550381212 千石 撫子 大丈夫。やらせて
しかし――人手が必要
それは、八九寺の言う通りだった だから
四時が近付いた頃、 僕は千石の家に電話をかけた
【千石】 暦お兄ちゃん 撫子に電話してきてくれたの? ……嬉しい
ううん、 どこから説明したものか……
【千石】 どうしたの? 暦お兄ちゃん
【阿良々木】 あ、いや……その
【千石】 落ち着いて 何かあったの?
【阿良々木】 何かあったって言うか――
【千石】 と、とにかく、 落ち着いてよ、暦お兄ちゃん
【千石】 そ、そうだ、 今から撫子が、 面白い話をしてあげるから
【阿良々木】 ……………
すげえことを言い出した
【千石】 えっとね、 漫画やアニメなんかでは気楽そうに もてはやされているけれど、
【千石】 メイドっていうのは、 意外と大変な仕事なんだよ
【阿良々木】 『大熊猫大好き』さんは お前かよ!
【千石】 お、落ち着いた? 暦お兄ちゃん
【阿良々木】 おお……一周して、 なんか落ち着いちゃったよ
【阿良々木】 千石 忍を探して欲しい
【千石】 探してって…… いなくなったの?
【千石】 あの……えっと、忍ちゃん
【阿良々木】 ああ
【阿良々木】 一晩戻ってない
【千石】 そ、そうなんだ……
【千石】 うん わかった
【阿良々木】 ああ、でも、 力をほとんど失っているとは言え、 あいつは吸血鬼なんだから……
【千石】 いい
【千石】 大丈夫 やらせて
最終的には頼んだこちらが 気が引けるくらいだったが――
千石は、その後、 すぐに忍探しに出張ってくれた ようだった
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