540201212 ヒョウハ・神令・テュール 未来を灯す炎
【ヒョウハ】 はぁ…はぁ…!
“超えたい奴”よりも強くなるため、 一人で特訓を続けるヒョウハ
【ヒョウハ】 くそ…、92本…! また失敗か!
だが、百本の矢を射る特訓で、 どうしても百発百中できないでいた
92本もすごいと思うけど… マスターがそう言うも、
【ヒョウハ】 それじゃダメだ
【ヒョウハ】 あたしが超えたい奴は、 いとも簡単に…
【ヒョウハ】 しかもクールに、 百本 射抜くんだ
【ヒョウハ】 ……くそっ!
【ヒョウハ】 あいつは出来るのに… どうしてあたしは……!
膝を付き、 拳を大地に叩き付ける彼女
【ヒョウハ】 あたしとあいつの… 何が違うんだ!?
【ヒョウハ】 あたしには…、 これが限界だっていうのか…?
悔し涙がこぼれ落ち、 大地を濡らした
――と、その時
【ヒョウハ】 !!
がんばって、ヒョウハ! 熱い声援が、空に鳴り響いた
【ヒョウハ】 あ、あんた達……
その主は隊の姫たちだった
【ヒョウハ】 な、なんで…?
いつも一人だけで頑張っている ヒョウハを心配し、 いつも陰から様子を見ていたのだ
曖昧なものを嫌うくせに、 今の悩んでいるヒョウハの姿は 曖昧そのもの
そんなのヒョウハらしくない! と、鍋を取り出す一人の姫
【ヒョウハ】 え?…鍋?
それを手に取ったマスターは、 みんなが作ったこれでも食べて、 気合い入れ直して!!
…と、スプーンですくい、 ヒョウハの口に突っ込んだ
【ヒョウハ】 むぐっ!!
【ヒョウハ】 !!
【ヒョウハ】 こ、これって…
【ヒョウハ】 か、辛~~~い!!
それは姫たちが作った 超爆・激辛カレーだった
【ヒョウハ】 ひ、ひぃぃぃぃっ!!
あまりの檄辛ぶりに悶絶する彼女
【ヒョウハ】 でも……
【ヒョウハ】 目が覚めたーーーっ!!
額から流れ出る汗を拭い、 力強く矢を握り直す
【ヒョウハ】 よぉぉぉぉし…!
君なら出来る!頑張れ!! マスターの檄と、 姫たちの声援が飛び交う
【ヒョウハ】 なんだろう…? この体の奥から湧き上がってくる… 口では説明できない力は!!
【ヒョウハ】 でも…!
【ヒョウハ】 超爆・燃え上がってきたぁぁぁ! ファイアアアアア!!
彼女の放った矢は、 全ての的を破壊するほどの とんでもない威力を発揮するのだった
【ヒョウハ】 っしゃあああああっ!!
その後、マスターと語り合うヒョウハ
【ヒョウハ】 曖昧なものなんて 大っ嫌いだったけど
【ヒョウハ】 あんたからの信頼や、 仲間たちからの声援…
【ヒョウハ】 そう、友情っていう 超爆・曖昧なものに 力をもらった
【ヒョウハ】 バイブスの共鳴なんて曖昧なもの、 信じていなかったけど…
【ヒョウハ】 あんたと一緒なら、 不可能と思えることも 乗り越えられるかも知れない
【ヒョウハ】 “超えたいあいつ”を 超えられるかも知れない
【ヒョウハ】 こんなあたしに、 信頼ってパワーをくれる あんたと一緒なら…
【ヒョウハ】 あたしの殻を破ってくれた あんたと一緒なら!
【ヒョウハ】 いや……、 もうあんたなんて呼べないな
大きく息を吸って、 彼女が叫ぶ
【ヒョウハ】 師匠っ!
【ヒョウハ】 これからは、そう呼んでいいか?
満面の笑みで訪ねてくる彼女
【ヒョウハ】 さあ、師匠! これからどこに向かうんだ!?
【ヒョウハ】 あたしたちが進む道を、 指し示してくれよ!!
そう言って微笑んだ彼女の目は、 熱く力強い炎に満ちていた
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