60331214 フューリー 『覚呪』シーナリー
【フューリー】 そういえば、なんですが
わりとフランクに話しかけてくる フューリーに驚きつつ どうしたの?と返すマスター
【フューリー】 この間はほかの皆さんが 先になってしまったので マスターのことを占っていません
【フューリー】 なので、いかがでしょう? 少々辛口な占いと なるかもしれませんが…
ぜひお願いするよ! とマスターは屈託なく返す
【フューリー】 相変わらずの即答ですね… それでは、始めましょうか
【フューリー】 ありえないほどの困難が マスターの行く先々には 待ち構えています
そ、そんなに? と恐る恐る聞くマスター
【フューリー】 ええ、そんなに
【フューリー】 女難の相は…まぁ言わずとも というところではありますが… これは凄まじいですね
【フューリー】 他者との関わりを持ちすぎることは 要らぬ難を呼び寄せることに繋がる…
【フューリー】 これについては心当たりあるのでは?
うっ、と言葉に詰まるマスター
【フューリー】 これは占いとは関係ありませんが…
珍しく言葉を溜めるフューリー マスターは遠慮なくどうぞ と答える
【フューリー】 何故、そうまでして 誰かと関わろうと… 救おうとするのですか?
フューリーの質問に ちょっとずつ誰かのためになれれば いいかな、と答えるマスター
【フューリー】 ちょっとずつ… 小さなことを積み重ねて どうするつもりなんですか?
世界が平和になるかも と、笑って答えるマスター
【フューリー】 幸福になった人々が手を取り合えば やがて平和が訪れる…と?
【フューリー】 幼稚ですね
【フューリー】 でも…これまでいくつもの 困難を乗り越えて、何故そう言って 笑うことができるのですか、マスター
マスターの答えに苦虫を 噛み潰したような顔をするフューリー
その頬を、不意に吹いた風が撫でる
【フューリー】 あ…
どうしたの?とマスター
【フューリー】 …いえ、少し昔を思い出したもので 忘れられる訳もないんですが
【フューリー】 懐かしい、故郷の景色が 見えた気がしたんです
【フューリー】 きっと、私の呪術が 私自身に作用してしまったのでしょう
そう言うとフューリーは 遠くを見つめる
【フューリー】 自戒すらも蝕むほどの過去 それが、遠くに見えた… そんな気がしただけです
フューリーがマスターに抱いた 感情はなんなのだろうか その答えはわからない
それでも、その時湧いた思いは 『覚呪』シーナリー として、フューリーに確かに宿った
【フューリー】 …………
急に黙ってしまったフューリーを 心配するマスター
【フューリー】 いえ、なんでもありません
【フューリー】 では、私はマスターの思い描く 平和な日々が訪れるよう
【フューリー】 微力ながらお手伝いさせていただきます
【フューリー】 全ては、よき未来の為に
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