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あの時の少女の言葉を思い出し、 異族が浄化できたことを、 きちんと確認する
【マスター】 よかった、戻ってこられた
【少女】 う、うーん…
【マスター】 大丈夫?
【少女】 あ~、すっきりした~
【少女】 …って、え、君、誰!?
【マスター】 え、覚えてないの…?
【少女】 あ、わかった! マスター! マスターでしょ!?
【少女】 初めて会うのにわかっちゃうなんて すごいでしょ!
【少女】 だって、 ヤグはやればできる子だから~!
【少女】 …な~んてね♪ 本当は理事長先生が 言ってたからだよ
さっき会ったことを どうして覚えていないのか 気になったが…
【マスター】 よかった 元気になったみたいで
【マスター】 さっきまで すごく落ち込んでいるみたい だったから
【少女】 落ち込んでた? ヤグが?
【少女】 よく覚えてないけど、 もしそう見えたのなら…
【少女】 …ううん、なんでもな~い だって君には関係ない話だもの
【マスター】 確かに関係ないよね
【マスター】 でも、思うんだ
【マスター】 関係ないからこそ、 話しやすいことも あるんじゃないかって
【少女】 君、お節介焼きって 言われるでしょ~?
【少女】 …でも、ありがと けっこううれしい、かも
【少女】 ヤグの話、聞いてくれる?
【少女】 …ヤグにはなにをするにも、 どこに行くにも、 いつも一緒の人がいるの
【少女】 ヤグはその人が大好きなの
【少女】 でも…
【少女】 お姉ちゃん、待って! どこ行くの…!?
【姉】 …
とても冷めた眼差しを少女に向けるが すぐに視線を逸らし、
なにも言わず、 どこかへ行ってしまう
【少女】 お姉ちゃん、待って! ヤグを… ヤグを置いていかないで…!!
【少女】 えへへ、ヤグ、 嫌われちゃったんだよね…?
【マスター】 …ごめん
【マスター】 僕が話を聞くなんて 余計なことを言ったせいで… 君につらいことを思い出させた
【マスター】 本当にごめん…
【少女】 もぉ~、 君ってばやさしすぎぃ~!
【マスター】 なっ!? いきなり抱きついてきて どうしたの!?
【少女】 そんなの、 うれしかったからに 決まってるよ~!
【少女】 ありがとぉ~、 ヤグの力になってくれて!
【少女】 話したら気持ちが すっごく楽になったよ~!
【マスター】 気を遣わせちゃって… やさしいのは君の方だ
【少女】 そんなことないよ~ これはヤグの本心だよ、マスター!
【マスター】 え、今、僕のことマスターって…
【少女】 だ、だって君は マスターなんだから、 マスターって呼ばなきゃでしょ~!?
そう告げる彼女は耳の先まで 真っ赤になって、 とても恥ずかしそうだ
【少女】 ヤグのことは名前で呼んで… って、自己紹介してなかったぁ!? あのね、ヤグはヤグルシっていうの~!
その時、授業開始のチャイムが鳴り響く
【ヤグルシ】 って遅刻だよぉ!? それじゃ、マスター、またね~!
【マスター】 ちょっと待ってヤグルシ! 最後に教えて。 ラグナロク女学院ってどこ!?
【ヤグルシ】 それなら、案内してあげる~! ヤグ、ラグナロク女学院に 通ってるんだ~!
【マスター】 迷惑かけてごめんね
【ヤグルシ】 違うよ~、マスター そういう時は~、 『ありがとう』だよ~?
【マスター】 …そっか。そうだね ありがとう、ヤグルシ
【ヤグルシ】 ふふ、どういたしまして~!
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