60331213 フューリー 『呪葬』ストライク
【フューリー】 いきます、援護を
【異族】 グギャアアアアアアッ!
フューリーの底知れぬ能力は 先の戦いでも恐ろしいほどに 頼もしいものだったのだが…
今はその比ではない とマスターは感じていた
【フューリー】 占いで、皆さんのことを 識ることができましたから
【フューリー】 私もどう動けばいいかわかる それだけのことです
フューリーは自身の能力である 呪術が、物事を知れば知るほど 強くなるのだ、と話す
【フューリー】 その結果が… 成れの果てが、この力
【フューリー】 くっ、クククク…
【フューリー】 死ぬのであれば 死の概念を持つのであれば 死を待つ者であれば
【フューリー】 死が呪いとなって現れる
【フューリー】 くっ、ふふ、ふふふ…
フューリーが頭を押さえながら 睨みつけた異族が――倒れていく
【フューリー】 ふふっ、これが私の力なんです
フューリーは誇るようにではなく 自身を嘲るようにその力を語る
【フューリー】 私の力は呪術 呪う力、なのです
【フューリー】 それはやがて、周囲にいる者にさえ 及ぶ可能性だってあります
【フューリー】 それが、私という存在の 在り方でもある…
自嘲の如く続けられる言葉 だが、マスターはそう認識していない
隊の姫達のことを識ったから フューリーは強くなれたんだ! マスターは、そう話す
【フューリー】 …それは、あくまで副次的な 結果でしかありません
【フューリー】 …ああ、だというのに、あなたは
マスターはフューリーが 姫達と共闘しているその姿を 純粋に喜んでいた
【フューリー】 私が忘れ得ぬ狂気を そうも純粋に取るものでしょうか…
隊の仲間を守るために その力の真価を発揮するフューリー マスターは、それを頼もしく思う
【フューリー】 それは…それはあまりにも 純粋が過ぎてはいませんか
【フューリー】 憎むことを戒めた 私ではありますが、 こうも憎めない人がいるなんて…
【フューリー】 そんなの、まるでかつての―― どこかにいた少女のようでは ありませんか
フューリーの表情から 苦しさのようなものが 消えていることに気付くマスター
【フューリー】 私は過去を忘れることはできません
【フューリー】 けれど…あなたの純粋な正義を 少しは信じてみてもいいと思った ただ、それだけの話です
マスターの純粋さを 信じたフューリーに力が宿る
それはフューリーの 『呪葬』ストライク という新たな力となった
【フューリー】 …終わりです
【フューリー】 …あなたは何も知らない
【フューリー】 なのに、私をそうも信じられる その純粋さは決して悪ではないはず
【フューリー】 逆に、あなたの中にある私が どんな形であるかも私には わかりません
【フューリー】 それでも、 私という存在 ご理解いただけますか?ふふ…
フューリーの言葉の真意を すべて知ることはできないだろう けれど、マスターは頷く
これからもよろしく と、フューリーに告げるマスター
【フューリー】 あなたがあなたの 正義を純粋に信じていられるのなら…
【フューリー】 その正義が道を違えることが ない限り…力を貸しましょう
相互理解にはほど遠いかもしれない それでも、少しわかったような 気がするのも事実だとマスター
【フューリー】 私もそう思います けれど…それも面白いかと
【フューリー】 今はそれでも構いませんから
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