60291213 エンメル 「浄曲」アステリズム
【エンメル】 あ…目が覚めた? 大丈夫、どこか痛むところは?
エンメルの言葉に、怪我をした箇所を 確認するマスター しかし、傷跡すらなく治っていた
【エンメル】 術で治しておいたから …でも、急に動かない方がいいかも
【エンメル】 …ねえ、マスター 私、あなたの言う通り 無茶して…焦ってたのかも
【エンメル】 知らない世界に来て… 自分のすべきことは 頭でわかってたんだけど
【エンメル】 どうしても、実感が湧かなかった
無理もないよ、とマスターは言う
【エンメル】 だけど、私のことをあなたは… 危険を顧みず守ってくれた
【エンメル】 その時、急に実感したの ああ、この人はマスターだけど それだけの存在じゃないって
【エンメル】 私の”仲間”なんだって
【エンメル】 ここまでしてもらって、 迷ってなんかいられないわ
【エンメル】 …元の世界を 忘れるわけじゃないけれど
【エンメル】 私は、この世界で生きていく そして…あなたのために戦いたい そう、思ったの
そう言ったエンメルの顔に 迷いや焦りは微塵も感じられない
【エンメル】 改めて…よろしくね マスター
笑顔で差し出されたエンメルの右手を 力強く握りしめるマスター
そのまま、立ち上がろうとするが まだ足に力が入らないようだ
【エンメル】 無理はしないで 傷は塞がっても、まだ体力が 戻ってないだろうから
【エンメル】 …あら? この声…他の姫たちが私たちを 捜してるみたい
【エンメル】 …ここで、待ちましょうか 私も、改めてみなさんに挨拶しなきゃ
【エンメル】 ふふっ この世界で生きるって決めたら こんなにも気持ちが軽くなるのね
【エンメル】 これから、どんな日々が私たちを 待っているのかしら
【エンメル】 楽しみだわ
その笑顔に心強さを感じ、 マスターは頼もしい仲間の加入を 心の底から歓迎するのであった
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