60291212 エンメル 仲間という存在
【エンメル】 …焦っている…か
【エンメル】 …そうなのかもしれない 今、私がやるべきことはわかってる
【エンメル】 マスターを守ること その為に戦うこと …頭ではわかってる…けど…
【エンメル】 …どうしても…まだ元の世界の ことを思い出してしまう… …だから…
【エンメル】 この世界に馴染めない… 特定の誰かの為に戦うことに 抵抗があるのかもしれない
【エンメル】 …あの世界には…兄さんがいた ううん、兄さんだけじゃない
【エンメル】 大切な、人たちが
【エンメル】 …そして、世界を救うために 戦っていた
【エンメル】 でも…今は…
危ない! マスターの鋭い声が エンメルの耳に届く
自らの考えに集中していたせいで、 異族が現れたことに 気がつかなかったエンメル
【エンメル】 !?
エンメルが術の詠唱に入るよりも早く 異族の刃がエンメルを襲う
【エンメル】 くっ!!
異族の攻撃がエンメルに届こうとする その瞬間、体に強い衝撃を感じ… 気がつくとエンメルは倒れていた
体を慌てて起こし、振り向くと マスターが異族の攻撃を その身でギリギリ受け止めている
【エンメル】 …!? マスター!?
エンメルは術で異族を倒す そして、崩れ落ちるマスターの 体を受け止めた
【エンメル】 マスター…怪我を…!! どうして…!!
マスターは痛みに顔を歪めながら、 無理やり笑顔を作り、エンメルに 語りかけた
言ったでしょ 怪我をしたエンメルを守るのは 自分の役割だ、と
【エンメル】 ……!!
自分には戦う力はない だけど、守られてばかりは嫌だ
自分はエンメルの 仲間、なのだから と言葉を紡ぐマスター
【エンメル】 …仲間…
傷の深さからマスターは、 気を失ってしまう
【エンメル】 …!! マスター!!!
【エンメル】 …大丈夫 傷自体はそこまで深くない
【エンメル】 …ありがとう、マスター すぐ、終わらせるわ
【エンメル】 キル姫とマスターだからじゃない 身を呈してまで私を守ってくれた …そんなあなただからこそ…
【エンメル】 私は、守りたい …だから、大丈夫
【エンメル】 あなたは、私が守り抜くから…!!
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