540013214 アルテミス・疑彩 華葬『偽りなき清淑』
その後―――
アルテミスは、 仲間を傷つけようとすることは なくなった
【アルテミス】 はぁ…はぁ…!
全てを守れるほどに、 己が強くなろうと決心した
そのための特訓を 毎日休まず行っている
【アルテミス】 …あ、マスター 見ていたのですか?
そんな彼女に、 マスターは語り掛ける その心意気は素晴らしいけど……
【アルテミス】 …え? 一人じゃ… 強くなれない…?
【アルテミス】 ……では、 どうすれば良いのですか?
マスターは答える もっとみんなを信じなきゃ
みんなもきっと君を 救いたいと思っている そう僕もね、と
【アルテミス】 ……?
【アルテミス】 それは… どういうことですか?
数日後――
また新たな戦闘が始まった
【アルテミス】 …!マスター!!
先の言葉通り、マスターは 窮地に陥ったアルテミスを救おうと、 身を挺し守った
【アルテミス】 なんということを…!
【アルテミス】 ここからは… 私に任せてください!!
マスターに助けられたことで、 アルテミスは敵の撃破に 成功するのだった
慌ててマスターに駆け寄る アルテミス
【アルテミス】 よかった… 怪我はないようですね
【アルテミス】 それにしてもマスター… あなたには本当に 驚かされます
【アルテミス】 私は今まで、大切な人を傷つけても “世界の為に” 戦ってきたつもりでした
【アルテミス】 でも、あなたは… “大切な人を守るために” 自分を犠牲にしてでも戦うのですね
【アルテミス】 その心は… 素晴らしいと思います
【アルテミス】 でも、いけませんよ
【アルテミス】 あなたが傷ついたら… 私はもっと落ち込んで しまいますから…!
そう言って、頬を赤くするアルテミス
【アルテミス】 でも、嬉しいです
【アルテミス】 そこまで私のことを 想って下さるなら…
【アルテミス】 私もこの身を捧げます
【アルテミス】 もし、 あなたが散る運命だったとしても、 私がその運命を変えてみせます
【アルテミス】 だから、その…
【アルテミス】 ずっと…近くにいさせてくださいね
微笑む彼女の目は、 とても優しく、 いじらしかった
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