60301214 ツヴァイ 『風鳴』レゾナンス
【ツヴァイ】 …おなかすいたな
あれ以降、少しだけツヴァイとの 距離が縮まったような気がしている マスター
以前は口にしなかった食事も 今は一緒に食べるようになった
【ツヴァイ】 これ、あまり好きじゃないかも
…文句を言ってくれるくらいの 間柄にはなれたようだ
ここぞとばかりに、 より距離を縮めるべく ツヴァイに声をかけるマスター
【ツヴァイ】 え…何かしたいことはないか…? …………
その言葉に考え込んでしまうツヴァイ どうやら質問の内容以外のことを 考えているようだった
【ツヴァイ】 …………ねえ、 ひとつ聞きたいんだけど
しばしの沈黙の後、 口を開くツヴァイ
【ツヴァイ】 どうしてあなたは、わたしのことを そんなに気にかけるの?
今更…と言葉にしかけたが、 ツヴァイの目は真剣だった
ならば、とマスターも 真剣に言葉にする 『仲間だから』…と
【ツヴァイ】 …なかま…? わたしが…?
目を白黒させ、マスターの言葉を 噛み締めているツヴァイ
【ツヴァイ】 そっか…なかま…か
言葉にしたことで実感が湧いたのか 顔が少し赤くなっているようにも 見える
【ツヴァイ】 言葉は、信じない だけど、あなたの言葉はちがう
【ツヴァイ】 わたしのゲロ、処理してくれた …あの人みたいに
あの人? と口にしそうになったが、 それをグッと堪えるマスター
今は、ツヴァイの言葉を しっかりと聞くべきだ、と 耳を傾ける
【ツヴァイ】 …この世界にきて またひとりぼっちになったんだって 思った
【ツヴァイ】 でも、ちがったみたい あなたが『闘う』姿を見て、 そう思えたんだ
【ツヴァイ】 だから…信じてみようと思う あなたの言葉を
【ツヴァイ】 諦めちゃいけないんだ、わたしは 悲しさも苦しさも願いも …それから、進むことも
【ツヴァイ】 だから…
そこで言葉を一度止め、 すぅっと深呼吸するツヴァイ
【ツヴァイ】 よろしくね、マスター
覚悟に満ちたその言葉の響きに 頼もしさを覚えるマスター
この覚悟を裏切らない そんな思いを込め、よろしく、と 力強く返すマスター
【ツヴァイ】 ふふっ
満足そうに笑うツヴァイに マスターは先ほどの問いを もう一度投げかける
【ツヴァイ】 したいこと…かあ
【ツヴァイ】 …おさんぽに、いきたいな
おずおずと答えるツヴァイに 行こう、と答えるマスター
ツヴァイが笑顔になる その笑顔に、以前にはなかった 確かな絆を感じるマスターであった
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