6007073 限定クエスト ファンキル学園(学園編)(ファントムオブスクール) ファンキル学園2月ストーリークエスト ストーリークエスト「優しき剣士とバレンタイン」 7 - 第7話「勝っちゃったら、言うしかない」 ２月学園ストーリー７話 学園2月 第7話-3
【マスター】 …スッキリしたかな？
【ムラマサ】
…はい
【ムラマサ】
ままごとは…
もう終わりです
底冷えのする道場で ムラマサとマサムネは 向き合っていた
【マサムネ】
…ほう
面構えだけは仕上げてきたか
【ムラマサ】
はい
この一週間の成果…
お見せいたします
【マサムネ】
言ったな…
拙者を退屈させてくれるなよ
【マサムネ】
主君よ
これは果し合いゆえ
防具は使用しない
【マサムネ】
試合とは、本来、死合である
…ならば剣は己の肉体で
受け止めてこそ
【マスター】 …念のため、確認します ムラマサ、それで構わない？
【ムラマサ】
ええ、もちろんです
【マスター】 …わかった
【マスター】 それでは… 試合を始めます
【マスター】 審判は、八咫鏡 僕は見届人を務めます
【八咫鏡】
両者、構え…
【八咫鏡】
始め！
【マサムネ】
はぁぁぁあ！！
【ムラマサ】
せい！
両者の気合が 声となって道場を揺らす…！
【マサムネ】
せぇぇぇぇい！！
マサムネの打ち込みを ムラマサは見事に受け流す
【マサムネ】
ほう…よく見えている
いや、「知っている」と
言うべきか
【ムラマサ】
ええ…その通りです！
【ムラマサ】
はっ！
ムラマサの打ち込み… マサムネは難なく受け流すが 少し不思議な表情を浮かべる
【マサムネ】
…変えてきたか
それとも…
マサムネが打ち込み なんなくいなすムラマサ 鍔迫り合いになる二人
微細なフェイントから… マサムネの鋭い逆胴が 体を両断する勢いで放たれる！
【ムラマサ】
はっ！
しかしその一撃は 見事ムラマサの竹刀で弾かれる…！
【マサムネ】
…拙者としたことが、
調理室では不覚にも怒りに任せて
我が型にない一撃を振るってしまった
【マサムネ】
だがそなたはそれを見切ってみせた…
口先だけでまぐれではと疑っていたが
【マサムネ】
どうやら…
本当に捉えられていたらしいな！
【ムラマサ】
拙者に二度同じ手は通用しません…！
【マサムネ】
面白い…
ついにそなたの「本来」の型が…
立ち現れたか！
【マサムネ】
だが…
まだ馴染んでいないと見える
【マサムネ】
急ごしらえの剣で
果たして拙者と渡り合えるか！
それは一瞬だった
【マサムネ】
めぇぇぇぇえん！！
マサムネの竹刀が ムラマサの脳天を打つ
【マスター】 速い！！
【八咫鏡】
一本！
マサムネ！
【ピサール】
うわー、あっけな…
これムラマサの負け？
【マスター】 違うよ！ 今回は時間無制限… 二本先取だ…！
【マスター】 まだ…ムラマサにチャンスはある！
【ムラマサ】
（やはり…姉上の面は…速い…）
【ムラマサ】
（でも…見える…！）
【マサムネ】
…まだ目は死んでいないか
ならばもう一本取って
引導を渡すまで
【ムラマサ】
させません…！
【八咫鏡】
始め！
二人は竹刀の先革をぶつけ合いながら 間合いを見計らっている…
【ムラマサ】
（模倣…そうです
私は姉上の真似ばかりしてきた）
【ムラマサ】
（姉上のように上手にできれば
褒めてくれる…そう思って…）
【ムラマサ】
（愚かな私を…お許し下さい）
【ムラマサ】
（ですが…徹底した模倣により…
この目と体にあなたの剣が
焼き付いている…）
【ムラマサ】
（私は、今、初めて…
あなたとの勝負に
勝機を見出したのです！）
【ムラマサ】
（…動いた）
【マサムネ】
めぇぇぇぇえん！！
【ムラマサ】
こてぇぇぇえい！！
【八咫鏡】
一本…！
【八咫鏡】
ムラマサ！！
【マスター】 やった！！！
【八咫鏡】
…見届人、注意
【マスター】 すみません… 中立の立場でした…
【ピサール】
ねぇ…今なにが起こったのぉ…？
【マスター】 小手だよ… マサムネの面に合わせて… ムラマサが小手を打ったんだ…
【マスター】 カウンター的な感じだね…！
【マスター】 これで、両者一本ずつ… 次で勝負が決まる！
【八咫鏡】
始め！
【ムラマサ】
姑息とお笑い下さい
ですが、打ち合いでは
先輩に敵いません
【マサムネ】
笑おうものか
我が面に出小手を
合わせた者は始めてだ…！
【マサムネ】
いい目を持ったな…ムラマサ！
【マスター】 マサムネ…笑ってる…
【マサムネ】
ムラマサ…
我が妹に問う
【マサムネ】
そなたは…
己の持てる技すべてをもって…
【マサムネ】
この姉に打ち勝たんとする
気概はあるか！！
【ムラマサ】
…………
【ムラマサ】
不肖ムラマサ…
【ムラマサ】
いえ…
剣士ムラマサ！
【ムラマサ】
この試合にて…
姉上に勝利し…！
【ムラマサ】
あなたの生涯の好敵手に…
なってみせると…
ここに誓います！
【マサムネ】
二言はないな…！！
【ムラマサ】
剣士に二言は…ありません！！
【ピサール】
…マサムネ、たのしそ～
【マスター】 うん、そうだね…！ ムラマサも、笑ってる…
【ピサール】
ほんとだね～
あの子、あんな顔できるんだぁ
【ピサール】
いいな…
すごく頑張ったもんね
あんなふうに笑えなきゃ
【マスター】 うん… あとは…勝てれば…
【ピサール】
それは大丈夫
【マスター】 え…
【ピサール】
勝つよ、ムラマサ
だって今言ったでしょ
【ピサール】
勝つ、って自分で
自信満々にさ
【ピサール】
いいなぁ～…
ちょっと、久々に
あたし熱くなってるかも
【ピサール】
…マスター
見逃しちゃダメだよ
ムラマサの最高にかっこいいとこ
【マサムネ】
回りくどい打ち合いはなしだ
次で決めさせてもらう…！
【マサムネ】
先程は動きを気取られたが
次はないと思え
【マサムネ】
我が全力の一撃が上か…
そなたの技が上か…
【マサムネ】
勝負だ！！
【ムラマサ】
望むところです…
姉上！！
まるで時が止まったかのようだった
道場は緊張に支配され 一切の音が消え果てた
カチリ、と 壁掛け時計の分針が触れる
【マサムネ】
めぇぇぇぇぇぇぇぇえん！！
【ムラマサ】
どぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおお！！
マサムネの竹刀が ムラマサの面を捉えた 鈍くも小気味良い音
ムラマサの竹刀が マサムネの胴を打った 布が爆ぜるような音
それはほぼ同時に 道場に鳴り響いた…
【マスター】 …どっちだ…？
【八咫鏡】
一本…
【八咫鏡】
ムラマサ！
【八咫鏡】
勝者、ムラマサ！！
【マスター】 っっっっっっっっっっしゃ…！
【ムラマサ】
…勝った
【ムラマサ】
私…勝った…？
【マサムネ】
ああ、お前の勝ちだムラマサ
見事な、抜き胴だった
【ムラマサ】
お…ねえ…ちゃん…
【マサムネ】
愚か者…
剣士たるもの、
道場で涙を流すなど…
【ピサール】
ええ～
マサムネもうるうるしてるよ？
【マスター】 しっ！！ 今いいところなんだから…！！
【マサムネ】
…拙者は歯がゆかった
【マサムネ】
拙者に勝る才能を持つそなたが
いつしか拙者の剣ばかり
真似るようになり…
【マサムネ】
己を見失っていくさまを…
才能を殺していくさまを見るのが
とてつもなく辛かったのだ
【マサムネ】
我が道は拙者が歩み切り開いた
拙者だけの道…
【マサムネ】
その上をそなたが歩いてどうする…
そなたはそなた…
拙者ではないのだぞ？
【マサムネ】
そなたは己の道を切り開き…
誰でもないムラマサにならなければ
ならないというのに…
【マサムネ】
憧れてくれたことはうれしく思う
剣士冥利にも…
姉冥利にも尽きる…だが
【マサムネ】
姉に勝ちたい…
姉を超えたいという…
気持ちを持ってほしかった…
【マサムネ】
そんなそなたと…
共に切磋琢磨したかったのだ…
【マスター】 マサムネ…
【マサムネ】
なんとか…気づかせてやりたかった
しかし拙者には剣しかない
【マサムネ】
…厳しくそなたを指導するくらいしか
すべが見つからなかった…
【ムラマサ】
ごめんなさい…
お姉ちゃんの気持ちも知らず…
私、子供のようなことばかり考え…
【八咫鏡】
まー、マサムネもなーんで
いってやらんのかって話じゃがな
【ピサール】
ほんとー
めんどくさ～～
【マサムネ】
なっ！？
【ピサール】
だってさー
そんなの言葉で言ってくれないと
わからなくない？
【ピサール】
男の子じゃあるまいしさぁ
背中で語る的な、察しろ的な？
【ピサール】
そういうの、めんどい
【マスター】 …ぷっ
【八咫鏡】
ふ…ふははははは！！
【八咫鏡】
相変わらず…
ピサールは痛いところをつくのう…
【八咫鏡】
ほれ見ろ、マサムネの変な顔！
傑作じゃぞ！！
【ムラマサ】
お、お姉ちゃんを
悪く言わないでください！
【ピサール】
ムラマサもムラマサだよ～
似た者同士の不器用姉妹だね～
かわいい～
【マサムネ】
か、かわっ…いい、だと！？
【八咫鏡】
そうじゃ、かわいい～、じゃ！
【八咫鏡】
ほれ、そんなお主らには
あまぁい菓子がお似合いじゃ
マスターよ！
【マスター】 マサムネ、これ… ムラマサからのプレ…
【マスター】 じゃなくて！ しゅ、修行の一環！だよ！
【マサムネ】
チョコ…なのか、これは…
【ピサール】
そうだよ～
…ホントに斬れそうだけどねぇ…
【八咫鏡】
真剣そのもの…
まったく、呆れるほどの腕前じゃて
【マサムネ】
…………
【ムラマサ】
あ、あの！
ごめんな…
【マサムネ】
一口いただくぞ
【ムラマサ】
…え
【マサムネ】
うむ…
味も…形も…
素晴らしい技だ
【マサムネ】
刀を知り、刀を思う者でなければ
ここまで真に迫ることはできん
【マサムネ】
そなたなりに剣と向き合った答えが
ここに集約されているのだ
【マサムネ】
胸を張れ、ムラマサ
これは拙者には決してできない
そなたの特技なのだからな
【ムラマサ】
私の…特技…
【マサムネ】
そうだ…
【マサムネ】
そなたの手先の細やかさは
もはや達人の域だと言っていい
【マサムネ】
いっそ剣を諦めさせて
その道に集中させたほうが
己の道を切り開けるのではと思った程
【マスター】 それで…破門だなんて…
【マサムネ】
ああ、そうだ…
可能性の一つとしてな
荒療治であることは理解していたが
【マサムネ】
よいかムラマサ
【マサムネ】
そなたの工芸の技は…
これまで拙者にだけ向けられていた
それゆえに死んでいた…
【マサムネ】
取り繕うばかりで
器に魂が篭っていなかったのだ
それでは…ままごとだ
【マサムネ】
もう拙者の顔色など伺うな
自信を持って
己の好きなものを好きなように作れ
【マサムネ】
もちろん…
そなたの剣にも期待している
【ムラマサ】
…はい！！！
【マスター】 ええと…見届人からですが…
【マスター】 つまりムラマサは、 剣道部に残留、で… いいんだよね！？
【マサムネ】
当然だ
【マサムネ】
よろしく頼むぞ、主将
【ムラマサ】
…………？
【ムラマサ】
えええええ！？
姉上、今、なんと！？
【マサムネ】
拙者を破ったのだ
必然的にそなたが主将だろう
【ムラマサ】
いいえ！は、初耳ですそんな制度！！
それはさすがに時期尚早！！
お考え直しを！！
【マサムネ】
よいと思うのだがなぁ…
ムラマサならできると思うのだが…
【ムラマサ】
いえいえいえ！
剣道部はまだ姉上…マサムネ先輩に
引っ張っていただかないと！！
【マサムネ】
そうか…
ならば仕方あるまい
我慢する …
【マサムネ】
…で、ではなく！
【マサムネ】
現主将を破ったお前が次期主将を
継ぐのは必然なのだ
それを胸にこれまで以上に精進せよ！
【マスター】 八咫鏡、もしかしてだけど… マサムネって… 本当はムラマサに甘い？
【八咫鏡】
くくく…
わらわからはノーコメントじゃ！
【八咫鏡】
ほれ、見届人よ
綺麗に締めい！
【マスター】 そ、そうだね！
【マスター】 ただいま行われた マサムネ対ムラマサの果し合い…
【マスター】 ムラマサの勝利にて幕とする
【マスター】 両者、礼！
【ムラマサ】
…ありがとう、ございました！！
後日――
マスターの足は 自然に調理室に向いていた
【マスター】 あ…そうか もう、調理室行かなくていいんだな
【マスター】 ムラマサは部活に行ってるだろうし 八咫鏡はそもそも聖ユグ生だし ピサールは…また冷蔵庫の横かな
【マスター】 デュリンに報告して また見回りの日々かな…
【マサムネ】
主君、いいところにいた
【マスター】 マサムネ！ これから部活？
【マサムネ】
ああ、その通りだ
【マサムネ】
妹に負けっぱなしでは
面子が保てぬ
今日から三倍鍛錬だ
【マスター】 本当にストイックだよね…
【マスター】 あれ…その竹刀入れ！
【マサムネ】
あ、ああ…
改めてムラマサからもらい受けた
【マスター】 聞いてもいいかな… どうして素直に受け取らなかったの？
【マサムネ】
…この見事な竜虎の刺繍だ
【マサムネ】
ムラマサはよく私を竜に例える
ならばムラマサには…
虎になってほしかった
【マサムネ】
竜虎相搏つ…
拮抗し甲乙つけがたい実力者の
ぶつかり合い…
【マサムネ】
拙者はムラマサと
そのような関係を望んでいた
【マサムネ】
だが…ムラマサは拙者の真似ばかり
竜の首をかっ食らってやらんとする
気概がまったく感じられなかった…
【マサムネ】
それなのに、だ
無自覚天然で竜虎の図柄の刺繍など…
【マサムネ】
さすがの拙者も
カッとするというものだ！
【マスター】 姉の気も知らないで…ってわけか
【マサムネ】
ああ…
だがピサールの言うとおり
拙者は言葉が足りなすぎたかもしれぬ
【マスター】 そこがマサムネの味でもあるとは 思うけど… 確かに、それはあったかもしれないね
【マスター】 でも、いいんじゃないかな 終わりよければ、すべてよし
【マサムネ】
雨降って、地固まる、だな
【マスター】 そうそう、仲いいんだし！
【マサムネ】
！！！！！！！
【マスター】 あ、あれ… 変なこと言ったかな…？
【マスター】 ムラマサ お姉ちゃんが大好きって 言ってたよ…？
【マサムネ】
ムラマサが！？
そ、そうか…うむ…
【マスター】 マサムネ…顔がにやけてるよ…
【マサムネ】
そ、そうだ…
教室にムラマサ達がいる
行ってやってくれ
【マスター】 ムラマサ達が？ わかった、ありがとう！
【マスター】 あれ、マサムネはいかないの？
【マサムネ】
せ、拙者は部活にいく！
…誘われはしたのだが…
【マサムネ】
チョコとか…作ったこと…ないし…
私には…似合わないと思うし…
【マスター】 え…なにか言った？
【マサムネ】
なんでも！！ない！！
それでは、また！！
【マスター】 あ、うん…！ また部活見学に行くよ！
【マスター】 ムラマサ、なにか用…
【マスター】 って、わ！！
【八咫鏡】
はっはは～！
さっぷらいずじゃ～！
【マスター】 八咫鏡…！ チョコ渡しに帰ったんじゃないの！？
【八咫鏡】
もう済ませたのじゃ！
草薙剣も天沼矛も涙をこぼして
喜んでおった！！
【マスター】 そ、そっか…よかったね… ところでバレンタイン中止は 問題なかったのかな？
【八咫鏡】
のーこめんとじゃ
【マスター】 …まさか、今年も暴徒化した子達に シェキナーが チョコまみれにされたの…！？
【八咫鏡】
…あれはまるで中世の
魔女狩りのようであった
【マスター】 ええええ！？
【八咫鏡】
抗議する女生徒に
風紀委員室は包囲され…
シェキナーは拉致された…
【マスター】 嫌な予感しかしないよ！？
【八咫鏡】
シェキナーは罪人のごとく
校庭に縛り上げられ…
【マスター】 …ご、ごくり…
【八咫鏡】
チョコがたーっぷりついた
巨大なハケを構えた女生徒に囲まれ…
【マスター】 色々マズいからもうやめようか！？
【八咫鏡】
先頭には嬉々とした
エクスカリバーの姿があった
【マスター】 なにしてんだよ生徒会長！！
【ムラマサ】
と…
つまりそういうわけなのです主君！
【マスター】 え！？ ど、どういうわけ…？
【ピサール】
わぁぁぁ…
にぶすぎ～、ちょっとひく～
【八咫鏡】
ホントじゃな
これが甲斐性なしというやつか
【マスター】 すっごい罵られてるよね！？
【ムラマサ】
主君！
…今日はなんの日か…
ご存知ですよね？
【マスター】 …え？
【マスター】 え～っと
【マスター】 バレンタイン？
【八咫鏡】
…ピサール、見たかこのマヌケ面
【ピサール】
みた～～～
これが鈍感スキルってやつ？
ないわ～、ないな～
【マスター】 なになに！ ど、どういうこと…？
【八咫鏡】
お主、周りがこ～んなに
女子ばっかりなのにだな
【八咫鏡】
自分がもらえるかもしれぬとか
これっぽっちも思っておらんだろ
もう頭の片隅にもないじゃろ
【マスター】 …………
【マスター】 え！！！ も、もらえるの！？
【ピサール】
あげない
【八咫鏡】
ほんとじゃ～！
もっと男子らしく
そわそわせんか～つまらん！
【ムラマサ】
ええとあの、お二人とも…！
【ムラマサ】
あ、あの、主君！
これ…
【ムラマサ】
三人で…主君に作ったのです！！
【マスター】 え…ホントに…？
【八咫鏡】
ホントじゃ
ここでドッキリするほど
わらわは鬼ではないぞ
【ピサール】
わたしは別に感謝とかしてないけど～
流れだから～
【ムラマサ】
拙者は！
ありったけの感謝を込めました！
【八咫鏡】
そういうわけじゃから…
ほれ、気持ちよく受け取れい！
【マスター】 ありがとう… 本当にありがとう！！
【八咫鏡】
ふふ…
喜ぶのは今のうちじゃ
【八咫鏡】
お主は、この三高で
唯一の男子だということを
すっぽり忘れておるようじゃ
【八咫鏡】
その意味に気づく頃…
このバレンタインというイベントの
真の恐ろしさにも気づくじゃろう！
【マスター】 なに…なにがあるの？ 恐いんだけど…！
【ピサール】
ほんとだね～
ご愁傷様～
【ムラマサ】
あははは…
埋もれる前に
できれば早く食べてくださいね、主君
マスターとチョコと三人の女子 ほんわかあたたかな雰囲気に包まれた 放課後の教室…
の、扉が
ものすごい勢いで吹き飛んだ！！
【マスター】 ええええええ！？
【マスター】 な、なに…ごと…？
教室の扉が吹き飛んだ理由…
それは、 マスターを追って詰めかけた…
とんでもない数の 女生徒の圧力だった！！
【ヴァジュラ】
あはは～…
マスター、今回もご苦労さん…
【マスター】 ヴァジュラ！？ すっごい押し潰されてるけど！？
【ヴァジュラ】
いやね、みんなさ…言うわけよ
【ヴァジュラ】
「義理でいいから、いっぺん男子に
チョコあげてみたかった」って…
それで、このザマさ…
【ヴァジュラ】
ラグ女だけならなんとかなった…
でも…他のニ高からも押し寄せてね…
【ヴァジュラ】
一応、生徒会長として
列になってもらうように努力した…
【ヴァジュラ】
ということだけ、覚えておいて…く…
【マスター】 ヴァジュラーーーーー！！！
【八咫鏡】
さーーて、わらわはかーえろっと
【ピサール】
面倒事はパス～
【ムラマサ】
主君…ご武運を！！
【マスター】 え…みんな？
【マスター】 ま、まってーーーーー！！！
【デュリン】
さぁて、マスターのために！
わざわざトラック２台用意したけど
さすがに足りるわよねぇ
【デュリン】
男子一人に三高の女子…
どんなハーレムバレンタインよ！
アイドルか！うらやま！
【デュリン】
ま～、まだ一年目だしね？
あの子の活躍を知らない子も
多いわけだし
【デュリン】
でもな～万が一な～
うちの全校生徒が本気出したらな～
トラック足りないかもな～
【デュリン】
シェキナーに同情してる場合じゃない
これからチョコに埋もれるのは…
自分なんだからね、マスター！！
【デュリン】
さてさて…一体、何キロ…
いや何トンのチョコを！
もらえるかしらね～！
【デュリン】
でも、覚えておくことね…
【デュリン】
ホワイトデーは…
【デュリン】
三倍返しよ！
マスター！！
【デュリン】
一人でなんとかなる財力は
ないだろうし…
助けてあげないとね
【デュリン】
ま～～当然？
その分？働いてもらいますけど！
【デュリン】
面白くなりそうね…！！
【デュリン】
色んな意味で…楽しみだわ！！！
To be continued…
ポイントクエスト解放！
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