560203211 ネス 可愛らしい衣装
【ネス】 うう… 確かに可愛らしい衣装なのですが…
ネスは新しい衣装と杖に戸惑っていた
異世界のお友達から贈られた衣装
大人に憧れるネスには 可愛い衣装が着られて嬉しい反面、 恥ずかしさもあった
そして、この世界ではあまり見ない 衣装を着たネスが街を歩くと、 子供達が集まってしまうのだ
「お姉ちゃん、魔法使いなの?」 「とってもかわいいお衣装だね」 「ねえねえ、魔法見せて!」
【ネス】 わ…わたしは魔法使いではありません この衣装も、必要だから 身につけているだけですので!
ネスはそう言い切ると マスターの腕を掴んで 街の外に向かって走り出した
【ネス】 はぁ、はぁ… ここまでくれば、大丈夫ですよね
そんなに急ぎの任務じゃないのに、 走ったりしてどうしたの? と、マスターはネスにたずねる
【ネス】 どうしたの、じゃないですよ! わたしが困っているのに、 どうして助けてくれないんですか?
子供達が集まる気持ちもわかるよ その衣装、かわいいし似合ってるし と、マスターはのんきに答える
【ネス】 かかか、かわいいだなんて… うう、ダメです! そんな言葉ではごまかされませんよ!
ネスは顔を赤らめつつ、 マスターを杖でポカポカと叩く
【ネス】 この衣装がかわいいことは認めます ですが、わたしには 子供っぽすぎると思いませんか?
【ネス】 わたしは大人の女性なのですから それにふさわしい衣装が… マスター、なにがおかしいのですか?
いえ、なんでもありません… と、ネスの愛らしさにゆるんだ表情を 必死で引き締めるマスター
そして話題を変えようと、 その杖の方には不思議な力が あるんだよね?と、ネスにたずねる
【ネス】 はい、そう聞いています ですが…今のところは なにも感じません
ネスはマスターを叩く手を止め、 少しだけ不安そうな顔をした
不思議な力ってどんなのかな、 どんな秘密があるんだろう と、マスターはネスをじっと観察する
【ネス】 …ですから、 じろじろ見ないでください また叩かれたいのですか?
そういって、ネスは杖を構える この時は2人とも、それほど深刻には とらえていなかったのだが…
【ネス】 はぁ… どうしてだろう わたしじゃダメなのかな…
あれから数日たっても、 ネスは不思議な力を 感じることができずにいた
自信を失って落ち込むネスに、 そんなに気にすることはないよ と、声をかけるマスター
【ネス】 でも… マスターも楽しみにしてたのに… このままじゃ、わたし…
マスターはネスを励ますために できることはないかと考える そして、あるアイデアを思いついた
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