴミアント】 私はそんなマスターの 家系に仕えることに 誇りと喜びを感じ、

5301011.png 【ロンゴミアント】 なにがあっても、 必ず彼らは守り通すと 誓っていました

5301011.png 【ロンゴミアント】 ですが……

5301011.png 【ロンゴミアント】 マスター達は、守ってきた 街の人や仲間の奏官から裏切られ、 全員が殺されてしまったのです…

5301011.png 【ロンゴミアント】 私は…なんとかマスターを 守ろうとしました

5301011.png 【ロンゴミアント】 でも、その願いは叶わず……

5301011.png 【ロンゴミアント】 私は大切な人達が殺されるのを、 目の当たりにしました…

5301011.png 【ロンゴミアント】 私は絶望に暮れました… でも……

5301011.png 【ロンゴミアント】 絶望は、それだけでは 終わりませんでした…

5301011.png 【ロンゴミアント】 街の人や奏官が裏切ったのは… マスター達が治めていた土地を 巨大なギルドに渡し…

5301011.png 【ロンゴミアント】 そこで、高い地位に 就くためだったのです……

5301011.png 【ロンゴミアント】 私が慕っていたマスターは……

5301011.png 【ロンゴミアント】 人間達の醜い私利私欲によって、 殺されてしまったのです…!

5301011.png 【ロンゴミアント】 私は、思うようになりました

5301011.png 【ロンゴミアント】 この愚かで虚構の世界は… 終焉を迎えた方が良いのだと……

静寂の後、彼女がマスターに尋ねる

5301011.png 【ロンゴミアント】 いかがですか…? こんな黒い過去を… 分かち合うことは不可能でしょ…?

暗く、重い目で マスターを見据える彼女

だが、マスターは答える

君は、この世界も 自分さえも消えてなくなればいいと 思っているようだけど…

君が前のマスターを 失った時と同じように…

君を失えば、僕も同じように とてつもなく哀しい気持ちに なるんだよ……と

5301011.png 【ロンゴミアント】 …!

その言葉に、 心動くロンゴミアント

5301011.png 【ロンゴミアント】 で、でも…

5301011.png 【ロンゴミアント】 口ではなんとでも言えます… 理想を語るだけでは、絶望にまみれた 醜い世界を変えることは出来ません

そう言って、彼女は気づく

5301011.png 【ロンゴミアント】 どうされたのですか…? よく見ると… 顔色が少し悪いようですが…

なんでもないよ、 新しいタオル持ってくるね と、部屋を後にするマスター

5301011.png 【ロンゴミアント】 …?

ロンゴミアントは、 部屋の前を通った姫に尋ねる

そして、驚きの回答を聞く

5301011.png 【ロンゴミアント】 …そんな

5301011.png 【ロンゴミアント】 私が倒れてから、 一睡もせずに看病を…?

姫達がいくら変わると言っても、 マスターはこう答えたらしい

ロンゴミアントの哀しみを 消し去ることなんて出来ない 彼女自身が乗り越えるしかない

だから僕は、 彼女に尽くしてあげるしかないんだ

そう言って、寝ずに 看病してくれているらしい

5301011.png 【ロンゴミアント】 ………そんな人が… いるなんて…

『君を失えば、僕も同じように 哀しい気持ちになるんだよ』 マスターの言葉を思い出す彼女

5301011.png 【ロンゴミアント】 嘘じゃ…なかったんだ

その目から、 一筋の涙がこぼれ落ちる

そこに、帰ってくるマスター

5301011.png 【ロンゴミアント】 …………

どうしたの? 僕の顔になにかついてる? 尋ねるマスターに、彼女は言う

5301011.png 【ロンゴミアント】 あなたのような人が、 大切な存在になるのは… 怖いです…

それだけ言って、 彼女は布団で顔を 隠してしまうのだった

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数日後――

草原にピクニックの続きを 始めたマスターの隊

どの姫もとても楽しそうだ

そして、そこには……

5301011.png 【ロンゴミアント】 ………

姫達の輪を少し遠くから眺める ロンゴミアントの姿もあった

そんな彼女にマスターは言う 君も輪に入って、楽しんできたら?

5301011.png 【ロンゴミアント】 ………

5301011.png 【ロンゴミアント】 ありがとうございます

5301011.png 【ロンゴミアント】 でも…まだ信じ切れずにいます

5301011.png 【ロンゴミアント】 絆というものを

5301011.png 【ロンゴミアント】 世界は壊すべきなのか、 救うべきなのか…?

5301011.png 【ロンゴミアント】 その答えは、マスター… あなたと旅をすることで 見つけ出そうと思います

微笑む彼女 その瞳には、希望の光が 宿り始めていた

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