Phantom of the Kill

Story scripts of Phantom of the Kill (ファントム オブ キル)

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620121212 ミーミル 大いなる世界への祈り

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62001211.png 【ミーミル】 ……

マスターとティルフィングの後ろを、 神妙な面持ちで歩くミーミル

62001211.png 【ミーミル】 お買い物にお供すると言って しまいましたが…

62001211.png 【ミーミル】 せっかくお二人で過ごすお時間に 私がいては邪魔にならないでしょうか…

そんなことを考えながら、 歩いていると――

6101411.png 【ティルフィング】 着きましたよ

62001211.png 【ミーミル】 …!

62001211.png 【ミーミル】 ここは……

彼女の目の前には、 街一番の品揃えを誇る 大きな文具屋が

62001211.png 【ミーミル】 ここで、一体どのようなものを?

6101411.png 【ティルフィング】 それは……

6101411.png 【ティルフィング】 ミーミル…… 私とマスターから、 アナタへのプレゼントです

62001211.png 【ミーミル】 ………

62001211.png 【ミーミル】 ………

62001211.png 【ミーミル】 ……え?

呆気に取られ過ぎだって と、マスターが笑う

6101411.png 【ティルフィング】 ミーミル これまでずっと 長旅ご苦労様でした

6101411.png 【ティルフィング】 アナタは立派にやり遂げました

6101411.png 【ティルフィング】 私たちは、 そんなアナタを 誇りに思います

62001211.png 【ミーミル】 ……ティルフィング様

6101411.png 【ティルフィング】 なので、その想いを込めて、

6101411.png 【ティルフィング】 私たち二人から、 なにか贈り物をしようと いうことになったのです

サプライズでね と、マスターが優しい笑顔を見せる

62001211.png 【ミーミル】 ………

62001211.png 【ミーミル】 ……そんな…

62001211.png 【ミーミル】 ……私には勿体ないです

6101411.png 【ティルフィング】 そのようなことはありません 私たちがアナタに 贈り物をしたいんです

6101411.png 【ティルフィング】 アナタは遠慮してしまうから 先に買っておこうかとも考えましたが

ミーミルに選んで欲しいんだ と、マスターはティルフィングと 視線を交わして告げる

6101411.png 【ティルフィング】 ミーミル アナタの欲しいものは何ですか?

62001211.png 【ミーミル】 私は……

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それから――

買い物を終えた三人は、 街の食堂で食事を取っていた

62001211.png 【ミーミル】 本当によろしいのですか……? このような素敵な品を

6101411.png 【ティルフィング】 遠慮はいりませんよ

6101411.png 【ティルフィング】 前から少し気になっていました

6101411.png 【ティルフィング】 アナタは、 いつも私たちの半歩後ろを 歩こうとしますが……

6101411.png 【ティルフィング】 私はミーミルとも 並んで歩きたいんですよ

62001211.png 【ミーミル】 ……

62001211.png 【ミーミル】 ……やっぱり

62001211.png 【ミーミル】 私には勿体ないですよ

――とか言いつつ、 笑みが溢れ出てるよ とマスター

62001211.png 【ミーミル】 !!

62001211.png 【ミーミル】 も、申し訳ございません…!

頬を真っ赤に染めるミーミル

6101411.png 【ティルフィング】 ミーミル、 その日記帳に書き綴って 欲しいのです

6101411.png 【ティルフィング】 アナタの新しい日々を

――と、

お待たせしました ミーミルの前に 料理が運ばれてきた

62001211.png 【ミーミル】 ……!

62001211.png 【ミーミル】 これは…なんとも

彼女が目を奪われたもの

それは、 お子様ランチに刺さった旗だった

62001211.png 【ミーミル】 ……今まで… 本当に色んなことがありました

旗を見つめながら、 ミーミルはこれまでの旅を回顧する

62001211.png 【ミーミル】 私とマスター様が旅立った日… あの日もティルフィング様は おっしゃいました

62001211.png 【ミーミル】 この世界は『美しい』と

62001211.png 【ミーミル】 今日、御二方に誘って頂き、 街を一緒に歩いて、 その一端を垣間見れた気がします

62001211.png 【ミーミル】 旅の最中は使命感に駆られ、 感じる余裕もありませんでしたが

62001211.png 【ミーミル】 日常とは、とても素敵な ものなのですね

辺りを見渡しながら、 彼女は語り続ける

62001211.png 【ミーミル】 そして…

62001211.png 【ミーミル】 誰かと囲む食卓が… こんなにも楽しく、温かいなんて

62001211.png 【ミーミル】 この感情も…… 『美しい』に 繋がってゆくのでしょうか

微笑みながら尋ねるミーミル

そんな彼女に、マスターが答える きっとミーミルがそう感じるのは、 「誰か」とだからじゃないよ

62001211.png 【ミーミル】 ……え?

6101411.png 【ティルフィング】 マスター……

だって、僕たちは… ――と、マスターが なにかを言いかけた時、

バシャッ! とフラッシュが焚かれた

62001211.png 【ミーミル】 !

素晴らしい笑顔だね~! 街の写真家が、 三人の姿を撮ったのだ

どうぞ、お嬢ちゃん! 写真家から手渡された写真を見て、 ミーミルは呟く

62001211.png 【ミーミル】 ……素敵な笑顔

写真家は答える こんな最高の笑顔ができるのは いい家族の証拠さ

【ティルフィング・ミーミル】 !!

62001211.png 【ミーミル】 ……家族

6101411.png 【ティルフィング】 …まぁ

頬を赤くしながら 顔を見合わせるマスター、 ミーミル、ティルフィング

笑いながら去っていく写真家を 目で追いながら、マスターは言う 驚いたな、他の人にもそう見えるのか

62001211.png 【ミーミル】 どういうことです?

さっき、言い掛けた言葉 だって僕たちは……家族だから そう伝えたかったんだ

62001211.png 【ミーミル】 ……マスター様

6101411.png 【ティルフィング】 なるほど、私たちは……

6101411.png 【ティルフィング】 共に助け合った…… 血よりも強い繋がりを持った 家族なのですね

62001211.png 【ミーミル】 …ティルフィング様

照れ臭そうに微笑み合う三人だった

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その夜――

ミーミルは、 宿舎でマスターに語っていた

62001211.png 【ミーミル】 マスター様、世界は広いですね

62001211.png 【ミーミル】 今日だけでも、 たくさんの気づきがありました

62001211.png 【ミーミル】 ですから……

62001211.png 【ミーミル】 私はもっと、 この世界のことを識りたいと思います

62001211.png 【ミーミル】 ティルフィング様が『美しい』と 仰ったこの世界は、 きっと素晴らしい世界ですから

微笑んだ彼女の瞳は、 キラキラと輝いていた

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