560401212 ハルカラ キノコ料理なら任せてください!
【ハルカラ】 へぇー こんな場所があったんですね
【ハルカラ】 ありがとうございます 土地勘がないので助かります
マスターが薬草採取のために ハルカラを森へ連れて行くと 目を輝かせ始める
そして、すぐに薬草採取に 取り掛かるハルカラ
【ハルカラ】 ふんふん… あ、これ、これです 外傷に効く薬草ですね
【ハルカラ】 あっ!こっちのは 解熱効果のある花です これももって帰ります
ハルカラは 次々と薬草や薬の材料を 採取していく
こちらの世界に来て まだ間もないのに その動きに迷いはないように見えた
マスターがそのことを褒めると ハルカラは嬉しそうに微笑む
【ハルカラ】 図書館で図鑑を見たり お年寄りにお話を聞いたり 勉強しましたから!
どうだと言わんばかりに 胸を張るハルカラを マスターは素直に褒める
【ハルカラ】 えへへ…褒められました! こっちに来てから失敗続きでしたから 嬉しいですね~
【ハルカラ】 これなら、お店でも 新しい薬を作れそうです
【ハルカラ】 よーし、 たくさん採取しちゃいます―
言葉を切ったハルカラの視線が 藪の向こう側に釘付けになる
【ハルカラ】 ああっ!あれはもしや! あらゆる薬効を増強する特ダケっ!
言うやいなやハルカラは 藪の中に突進していく
そして、ジッと キノコを見つめるハルカラ
【ハルカラ】 あれ? 特ダケ…? いや、なんか違うような…?
首をかしげるハルカラに 目的のものじゃなかった? とマスターが尋ねる
【ハルカラ】 すごく似てるんですけど おそらく、元の世界とこちらの世界で 環境が違うので
【ハルカラ】 形状が違うのかもしれません それに、もしかすると 効用も違うかも…?
【ハルカラ】 うう… 前に見た図鑑には 載ってなかったんですよね…
そういうときは、 どうやって調べるの? とマスターが聞くと
【ハルカラ】 食べてみます!
そう言って、キノコをとって 食べようとするハルカラ
そんなの危ないよ!と、 キノコを取り上げようとするが なぜか、そのままマスターの口へ
むぐ……むぐぐぐ…ゴクン 咄嗟のことで、思わず 飲み込んでしまう
【ハルカラ】 …美味しかったですか?
少しズレた質問に、 意外と美味しかったと 言おうとした瞬間――
ヒック、ヒック… しゃっくりが止まらなく なってしまう
【ハルカラ】 あらら… キノコの副作用ですかね?
【ハルカラ】 採取した薬草の中で、 効きそうなものは…?
がさがさと、今まで 採取した薬草を漁るハルカラ
【ハルカラ】 あ、これがありましたか これを煎じてみましょう
【ハルカラ】 はい、これを飲んでみてください
さすが薬屋を始めるだけあって ハルカラは手慣れた感じで すぐに薬を作ってくれた
お礼を言って、 すぐに飲むマスター
しかし――
あは…… あはははははは 今度は笑いが止まらなくなる
【ハルカラ】 あれ? キノコに含まれる成分が 思ってたのと違う?
【ハルカラ】 じゃ、じゃあ、次は これでどうですか?
再び、ハルカラから 薬も貰うマスター
しかし、今度は――
あひゃ? あひゃひゃひゃひゃひゃ! 今度は何とも言えない変な気分に
【ハルカラ】 ああっ! どんどん、マスターさんが 壊れていきます!
飛びそうになる意識を 必死に保ち続けるマスター
【ハルカラ】 待っててください! すぐに効きそうな薬草を 見つけてきます!
それより、病院に連れて行ってと 言おうとするが すでにハルカラの姿はなかった
血の気が引いて、その場に座り込む マスターであった
【ハルカラ】 マスターさん! マスターさん!
声をかけられ、 目を開くとそこには ハルカラの姿があった
【ハルカラ】 やっと見つけました! この薬草なら効きます! …たぶん
たぶんなんだ? 苦笑いを浮かべつつも、 薬に手を伸ばすマスター
ハルカラを信じるよ、と 言って薬を飲み干すマスター
すると――
その効果は劇的で 失せていた血の気も戻り 体も動かせるようになっていた
【ハルカラ】 …………マスターさん 体は完全に動きますか? 後遺症は…
心配そうに見つめるハルカラの前で マスターは体の調子を確かめる
そうしてマスターは ハルカラににっこりと笑いかけ ありがとうと伝える
【ハルカラ】 はぁ~…………よかったです やっぱりわたしの薬は 効き目ばっちりですよね!
ハルカラもマスターに 満面の笑みを見せる
マスターが無事回復したことも もちろん嬉しいのだが
マスターに信用されて その信用に応えられた そのことが何より嬉しかった
まるで師匠であるアズサに 信頼されたときのように
マスターとの絆を ハルカラは確かに感じたのだった
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