530281213 ヘレナ・D. plug・ロキ 理砕『変革の道化師』
あれから数日後――
マスターが歩いていると、 ある光景が目に飛び込んできた
【ヘレナ】 あははははっ
ヘレナが姫達と一緒になって、 和やかに笑っている
その様子を見て、 嬉しく思うマスター
【ヘレナ】 …あっ、先輩!
マスターを見つけた彼女が 近寄って来た
楽しそうだね? とマスター
【ヘレナ】 うん、そうだな みんなとジュース飲みながら、 お話してたんだ
【ヘレナ】 ほら、先輩にもあげるぞ
…と、嬉しそうに ジュースを渡してくる彼女
【ヘレナ】 今じゃ、仲間と距離を置かずに 付き合えるようになったんだぞ 先輩のおかげだな
じゃあ、もう嘘は卒業かな? と尋ねるマスター
【ヘレナ】 ああ、もちろんだ ヘレナは心変わりしたからな 今日で嘘は卒業するぞ!
彼女の笑顔を見て、マスターが ジュースを口に含んだ瞬間……
【ヘレナ】 ……くふっ
ブーッ!と、吹き出すマスター
【ヘレナ】 あははははっ! と~っても酸っぱいお酢を入れた ヘレナ特製ジュースだ♪
【ヘレナ】 どうだ?ビックリしたか?
その様子を見て、笑っている姫達
このイタズラの算段で、 さっきもみんなで笑っていたのか… と、苦笑するマスター
【ヘレナ】 悪いな、先輩
【ヘレナ】 ヘレナ、嘘をつくのはやめないぞ
【ヘレナ】 でも、これだけは約束する
【ヘレナ】 ヘレナは みんなをハッピーにする 嘘をついていく
【ヘレナ】 いつもヘレナに力をくれる仲間を、 元気にするための嘘をな
【ヘレナ】 そして、いつか平和な世界を作る そういう夢をみんなと描くのも 悪くないと思ったんだ
【ヘレナ】 それに、 先輩達といると退屈しないからな
微笑む彼女に、 ヘレナいい子だね、 と返すマスター
【ヘレナ】 なっ…! ヘレナがいい子!?
顔を真っ赤にする彼女
あれ?照れてるの? マスターの指摘に対し、 慌てて反論する
【ヘレナ】 ち、違っ…先輩があまりにも 見当違いなことを言うから、 驚いてしまっただけだっ…!
【ヘレナ】 嘘じゃない、本当だぞっ!
今度はヘレナの様子を見て、 楽しそうに笑う姫達
もう、彼女と仲間の間に、 垣根は無かった
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