6026124 フィーア 『快花』コンセレイト
【フィーア】 ねぇ…これから街へ行くんでしょう? 水難の相が出ているから、 水場には近寄らないこと…いいわね?
あれから、フィーアはマスターの傍で さりげなく助けてくれる
今日は、一人で出かける マスターを心配してくれたらしい
マスターは忠告ありがとう と、フィーアにお礼をいって 買い物のために街に出た
買い物を終えたマスターは、 街を歩くフィーアを発見した
声をかけようとするが、 彼女は足早に噴水のある広場を抜けて 路地裏へと入っていく
慌てて追いかけようとしたマスターは 道の段差に足をひっかけ、 広場の噴水へと飛び込んでしまった
【???】 だから、水場に近寄らないように、と 言ったでしょう?
ずぶ濡れのマスターが顔をあげると フィーアが布を差し出していた
【フィーア】 早く出ないと、風邪を引くわよ?
フィーアの手を借りて噴水から 脱出したマスターは、適当な場所で 服が乾くのを待つことにした
【フィーア】 私の後をつけていたでしょ?
フィーアはそういって微笑み、 マスターの隣に腰を下ろす
後をつけるつもりはなくて、 ただ声をかけようとしたんだ と、マスターは釈明する
【フィーア】 ふぅん…
【フィーア】 貴方、私に興味あるんでしょう? なのに、なにも聞かないのね?
詮索されるのは好きじゃないと思って と、マスターは答える
【フィーア】 なるほどね… 貴方、なにが知りたいの? 気が向いたら答えてあげるわ
マスターは少し考えて、 フィーアに聞かれた質問を思い出した
「生きるために必要なこと」、 フィーアの答えはなんだったのかな と、聞いてみる
【フィーア】 ふふっ…そんなこと? 深い意味はないわ、 貴方の質問をはぐらかしただけ…
【フィーア】 でも…私の答えを出すとしたら、 それは…“秘密”よ
フィーアはそう言うと、 意味ありげに微笑んだ
“秘密”を必要とするのか、必要な ことが“秘密”なのか、フィーアの 真意がつかめず、マスターは考え込む
【フィーア】 貴方って…本当に素直で可愛いわね 今日だけは、特別に教えてあげる
【フィーア】 私にとって必要なことは、 “秘密”を守ること…っていう意味
【フィーア】 女には、いろいろなことがあるのよ
一瞬の思いつめたような表情に 彼女の素顔が見えた気がして、 マスターがじっと見つめていると…
【フィーア】 …そんなに見つめられたら、 穴があいちゃうわ
と、いつもの調子で フィーアは妖艶に微笑む
マスターは、フィーアのことを 少しわかった気がして嬉しいよ、と 答える
【フィーア】 貴方っていつも直球ね… それなのに、思いもよらない答えで 退屈しないわ
いつもの妖艶な微笑みとは違う、 明るい笑顔を見せた瞬間、 フィーアの体が輝きだした
【フィーア】 貴方のこと、もっと知りたいわ… だから…守ってあげる この『『快花』コンセレイト』で…
普段とは違うフィーアの笑顔に、 マスターはドキッとした
フィーアのことも もっと知りたいって思っているよ と、マスターが言うと…
【フィーア】 気持ちはわかるけど、だぁめ
フィーアはそういって、 マスターの唇に指を当てて微笑んだ
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