6010103
【少年】 やった! 倒した…!
【少年】 ありがとう
少女たちは微笑み、 光が滲むようにその輪郭を ぼやけさせ、消えていった
【少年】 本当にありがとう…
【???】 危ない!
【異形の影】 アァァ…!
倒したと思っていた異形の影は、 まだ倒れていなかったのだ
【???】 はぁ…!
【異形の影】 グギャァ…!
少女の剣が貫くと、 異形の影は結晶が砕け散るように その姿を消滅させた
【少年】 ここは…戻ってこられたの?
【???】 大丈夫? 怪我は…ないみたいね。よかった
【???】 『異族』がちゃんと 『浄化』されたか確認するまで、 気を抜いたら駄目よ
【少年】 異族? 浄化?
【???】 それじゃ
助けてもらった礼を 告げていないことを思い出し、
慌てて彼女の姿を探したが、 見つけることはできなかった
白昼夢を見ていたような 気持ちになるが、
彼女の声、彼女の気配を、 確かに覚えている
【少年】 また会えるかな…会えるといいな
だが、 甘いことばかり考えていられない
あの世界はなんだったのか 少女から生まれた異形の影 『異族』の正体は…
【かわいい少女】 ふぁ~、よく寝た!
【少年】 大丈夫? …って、またさっきみたいに なったりするんじゃ…?
【かわいい少女】 あー、よく寝た! …じゃない! 合同生徒総会、終わっちゃう!
少年の心配は杞憂に終わる
だが、それとは別の、 きわめて深刻な問題が発生した
【少年】 合同生徒総会って、 僕も行かなくちゃいけないやつだよ!
【デュリン】 どうして遅刻したのよ! 今日の合同生徒総会の目玉、 あんたの紹介だったのに!
【少年】 …そのことで、 デュリン理事長に 進呈したいものがあります
【デュリン】 賄賂? 賄賂的な何か? そんなもので理事長である このあたしが誤魔化されたりなんか…
【デュリン】 うまぁ! このチョコうまぁ! 一粒いくらで売買される 高いやつでしょ!?
【デュリン】 仕方ないわね、 今回だけ特別に許してあげる!
一箱100円しない安物で許す理事長
実に残念…いや、とても経済的だ
【少年】 それで僕は3つあるうち、 どの学院に編入するんですか?
【デュリン】 全部よ!
【デュリン】 こっちで 決めたスケジュールに従って、
【デュリン】 3つの学院、 それぞれに通ってもらうから!
【デュリン】 大変だと思うけど、 がんばりなさいよ、 あんた! …ううん、マスター!
【デュリン】 この学院のマスターになれるよう、 精進しなさいよね!
【少年】 わかっています マスターに相応しくなれるよう、 がんばります!
【デュリン】 期待してるわよ!
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