540191212 フェイルノート・誓約・ルシファー 心強い仲間と共に
【フェイルノート】
私なら成し遂げられる…
そう思ってたけど……
【フェイルノート】
私には…無理なのかな…？
ぬいぐるみに語り掛ける彼女
――と、彼女が マスターの存在に気付いた
【フェイルノート】
ひゃあああっ！
お、お前様いつからそこにっ…！？
ぬいぐるみと話してたの？ と、尋ねるマスター
【フェイルノート】
い、いいえっ…！
い、いいから早く寝なさい！
だがマスターは、 話の続き、聞かせてくれないかな？ と彼女に頼むのだった
【フェイルノート】
………
【フェイルノート】
…今から話すことは
他の者には秘密にすると
そう、約束できる？
いつものような強がりのない どこか不安げな表情で、 フェイルノートは尋ねる
もちろん、というマスターに 少し迷った後、 彼女が重い口を開いた
【フェイルノート】
ずっと……
【フェイルノート】
弱き者を守るためにも、
強者であり続けなければならない…
そう思って、頑張ってきた…
【フェイルノート】
でも本当の私は……弱い
【フェイルノート】
今の強さは…借り物……
ルシファーの強さでしかない
【フェイルノート】
私は…紛い物なの……
悲しい目を見せる彼女
そんなに気負い過ぎなくても 大丈夫だよ？ と、彼女に微笑むマスター
【フェイルノート】
……そんなことでいいの？
【フェイルノート】
姫達を率いる…
常に強者でいなければならない
お前様がそんなことで…
マスターは、あっけらかんと答える 僕が常に強者でいるなんて無理だよ だって姫の方が強いからね、と
【フェイルノート】
…え？
笑顔でハッキリ告げるマスターに、 驚く彼女
【フェイルノート】
なぜ、お前様は……
【フェイルノート】
なぜ、お前様は……
そんなに心を強く持てるの……？
【フェイルノート】
弱いと言いながら…
なぜそんなに
自信満々でいられるの……？
自信なんてないよ、でも僕には… 僕の弱さを補ってくれる仲間がいる
それに仲間を信じているから …と答えるマスター
【フェイルノート】
！！
【フェイルノート】
そうか…その信頼の強さが…
お前様の強さの秘密なのね…
数日後――
また戦闘が発生した
【フェイルノート】
今回の敵は…
この前より、またさらに強い…！
隊内に不安なムードが漂う
そして、その不安は的中
【フェイルノート】
くっ！み、みんな…！
大丈夫！？
戦闘が始まるや否や、 姫達は瞬く間に劣勢に立たされた
【フェイルノート】
ど、どうすれば……！
【フェイルノート】
……そうだ！
逆転の秘策を思いつくフェイルノート
【フェイルノート】
で、でも……
私の言うことなんて…
もう…誰も……
そう思い、 仲間に指示できない彼女
…が、そんな時、 マスターの言葉を思い出した
『自信なんてないよ でも僕には…僕の弱さを補ってくれる 仲間がいるから』
【フェイルノート】
そうね…
ここで立ち止まるなんて
そんなこと……
【フェイルノート】
絶対に私が許さない…！
【フェイルノート】
敗けるわけにはいかないの
いかなる敵にも屈するわけには
いかないの
【フェイルノート】
……それに、
今の私は一人じゃない
そこに勝機があるのなら…！
仲間に向かい、彼女は叫ぶ
【フェイルノート】
みんな、お願い！
【フェイルノート】
私にはできないことを、
あなた達に補ってもらいたいの！
どうか私に……力を貸して！！
そう言って、頭を下げる
その姿に驚く姫達
【フェイルノート】
お願い…！
うおおおおお！と、 姫達から雄々しい 叫び声が上がる
任せといて！と、 戦場を駆け巡る姫達
【フェイルノート】
ありがとう……
【フェイルノート】
みんな、ありがとう！！
その後、フェイルノートの采配で、 瞬く間に戦況をひっくり返す姫達
マスターは言う 言ったとおりでしょ？ 君は紛い物なんかじゃない
ルシファーじゃなく、 君の想いが、みんなに 勇気と力を与えたんだよ…と
【フェイルノート】
なに言ってるの、お前様？
勇気と力は…
【フェイルノート】
私が…みんなからもらってるの！！
【フェイルノート】
行けっ！！
『誓約されし明星の魔弓』―――！
新たな力に目覚めた彼女は、 仲間と共に敵を殲滅するのだった
戦闘後――
各々、休んでいる姫達 フェイルノートもまた、 自分の部屋で休んでいる
マスターが、彼女の部屋の前を 通り掛かった時、 また声が聞こえてきた
【フェイルノート】
気づいたの
【フェイルノート】
私は……王でなくてもいい
自分の弱さに抗い続け、
仲間と共に戦っていく
【フェイルノート】
信頼できる…心強い仲間と共に
ノックし、部屋に入るマスター じゃあ、これからもよろしくね …と彼女に告げる
【フェイルノート】
ひゃあああっ！
だから、急に入ってこないでっ…！！
焦る彼女
【フェイルノート】
まったく…
【フェイルノート】
どれだけ上手く隠しても、
お前様は私の弱さを
見抜いてしまうのね
【フェイルノート】
本当はね、
ずっと不安だったの…
けれど今は…
【フェイルノート】
お前様がいれば、
なにも怖くないとさえ思えるのよ
素直に告白した彼女は、 とてもいじらしかった
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