560321212 オルフェウス・神令・フォルセティ 最強の音楽
あの日以来、オルフェウスは 部屋に閉じこもったきり 出てこない
マスターは彼女のことを 気にかけていた
そして隊の姫達も心配している
そんな時、魔獣が現れ、 マスターの隊は出動する
しかしオルフェウスは 作詞作曲活動に没頭していたため、 作戦には参加しなかった…
戦闘から帰還したマスターは、 オルフェウスの部屋に入る
そこで目にしたのは、 意外な光景だった
【オルフェウス】 …うぅぅ……
穴の開いた壁 壊された椅子
【オルフェウス】 マジもう、むりぃぃぃぃ!!
部屋の真ん中に腰掛けたまま、 五線譜の紙をばら撒く彼女
彼女は世界を救えるような 最強の音楽が作れなくて、 苦悩していた
【オルフェウス】 ……はぁぁぁぁ あたしって、もしかして……
【オルフェウス】 才能なしよりのなし……?
そして、自らの 才能のなさに落ち込んでいた
だ、大丈夫? 声を掛けるマスター
【オルフェウス】 …とりま、聞いてくれる?
彼女はマスターに 心のうちを語り始めた
【オルフェウス】 あれから…
【オルフェウス】 最強の音楽を、作ろうと ガチめになってみたけど…
【オルフェウス】 全然むりぽで… テンサゲ不可避なんだ…
【オルフェウス】 そもそも…世界を救えるような 最強の音楽なんて マジないんじゃないかって…
【オルフェウス】 やっぱ… あたしには作れないんじゃ ないかって……
俯く彼女
――すると
【オルフェウス】 …!
ポロ~ン♪と、 アコースティックギターの音が 鳴り響いた
【オルフェウス】 …マスター?
オルフェウスが 作曲用に使っているギターを マスターが弾いていたのだ
マスターは言う 僕に音楽の事はよくわからないけど、 『音楽』って音を楽しむって書くよね
【オルフェウス】 …うん
なのに今の君と来たら… 音で苦しむ 『音が苦(おんがく)』だよ、と
【オルフェウス】 …………
【オルフェウス】 ……うん
【オルフェウス】 ………ん?
【オルフェウス】 ……ちょ、待てし どゆこと? マジでいみふなんですけど
上手く伝わらず、 盛大にスベるマスター
【オルフェウス】 ………プッ
【オルフェウス】 …ったく、 人がマジめにオチてんのに バビるわ
【オルフェウス】 でも…
【オルフェウス】 なんかちょっち楽になったかも
【オルフェウス】 だよね、楽しまなきゃね
マスターの不思議な緩さに、 心がほっこりするオルフェウスだった
それから数日…
彼女は最強の音楽を作るため、 日夜奮闘している
その姿をそばで優しく見守るマスター
そんな、ある日…
【オルフェウス】 …!
【オルフェウス】 この音……
また戦闘が発生したのだ
マスターは戦闘に参加する為、 急いで部屋を出ようとする
【オルフェウス】 ちょっ、待つしっ!
【オルフェウス】 教えて
【オルフェウス】 今も昔も、 あたしが信じているのは 音楽だけ
【オルフェウス】 どしてマスターは、 キラーズやバイブスを信じるし?
彼女に向き直り、 マスターは答える
僕が信じているのは、 キラーズでもバイブスでもない キル姫という…仲間だよ、と
【オルフェウス】 …!
バンドも色んな楽器と メンバーが集まるから、
色んな音が出せて最強の音楽が 出来あがるんじゃないかな? そう言って、部屋を後にするマスター
【オルフェウス】 ……色んなメンバーが集まるから
【オルフェウス】 ………
残された彼女は、 ジッと一点を見つめ、 考え込んでいた
一方…
戦場に駆け付けるマスター
敵は精鋭揃い 隊の姫達は、 苦戦を強いられている
マスターが改めて 指揮をとろうとした、 その時…
♪ギュイィィィィィン!
聞こえてくるミュージック それを奏でていたのは オルフェウスだった
聞こえてくる曲に テンションが上がり、 立ち上がる姫達
【オルフェウス】 よさげじゃん! ロックだね、みんな! もっとバイブステンアゲでいくよ!!
彼女の曲にテンションが上がり、 立ち上がる姫達
【オルフェウス】 ねぇ、マスター
【オルフェウス】 やっぱ、あたしは キラーズやバイブスを信じない
【オルフェウス】 でもマスターと一緒だよ
【オルフェウス】 仲間は…信じてみようと思う!
【オルフェウス】 あたしの作った音楽に、 ノリノリになってくれたみんなを!
【オルフェウス】 あたしの音楽を らぶたんって言ってくれた みんなを信じる!
【オルフェウス】 YEAHHHHHHHH!!!
敵の中に斬り込んでいく彼女
【オルフェウス】 最強の音楽を決めるのは、 評論家でも音楽家でもない!
【オルフェウス】 オーディエンスだよ!!
【オルフェウス】 聴いてくれる人に 元気をあげたいから… あたしは歌う!!
曲と共に敵を駆逐する彼女
【オルフェウス】 あっ!!
【オルフェウス】 ヤババ! 今、ヤバめなフレーズが 脳に直撃ったっ!
心情の変化により、 新たなる音楽と奥義に 覚醒するのだった
戦闘後、マスターと話すオルフェウス
【オルフェウス】 ありがとね、リーダー
…リーダー? マスターは自分の呼び方が 変わったことを不思議に思う
【オルフェウス】 あたしが曲作りに激ハマった時、 リーダーがいきなりギターを 弾いてくれたから気づけたんだ
【オルフェウス】 あの時のあたしは、締め過ぎたら、 いつかは切れるギターの 弦のようだった
【オルフェウス】 でもリーダーが、 追い込まれてたあたしの 心の弦を緩めてくれた
【オルフェウス】 あたしの心を導いてくれた だから、リーダーに昇格!
よくわからなかったが、 なるほど、と頷くマスター
【オルフェウス】 ねえ、リーダー あたし探してみるよ
【オルフェウス】 キラーズやバイブスを消さなくても、 世界を救う方法を
【オルフェウス】 この前は、 音楽性の違いとか 言っちゃったけど…
【オルフェウス】 やっぱ、あたしと セッションしてくんない? これからもずっと
【オルフェウス】 てことで、よろ~♪
照れた笑顔は、 ロックな彼女から想像できないほど キュートだった
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