Phantom of the Kill

Story scripts of Phantom of the Kill (ファントム オブ キル)

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60321212 オルフェウス たとえ忘れたとしても…

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603211.png 【オルフェウス】 えっと、その… それじゃ、あたしはこれで…

足早に立ち去ろうとする オルフェウスを、待って! と引き留めるマスター

603211.png 【オルフェウス】 えっ なに、どうかしましたか?

命の恩人を タダで帰す訳にはいかない 何かお礼を…とマスター

603211.png 【オルフェウス】 そんな、お礼なんて… あたし、キル姫だし 異族と戦うのは当たり前っていうか

でも! 助けてもらったし、お礼がしたい と引く気のないマスター

603211.png 【オルフェウス】 じゃあ、お茶くらいなら…

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603211.png 【オルフェウス】 なんか断りづらくて 来ちゃったけど…どうしよう

603211.png 【オルフェウス】 どうせ、明日には あたしのことを忘れるんだから お礼なんていいのに…

うつむいたままのオルフェウス

マスターはそんなオルフェウスに どうしてあんなところにいたの? と、会話の糸口を探す

603211.png 【オルフェウス】 どうして…って あなたこそどうして?

オルフェウスの問いに 自分はたまたま通りがかって… と答えにならない答えを返す

603211.png 【オルフェウス】 変なの って、あたしも似たようなものか

603211.png 【オルフェウス】 なんとなく街を出て歩いてて… そしたらあの子、リュディがいて…

603211.png 【オルフェウス】 リュディの奏でる旋律が すごく綺麗で…う、ぐす

突然泣き始めてしまった オルフェウスに戸惑いつつ 慰めるマスター

603211.png 【オルフェウス】 ご、ごめん 泣いたりするつもりじゃ なかったのに…

よかったら お話してくれない? とマスターがハンカチを渡しつつ言う

603211.png 【オルフェウス】 でも、そっか… あなたも忘れちゃうんだから 少し話聞いてもらおうかな…

忘れちゃうという言葉に 疑問を浮かべつつ、 自分でよければと話を聞くマスター

603211.png 【オルフェウス】 あたしは、誰とも関わらない 関わっちゃいけないって そう思ってたんだけど…

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603211.png 【オルフェウス】 出会ったばかりの人に 出会ったばかりのリュディの話を ひたすらにし続けるあたし

603211.png 【オルフェウス】 どれだけ素晴らしい旋律だったか それがどれだけあたしの心を 揺さぶり…あたためてくれたか

603211.png 【オルフェウス】 時々泣いちゃったりしながら… それでも、この人は あたしの話をちゃんと聞いてくれた

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603211.png 【オルフェウス】 ごめんね あたしばっかり たくさん話しちゃって

603211.png 【オルフェウス】 けど、あなたと話してると 不思議とスッキリするっていうか 心のもやもやが晴れていく気がする

役に立てたならよかったよ とマスターはほほ笑む

603211.png 【オルフェウス】 あのさ、さっきあたしが 忘れちゃうって言ったこと 覚えてるかな…?

気になったから覚えてるよ と返すマスター

603211.png 【オルフェウス】 あたしね、呪われてて 誰からも一日で忘れられちゃうんだ

603211.png 【オルフェウス】 突然こんなこと言っても 訳わかんないと思うけど…

誰からも忘れられてしまう… マスターはその言葉について 真剣に考えている

603211.png 【オルフェウス】 そう、あなたからも さっきあれだけ話した リュディからもね

603211.png 【オルフェウス】 あたしの想いを リュディに伝えても… リュディは忘れちゃうんだ

603211.png 【オルフェウス】 だから、今話したことも 全部、無駄になっちゃうんだ…

もしかして、 リュディと話がしたいの? と問うマスター

603211.png 【オルフェウス】 …話したいよ でも、忘れられちゃうからさ

603211.png 【オルフェウス】 それが辛くて、ずっとひとりで… ああ、この感覚なんて 思い出したくなかったなぁ…

キミは、忘れないんだよね? とマスターはまた質問する

603211.png 【オルフェウス】 うん、だから… ううん、本当はあなたにも こんな話するべきじゃなかった

自分は話してくれてよかった キミと出会えてよかった そう思う、とマスターは返す

603211.png 【オルフェウス】 …え?

キミが忘れないなら 話したいと思ったなら 話しかけたらいい、

キミの中に残るなら 決して無駄なんかじゃないよ とマスター

603211.png 【オルフェウス】 でも、でも! それがどんなに辛いことか… あなたにはわからないから

キミが覚えてくれていたらいい 忘れたら何度でも教えてほしい それに、例え今日のことを忘れても

明日の僕も、 キミの話が聞きたいと思うはずだよ マスターは真摯に話す

603211.png 【オルフェウス】 あはは、あなた面白いね 奏官ってどんな人がいるんだろう って思ってたけど、想像以上

変わってるって言われる とマスター

603211.png 【オルフェウス】 あはは、変わってるんだ ほんと…あなたと話してると 不思議な気持ちになる

さて、とマスターは オルフェウスの手を取る

603211.png 【オルフェウス】 え、え、え! ちょ、ちょっと!?

そのリュディのところへ行こう! とマスターは オルフェウスの手を引く

603211.png 【オルフェウス】 今行くの!?

今日じゃないと意味がないから 今、二人が話しているところが見たい マスターは静かに強く言う

603211.png 【オルフェウス】 …そう、だよね うん、あたし行くよ!

603211.png 【オルフェウス】 この人の手に触れてると なんだか勇気が湧いてくる…

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603211.png 【オルフェウス】 さっき会ったときは この辺だったんだけど…ってあれ!

603211.png 【オルフェウス】 異族が…もしかしてリュディ!

とにかく異族を倒そう とマスターは オルフェウスに指示を出す

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