6010052 限定クエスト ファンキル学園(学園編)(ファントムオブスクール) ファンキル学園5月ストーリークエスト ストーリークエスト「エンドレス・エデン」 5 - 第5話「エデンブレイク・パーティー」 第5話「エデンブレイク・パーティー」 学園5月 第5話-2
【リットゥ】
くうっ…
今の私の力では
楽園を守りきれない！？
【方天画戟】
ぬるいぬるいぬるい！
なんだぁそのへっぴり腰はっ！
もっと気合入れろ、気合！！
【タスラム】
…なんだ、おまえ
鬼ごっこ下手くそだな！
肉でも食って出直してこい！！
【パラシュ】
なんて素早い…
ボクには捉えられない？
そんなはずは…
【マスター】 …パラシュ、リットゥ あれだけ毎日、なにもせず ぼーっとしてれば、そうなるよ
【パラシュ】
どうしてだ…
ボクは理想の学院を守らなきゃ
いけないというのに…
【マスター】 パラシュは理想を手に入れたって 思ってるみたいだけど 大事にはしてなかったよね…？
【パラシュ】
…どういうこと？
【マスター】 ボクなら、大事なものだったら もっと…ちゃんと手入れとか すると思うんだよね
【マスター】 でも、パラシュもリットゥも どちらかというと、学院のこと ほったらかしだったでしょ？
【リットゥ】
それは…楽園には
私達の手は不要であったからで…
【マスター】 そんなことないよ 以前の学院よりダメになってたと思う 理想でも楽園でもなくね
【マスター】 他の風紀委員もだけどね… 体もそうだけど 頭だってなまりきってる
【マスター】 少しぐらいやる気出したとしても 全力のタスラム達には敵わない！
【パラシュ】
…まだ…
…まだだよ…！
【パラシュ】
ボクの力は…
こんなものじゃない…
【パラシュ】
ボクの理想は…
そのために、風紀委員として
積み重ねてきた力は…っ！！
【パラシュ】
…行かせないっ！！
搾り出すような声とともに パラシュは底力を発揮し タスラムの袖を掴んだ
【タスラム】
おっ、やっと本気出す気になったか！
よーし、相手してやる！！
パラシュだけでない リットゥもまた立ち上がり 方天画戟の前に立ちはだかる…
【リットゥ】
私も、聖ユグドラシル姫学院という
楽園を守るために
風紀委員になったんだ…
【リットゥ】
ここで力を発揮しなくて
なんの意味がある…！
【方天画戟】
お…、なんだよ、聖ユグにも
ちったぁ気合の入った
ヤツがいるんじゃねぇか！
【方天画戟】
いや、この雰囲気、体が覚えてるぜ
…そう、思い出した！リットゥだろ？
なぁんで忘れちまってたかなぁ！
【マスター】 （まさか…パラシュとリットゥが 元に戻った！？だらけたままなら 勝てるって予想だったのに…）
【マスター】 （…でも、やっぱり２人は こうでなくっちゃな！ だからこそ、勝たなきゃいけない…）
【マスター】 …生徒会室はそこなんだ！ 絶対に対談を邪魔して 日誌に記録させてみせる！！
【リットゥ】
させないっ！
学院の守護者として、決して！！
【パラシュ】
これ以上の風紀違反
絶対にさせてなるものか…
学院の風紀は、ボクが守るんだ！！
【方天画戟】
ま、なまってたみたいだからな
今日はオレ達の勝ちってことだな！
【リットゥ】
くっ…腕が…もう上がらん…
ふふっ、だが…
【タスラム】
いっぱい運動したから
腹が減ってしかたないぞ！
菓子、まだあるよな？
【パラシュ】
…さて、どうだろうね
ボクらにできることは精一杯やった
【パラシュ】
ふふっ、精一杯仕事をしたのなんて
久しぶりな気がするよ…
【エクスカリバー】 風紀委員のみなさん このたびはご苦労様でしたね 対談は無事に終了しましたよ
【マスター】 しまった、間に合わなかったか…
【方天画戟】
はっ、まだ時間切れってわけじゃ
ねぇだろ…
相手は目の前にいるんだからよ！
【ブラフマーストラ】 …おーい、方天～ アンタ、人様の学校で なに暴れてるわけ～？
【方天画戟】
いだっ！いだだだだっ！！
ちょっ、ブラフマーストラ、やめろ！
耳、ちぎれる！ちぎれるって！！
【ブラフマーストラ】 …こいつはアタシが責任をもって 城学に持って帰るから 安心していいよ～
【方天画戟】
はぁ！？待てって、せっかく
ヴァジュラとエクスカリバーなんて
大物がいるのにケンカせず帰るとか…
【ブラフマーストラ】 じゃあね～
必死に訴える言葉も意に介さず ブラフマーストラはそのまま 方天画戟を連れて帰っていった
【タスラム】
…で、菓子は残ってないのか！？
なぁ！
【ヴァジュラ】 あ～、ごめん あまりにもうますぎて、
【ヴァジュラ】 あたしとブラフマーストラで あっという間に食っちまったよ
【タスラム】
なにぃ～～～～～！
ちくしょう！！
地団太を踏んで悔しがるタスラムに 苦笑しながら ヴァジュラも帰路につく
その通りすがりに、 礼をする風紀委員達に声をかけた
【ヴァジュラ】 …お疲れさん
【パラシュ】
…光栄です！
【リットゥ】
ありがとうございます！
【マスター】 （…こんな顔を見せてくれるなら 僕らが負けてよかったのかも しれない…けど…）
ただ、ループを 終わらせられなければ またやり直しとなってしまう
マスターは改めて、２人に尋ねた
【マスター】 …ねぇ、パラシュ、リットゥ いい加減、このまま繰り返し続けても どうなるかわかったと思うけど…
【マスター】 それでも２人は、この１週間を 繰り返すことを選ぶの…？
【リットゥ】
…楽園は、守らなきゃいけない
それが、私が風紀委員をする
第一の理由だ
【リットゥ】
…でも、私は…思い出した
ほんの『先週』までは、いつも
こんな風にしていたってことを…
【リットゥ】
学院に入り込もうとする相手を
怒ったり、体を張って
止めようとしていたことをな
【リットゥ】
…それがあったからこそ
『異常は０件 』と書くことが
誇らしく、うれしかったのだ
【パラシュ】
その通りだね…なんの努力もなく
ただ与えられるだけの平和には
平和を勝ち取る喜びはなかった…
【ＭＡＩ】 それでも、平和は平和、ですよね？ 完璧で永遠な楽園なんて 普通は手に入らないものなんです！
突然、耳元でささやくような 声がして、マスターは驚いて 飛びのいた
【マスター】 だ、誰だ、君は！？
【ＭＡＩ】 私？ＭＡＩっていうんですけど… 今はどうでもいいじゃないですか そ・れ・よ・り…
【ＭＡＩ】 パラシュさん！ さっきのイベントなんて インチキみたいなものですから！
【ＭＡＩ】 安心していいですからね！ またいつものように日誌を書けば すべて元通りです！
【パラシュ】
…元通り
理想の学院での日常が
また始まる…ということか…
【ＭＡＩ】 その通りです！…わかってますよね？ こんな奇跡みたいなこと もう２度とは起きないって
【パラシュ】
そうだね、そんな都合のいい話はない
…ボクは、選ばなければならないと
いうわけだ
【パラシュ】
退屈だけど理想の学院か
やりがいはあるが、理想からは
程遠い現実的な学院か…
【マスター】 …パラシュ、それは違うよ 言葉にするなら、こうだ
【マスター】 与えられた理想の学院に留まるか 改めて自分の手で理想を 勝ち取るため、現実に戻るか、だよ
【ＭＡＩ】 ちょっとちょっとー それって言い方が偏ってません？
【ＭＡＩ】 『確実に叶う理想』と 『がっかりな現実』のどちらを選ぶ？ とか、そう言ってもらわないと！
パラシュはリットゥにも ＭＡＩとマスターが迫る選択について 触れ、どちらを望むか尋ねた
だが、リットゥは決めきれず パラシュもそうだった 沈黙が続く…そんな中、声が轟いた
【タスラム】
…おい、おまえら！
今日はありがとな！
なかなか面白かったぞ！！
【パラシュ】
えっ？
あ…どういたしまして…
【リットゥ】
…って、感謝される筋合いはない！
私達は風紀委員の仕事をしただけだし
お前の目的を阻止したんだ
【タスラム】
細かいこと気にするなよ！
おいかけっこ、楽しかったんだよ！
おまえらも楽しそうにしてただろ！
【リットゥ】
それは楽しいというか
やりがいはあったというか…
【パラシュ】
ふふっ、久しぶりの捕り物は
確かに血が騒いだというのは
あったかもしれないね
【タスラム】
だろ？だったらそう言え！
…で、腹減ったろ？
菓子食えなかったからな！
【タスラム】
でも、うまい菓子なら
あたしにもアテがある！
食わせてやるからついてこい！！
【タスラム】
生徒会長じゃなくても
お茶会でうまい菓子が食えるってこと
教えてやる！
【タスラム】
…そうだ、マスター、
おまえにはお茶を頼んであったよな？
それ持ってついてこい！
【マスター】 えっ？わ、わかった！
【マスター】 …それで、パラシュとリットゥは？ どうする？
【パラシュ】
風紀委員としては…
一応、日誌を書く仕事が
残ってはいるけど…
【リットゥ】
…今日はこんな大変なことが
あったんだから
しっかり書くべきだとは思う
【リットゥ】
どちらの道を選ぶにしろ…
【パラシュ】
そうだね…
目の前にある理想と現実…
どちらを手にするのかを…
悩みながらそう答える２人に タスラムは呆れたように告げた
【タスラム】
…はぁ？日誌ぃ？
そんなもん、月曜に書け！
じゃなきゃ、他のヤツに頼め！
【タスラム】
…日誌なんて書いてても
つまんないだけだろ！
【パラシュ・リットゥ】 ！！
日誌を書くことにやりがいを 感じていた時があった
そして、そうではなく タスラムの言うとおりに つまらなく感じていた時もあった
それぞれが、『現実』と『理想』 どちらの時だったかを ２人は思い出す
【パラシュ】
行こう、リットゥ
日誌はあとだ！
【リットゥ】
…うん！
２人は退屈で刺激のない 与えられた理想の楽園世界に 別れを告げた
【ＭＡＩ】 …ん～、もー！ せっかくＭＭＡＩ団活動 うまくいってましたのに～！
【ＭＡＩ】 アンニュイパラシュちゃんに アンニュイリットゥちゃん 可愛かったと思うんですけどね～
パラシュ達がお茶会へと向かった すぐ後、ＭＡＩは頬を膨らませながら 風紀委員室に現れた
【ＭＡＩ】 …でも、これがあればまた ループさせて楽しめますからね！ 今度はどう使っちゃいましょうかね～
【ティルフィング】 …そうはいきません！
【ＭＡＩ】 ああっ！？ なんてことしてくれたんですか！！ 超レアなアイテムなんですよ！？
ティルフィングの剣に両断された 日誌は、黒い炎を上げて消滅した
【ティルフィング】 やはり、ループ中でなければ 物理的に破壊できるという ことですか…よかったです
【ティルフィング】 さて、アナタには聞きたいことが 山ほどあるんですが…
ティルフィングがそう言った時には ＭＡＩは、一目散に 風紀委員室の扉から逃げ出していた
【ＭＡＩ】 私には話したいことなんて なに一つもありませんーっ！ っていうかこの人怖すぎますー！
【ティルフィング】 …逃がしません！
【パラシュ】
…このクッキー、おいしい！
驚いた、まさか牙克城学院の購買に
こんなものが売っているとは…
【リットゥ】
もぐもぐ…うん、うまい！
なにがいいのだろうな…材料か？
真面目に作っているのだろうな…
【タスラム】
…おい、マスター！
とっとと紅茶、持ってこい！
クッキー、全部食っちまうぞ！！
【パラシュ】
そう言わず、残しておいて
あげようじゃないか…
【リットゥ】
…しかし、それにしても
やはり落ち着かないな…教室で
こうしてお茶会をするというのは…
【タスラム】
聖ユグだとやらないのか？
でも生徒会室ではやっていいんだろ？
…エラいヤツはずるいってことだな！
【パラシュ】
なるほど…
その考え方はなかったね
【リットゥ】
パラシュ！？
【パラシュ】
ふふっ、冗談だよ
でも、これから目指す理想の学園では
お茶会ができるというのも悪くない
【リットゥ】
生徒会長は今の学院を改革しようと
しているし、あながち本当に
そうなる可能性もあるかもしれないな
【リットゥ】
…ただ、守るべきところは
守らないといけない
【リットゥ】
タスラム、こうしてお茶会に
誘ってくれたことは感謝しているし
クッキーは確かにおいしかった
【リットゥ】
だからといって
今後、私達の対応が
甘くなるとは思わないことだ
【パラシュ】
…ふふっ、クッキーだけにね！
【タスラム】
おお！うまいこと言ったな！！
【リットゥ】
待て！
私は別に、そんなつもりで
言ったわけじゃ…
【タスラム】
安心しろ、ちゃんとわかってるから！
あれだろ、また一緒に
遊ぼうってことだろ？
【パラシュ】
違う！
【リットゥ】
わかってないじゃないか！
だが、怒って見せながらも 楽しそうな２人の表情が 全てを物語っている
タスラムと相対することもまた 理想の学院を手にするための 長い道のりの一部…
また再び、自分の力で 目標を目指して歩き始めることが できる…それが大事なのだ
【パラシュ】
（次は…最後まで自分の手で
理想を現実にしてみせよう
そうしてこそ、意味がある…！）
To be continued…
ポイントクエスト解放！
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