60291211 エンメル 異世界での役割
【エンメル】 はああああっ!
エンメルの放った術が異族をなぎ倒す
【エンメル】 マスター、下がってて ここは、私が
異族の群れに囲まれ、 他の姫たちと分断されてしまった マスターとエンメル
エンメルの術は強力だ しかし、この数が相手では分が悪い
【エンメル】 …大丈夫 あなたのことは、何があっても守るわ
マスターの考えを察知したかのように 柔らかく声をかけてくるエンメル だが――
【エンメル】 !?
異族たちが一斉に 襲い掛かってくる
【エンメル】 くっ…!!
マスターを庇いつつ 迫り来る異族を倒していくエンメル
【エンメル】 はあああああああああっ!!
完全に包囲されている中 エンメルが血路を拓いていく
なんとか突破できたものの マスターを庇っていたため 傷を受けてしまったエンメル
心配そうに エンメルに声をかけるマスター しかし、エンメルは気丈に言葉を返す
【エンメル】 心配は無用よ 私はあなたを守る存在だもの あなたのために、戦う…
【エンメル】 “キル姫”とは、 そういうものなのでしょう?
確かに、その通りだが… 今のエンメルはどこか 焦っているようにも見える
無理もない 異なる世界で異なる役割を 背負わされたわけなのだから
だが…今のエンメルはあまりにも 危なっかしく見える マスターは思っていることを口にした
無茶をするべきじゃない 今は、怪我の治療をするべきだ、と
いつもはエンメルが守ってくれる でも、怪我をしたときくらいは エンメルを守りたい、と
【エンメル】 …ありがとう でも、私のことは気にしないで
【エンメル】 …………
【エンメル】 さあ、他の姫たちと合流しましょう きっとみんなもマスターを 捜しているはずよ
憂いを帯びた表情で 歩を進めるエンメル
そんなエンメルに どう声をかけていいかわからず、
後を追うことしかできない マスターであった
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