550372211 ロジェスティラ・神令・スクルド 舞踏会のドレス
【ロジェスティラ】 …ふぅ 完成です…っ! 舞踏会に間に合ってよかった…
ロジェ、何をしているの? とマスターは声をかけた
【ロジェスティラ】 あ、おはようございます マスターさん
【ロジェスティラ】 今日は近くの街で ジューンブライドを祝った 舞踏会があるそうなんです
【ロジェスティラ】 だから、みなさんのためのドレスを 作っていました!
見れば、数着とはいえ見事な ウェディングドレスが ずらりと並んでいる
【ロジェスティラ】 ドレスを作るのは初めてでしたけど なんとか形になってよかったです
まさかドレスをひとりで 作っていたなんて…! と驚くマスター
【ロジェスティラ】 あっ‥でもでもっ、 こんな勝手なことをしたら、みんなに 迷惑になっちゃうでしょうか…?
そんなことない みんなきっと喜ぶよ、ロジェ とマスターは微笑んだ
【ロジェスティラ】 え、えへえへ… ありがとうございます マスターさん
ロジェの分はどれ? とマスターは尋ねる
【ロジェスティラ】 わ、わたしの分はありません わたしは、舞踏会には 参加しませんから…
それはもったいないな… とマスターは悩む
あのドレスは余ってるの? と一着だけ違う場所にあるドレスを 見つけるマスター
【ロジェスティラ】 あ、あれは、違うんです 作るのは初めてだったので… 練習に、自分の寸法で作ったものです
【ロジェスティラ】 もし間違えても 誰にも迷惑かかりませんから…
それなら、その服を着て ロジェも参加しようよ! とマスターは誘う
【ロジェスティラ】 えぇっ!? で、でもわたしは… その、似合わない、です…
ロジェも参加してくれたほうが 楽しめるのになぁ…とマスター
【ロジェスティラ】 え、えぇっ!? そ、そう言われると…
【ロジェスティラ】 う、うぅ… お兄さまの、いじわる…
【ロジェスティラ】 ど、どうですか? 変なところはないですか…?
もじもじと気恥ずかしそうに 街で開かれている舞踏会へ 顔を出したロジェスティラ
とってもよく似合っているよ とマスターは微笑んだ
【ロジェスティラ】 そうでしょうか… は、恥ずかしいです…
顔を赤らめるロジェスティラ ただ恥ずかしいというより どこか遠慮しているようだ
【ロジェスティラ】 そ、それにしても、みなさん とっても素敵です
【ロジェスティラ】 ドレス、がんばって 作ってよかったぁ えへへ
【ロジェスティラ】 …やっぱり、こういう衣装は 誰かに愛されるような方が 着るべきですよね
【ロジェスティラ】 わたしには、分不相応、です…
そう言って、舞踏会をあまり 楽しめない様子のロジェスティラ そんなときのこと…
華やかな雰囲気だった会場に 突如、女性の悲鳴が響き渡った
【ロジェスティラ】 きゃあっ! …マスターさん、今のって
うん、様子を見に行こう とマスターは頷いて ふたりは声のする方へ駆けていった…
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