530101213 ロンゴミアント・暴走 凶心『殲滅を望みし憂鬱』
あれから数日後――
【ロンゴミアント】 アアアアッ!
破壊衝動と共に、 敵を殲滅したロンゴミアント
【ロンゴミアント】 また一つ、 哀しみを消すことができました
戦闘後、 彼女は草原に腰掛け、 一人で佇んでいた
【ロンゴミアント】 ………
どうしたの? 声を掛けるマスター
【ロンゴミアント】 ………考えていたんです
【ロンゴミアント】 この世界に… 人間達に… 希望を持ちたいとは思っている
【ロンゴミアント】 だけど、やっぱり… あの哀しみを消し去ることは 出来ません…
【ロンゴミアント】 どうやって、この感情と 向き合っていけばいいのか…
【ロンゴミアント】 ずっと考えていたんです
マスターは答える 哀しみを嘆くだけじゃなくて、 受け入れるといいんじゃない?
【ロンゴミアント】 ……受け入れる?
そう、僕も協力するから、 一緒に乗り越えよう 微笑むマスター
【ロンゴミアント】 ………
しかし彼女に、 その真意は理解できなかった…
そしてまた、 しばらく時が経って――
【ロンゴミアント】 はぁ…はぁ…くっ!
ロンゴミアントは、 戦闘でピンチに陥っていた
【ロンゴミアント】 ここで… 終わりになるようですね…
諦めかけた、その瞬間……
【ロンゴミアント】 …!
【ロンゴミアント】 み、みんな…!
ロンゴミアントを救ってくれたのは、 隊の姫達だった
大丈夫!? 怪我はない!? と声を掛けてくれる姫達
【ロンゴミアント】 ……
【ロンゴミアント】 いつからだろう…
【ロンゴミアント】 彼女達に助けられ… 勇気づけられ…… 力をもらうようになっていたのは
【ロンゴミアント】 心が…安らぐようになっていたのは
【ロンゴミアント】 ……ありがとう…ございます
それは、彼女が初めて 仲間の好意を受け入れた瞬間だった
その後、彼女はマスターに語る
【ロンゴミアント】 いつか、マスターが 言って下さった言葉…
【ロンゴミアント】 『哀しみを受け入れる』
【ロンゴミアント】 私…思うんです
【ロンゴミアント】 哀しみは…どうやっても消えません
【ロンゴミアント】 大切な人を亡くした哀しみは 生きている限り、 決して消えることは無いから
【ロンゴミアント】 だったら……
【ロンゴミアント】 喜び…、楽しみ……、 そして安らぎ……
【ロンゴミアント】 そういった感情を 積み重ねていくしかない
【ロンゴミアント】 姫達が教えてくれました
【ロンゴミアント】 そうすれば… 哀しみは、少しは薄れると
【ロンゴミアント】 薄れるという表現が 正しいかは分かりませんが、
【ロンゴミアント】 哀しみを少しは 俯瞰で見られるようになります
【ロンゴミアント】 人は…そうやって哀しみと 向き合っていくのかも知れませんね
【ロンゴミアント】 そう思うようになったら… 少し心が軽くなりました
【ロンゴミアント】 ありがとう、マスター
【ロンゴミアント】 もう少し、あなたのそばで ともに戦っていたい… 今はそう思っています
【ロンゴミアント】 哀しみのない… 美しい世界を目指して
微笑んだ彼女 その瞳は、温かい優しさを 宿し始めているようだった
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