66610011 Unit666 マサムネ
【マサムネ】 おお 参られたか、主君よ
【マサムネ】 ははは、謝らないでくれ 拙者が少々早く 足を運んだだけのこと
【マサムネ】 して、今回は どのような用件があるのだ?
【マサムネ】 ふむ…拙者と 線香花火を楽しみたいと?
【マサムネ】 わかった 是非、ご一緒させてもらおう
火をつけた線香花火は 火球の蕾ができ、 パチパチと火花を散らし始める
【マサムネ】 うむ… やはり夏と言えば 線香花火に限るな
【マサムネ】 粛々と燃え盛り 最期は潔くぽとりと落ちる
【マサムネ】 まるで拙者の目指す 武士の生き様そのもののようだ
【マサムネ】 そういえば… 主君は覚えておられるだろうか?
【マサムネ】 拙者と初めて相まみえた あの日のことを
【マサムネ】 思えばあの時分から 主君は偉大なる御方であった
【マサムネ】 少々甘いと感じ 心配な面も なくはなかったがな…ふふ
線香花火の火は 激しく火花を散らし 文字通り、火の花を咲かせる
【マサムネ】 だが、拙者の懸念など 瞬く間に霧散した
【マサムネ】 主君がどのような想いを抱き、 如何ほどの覚悟で 我らを率いておられるのか
【マサムネ】 それを理解したあの時に 拙者の心は決まったのだ
【マサムネ】 ひとりの武士として 主君に生涯の忠義を誓い
【マサムネ】 主君をお守りする… ただその使命がために 刃を振るおうとな
【マサムネ】 あれからしばしの時を 主君と共に過ごしてきたが
【マサムネ】 今なお拙者の忠義が 変わることはない
【マサムネ】 いや…前にも増して 固く根を張っていると 申してもよかろう
【マサムネ】 無論、主君との思い出は それだけに留まらぬ
【マサムネ】 密林で互いに研鑽しあった あの日々のことも
【マサムネ】 拙者にとっては 忘れられぬ大切な記憶だ
【マサムネ】 あの時は、 武士らしからぬ恥ずかしい姿を お見せしてしまったが…
【マサムネ】 主君は拙者に優しく接し、 傍に置いてくださった
【マサムネ】 それが拙者には たまらなく幸せであったのだ
線香花火の火花が丸みを帯び 静かで淡い光に変わる
【マサムネ】 思えば… あれがきっかけ だったのかもしれぬ
【マサムネ】 拙者の心に、一抹の火が 灯るようになったのは…
【マサムネ】 共に古城に足を運び、 互いの感情を語らい
【マサムネ】 恥ずかしい思いもしたが、 温泉にも浸かって 裸の付き合いを重ねた…
【マサムネ】 も、もちろん 水着は来ていたがな! 言葉の綾というやつだ…!
【マサムネ】 ともあれ、そのような日々を 主君と過ごすうちに…
【マサムネ】 拙者の心の灯火は ますます勢いを増していった
【マサムネ】 今も無視できないほどに、 拙者の胸の奥で 激しく燃え盛っている
【マサムネ】 斯様な想いを持つなど 武士にはふさわしくない… そう思ったこともある
【マサムネ】 だがわかったのだ 主君への想いの強さこそが
【マサムネ】 拙者にとって最も大きな 原動力になっているのだと
【マサムネ】 だから、拙者は…
線香花火の火花が消え、 火球だけが残る
【マサムネ】 あ…
頬を赤らめながら マスターと向き合うマサムネ
【マサムネ】 主君…
マサムネ…
選択肢:
- 僕と誓約を結んでほしい → select_label_01へ
マサムネ…
select_label_01:
【マサムネ】 っ…!!
select_label_end:
【マサムネ】 …ははっ、ふふふっ なんということだ
【マサムネ】 主君は…そなたはいつも、 拙者の一番求めている言葉を かけてくださるな…
【マサムネ】 あぁ、言わずもがなだ 謹んでお受けいたす
【マサムネ】 主君は”金打”を ご存じであろうか?
【マサムネ】 武士が誓いを立てる際に 互いの刀を打ち合わせることだ
【マサムネ】 今は刀がない… 代わりにこの線香花火を 用いるとしよう
マサムネとマスターが 互いの手を近づけ
今にも落ちそうな火球を 互いにそっと触れ合わせる…
【マサムネ】 …わっ!
触れ合った火球は 途端に強い輝きを帯び
ひとつの火球となって 再び火花を散らしはじめた
【マサムネ】 これが… 主君と拙者との 誓約の証、なのだな
【マサムネ】 ふふっ…感じるぞ そなたと確かに つながったことを
【マサムネ】 これからも拙者は、 そなたを守る刃として 戦いつづけてみせよう
【マサムネ】 どうかよろしく頼む …ふふっ
こうしてマスターと マサムネの誓約は 結ばれたのだった
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