540222213 イチイバル 樹令『婚娶の流麗』
【イチイバル】 やぁ、お兄さん どうしたんだい?
【イチイバル】 このイチイバルさんとの ダンスレッスンが忘れられなく なったのかな?ドヤッ☆
相変わらず無表情のまま 話しかけるイチイバル
近頃、隊の中でイチイバルの評価が 上がってるみたいだね とマスターは賞賛の言葉を送る
【イチイバル】 ボクの評価が? ふふん、どうやらボクの作戦が 功を奏したみたいだね
作戦? とマスターが尋ねる
【イチイバル】 うん。ちょっとした意識の 切り替えで変わることって あるだろう?
【イチイバル】 キミと過ごしたダンスレッスン… あの日の刺激がボクを変えたんだよ
【イチイバル】 もっとみんなを エスコートしようってね キランッ☆
イチイバルはあの日、隊のために 汗を流すマスターを見て、 格好良いと言っていた
彼女もそんな風に行動したいと思い 他の姫達をエスコートするように 積極的に支援するようになったのだ
あの日の経験が 樹令『婚娶の流麗』 となって彼女に宿ったようだ
マスターはタオルを取り出し そっとイチイバルの額を拭う
【イチイバル】 んん? どうしたんだいお兄さん
【イチイバル】 …汗をかいてた? このクールなイチイバルさんが?
いつもありがとう とマスターはそんな彼女を労った
【イチイバル】 自分でも気付かないうちに、 必死になっていたのかもね
【イチイバル】 陰ながら努力をして、 クールを保つというのも なかなかに大変だよ
【イチイバル】 だけど…だからこそ 格好がつくのかもしれないね キランッ☆
そう言って彼女はおどけて 笑ったような仕草を取る
そういえば…とマスターは気づく
今回、彼女はみんなから 引っ張りだこになりたいから 男役のダンスを練習していた
彼女なりにみんなと仲良くしたい という健気な思いが あったんだろうな…と
【イチイバル】 なんだい、お兄さん ボクに見惚れてしまったのかな? ドヤッ☆
少し無茶をするようになった彼女へ 辛いときは頼ってよ とマスターは伝える
【イチイバル】 頼っているとも お兄さんには、いつもね
友人として頼ってもいい とマスターは伝えた
【イチイバル】 …え?
【イチイバル】 友達? キル姫とマスターの関係なのに?
【イチイバル】 …フフフッ キミは本当に 面白いことを言うね
【イチイバル】 …友達、かぁ いい響きじゃないか
【イチイバル】 ねぇ、お兄さん 友情っていうのは一生ものだよね?
【イチイバル】 誓えるかい? ボクのこの衣装に誓って 友達であると
もちろん、誓えるよ! とマスターは微笑んだ
【イチイバル】 アハッ いい返事だ、お兄さん
【イチイバル】 なら、誓おう 永遠の誓いを、ね
マスターの返事に、 イチイバルも満足そうに 笑ったように見えた…
Next: 540231211