Phantom of the Kill

Story scripts of Phantom of the Kill (ファントム オブ キル)

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540222212 イチイバル 虚を衝く祝福の婚儀

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5402221.png 【イチイバル】 準備はできたかな? さぁ、踊ろうか、お兄さん

イチイバルの指導のもと、 任務の合間にダンスを教わるマスター

この後も任務だけど イチイバルは大丈夫? とマスター

5402221.png 【イチイバル】 またそうやって他人の心配ばかり… ほら、今はキミの心配を しなくちゃね?

5402221.png 【イチイバル】 いいかい、ここは こうやってステップを踏むんだ

5402221.png 【イチイバル】 ボクと息を合わせて… そうそう、いい感じだ

5402221.png 【イチイバル】 さぁ、次はこの赤い花を くわえてごらん

5402221.png 【イチイバル】 フフッ ホントにくわえてくれたんだね なかなかお似合いじゃないか

たまに悪戯をされることもあるが マスターのダンスも 徐々に形になっていった…

男役と女役どちらのダンスも できるなんて、さすがだね とマスターは感心する

5402221.png 【イチイバル】 …キミこそ、ずいぶんがんばるね ボクが予想していたよりも ずっと成長が早い

イチイバルの指導のおかげだよ と汗を拭きながらマスターは微笑む

5402221.png 【イチイバル】 キミの運動能力を把握し、予測して 最適な方法を導き出しただけさ ドヤッ☆

彼女の高い洞察力に 舌を巻くマスター

5402221.png 【イチイバル】 …ところで、どうしてキミは そんなにがんばれるんだい?

5402221.png 【イチイバル】 そんなに汗だくになってまで がんばる必要があるのかな?

せっかくの舞踏会だし みんなには気兼ねなく楽しんで ほしいから、とマスターは答える

5402221.png 【イチイバル】 …また他人のためかい? キミは相変わらずだね

5402221.png 【イチイバル】 …でも、そんな風に必死に がんばる姿は、なんかこう 格好いいね

えっ!? と思わぬ評価に驚くマスター

5402221.png 【イチイバル】 …ボクも、そんな格好良さがほしい

イチイバルが 格好良くなりたいの…? とマスターは首を傾げる

5402221.png 【イチイバル】 そう、ボクはもっとクールに いきたいんだ…

イチイバルはそう言うと なにやら考え込んでしまうのだった…

5402221.png 【イチイバル】 …よし それじゃあ任務に向かおうか お兄さん

その格好のままいくの? と驚くマスター

5402221.png 【イチイバル】 ん? 何、居残りレッスンみたいなものさ いいだろう?お兄さん

イチイバルがそう言うなら… いいよ、とマスターは許可する

5402221.png 【イチイバル】 ありがとう、お兄さん それではこのイチイバルさんに 乞うご期待、キランッ☆

ウェディング衣装のイチイバルを 連れて、二人は任務へと 向かうのだった…

5402221.png 【イチイバル】 …敵の数が多いね いやはや、思った以上に苦戦する

魔獣から距離を取りつつ 確実に仕留めていくイチイバル

しかし、徐々に魔獣との 距離が詰まり始めていた

5402221.png 【イチイバル】 …ねぇ、お兄さん どうしてお兄さんは あんなに必死にがんばれたんだい?

魔獣を弓矢で射抜きつつ、 イチイバルはそう尋ねてきた

5402221.png 【イチイバル】 隊のみんなのため? 本当にそれだけで、あんなに がんばれるものなの?

みんなが喜ぶ顔を思い浮かべれば がんばれるんだ とマスターは答える

5402221.png 【イチイバル】 笑顔のための努力…か

5402221.png 【イチイバル】 誰かのために汗を流すのは 誰にでもできることじゃない

5402221.png 【イチイバル】 なのにキミはやってのける まるで永遠の誓いを 交わしたかのように…

5402221.png 【イチイバル】 ふふ、もしかしたら キミにはそんな誓い 不要なのかもしれないね

そう言って、イチイバルは 少しだけ寂しげに目を伏せる

5402221.png 【イチイバル】 …本当はね、お兄さん ボクが男役をするはずだったんだ

5402221.png 【イチイバル】 だってみんなお姫さんでしょ? だからボクが男役をやれば 引っ張りだこだと思ったんだ

5402221.png 【イチイバル】 ジューンブライドで交わす 永遠の絆、すばらしい響きだ

5402221.png 【イチイバル】 まぁ、仮初とはいえね ボクが男役をやれば、無条件で その絆が手に入ると思ってた

5402221.png 【イチイバル】 だからボクは手っ取り早く 格好良さを求めたんだ

そうだったのか… と相槌を打つマスターは でも…とこう続けた

でも、どんな魂胆だとしても イチイバルが誰かのために 行動したのは事実じゃないか、と

5402221.png 【イチイバル】 ボクも、みんなのために…?

天才美少女戦姫イチイバルさんは 今日も格好良かったよ! とマスターは励ます

5402221.png 【イチイバル】 うわ、なんでボクの口上覚えてるの? こわいなぁ…

5402221.png 【イチイバル】 …なんてねっ 冗談だよ、お兄さん ありがと

5402221.png 【イチイバル】 きっと みんなが喜んでくれるかなってさ そういう思いもあったんだ

5402221.png 【イチイバル】 それに、結果として キミの役にも立てたからね

5402221.png 【イチイバル】 これからもボクはみんなのために がんばれるイチイバルさんで いてあげるよ!

イチイバルがそう決意したとき 弓矢から光が溢れ出す…!

5402221.png 【イチイバル】 はああっ! 『虚を衝く祝福の婚儀』

瞬く間に魔獣の群れを片付けた 一撃を見て、マスターは 驚いて口をぽかんと開ける

一方でイチイバルは、 そんなマスターの顔を 面白そうに見つめるのだった…

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