66610041 Unit666 草薙剣
【草薙剣】 き、来たぞ、マスター
【草薙剣】 こんな夜中の海辺に呼び出すとは… うぅ、暗いし水辺じゃし… 一体、何を考えておるのじゃ…?
ごめんね、と マスターは謝りながら線香花火を出し、 草薙剣に差し出す
【草薙剣】 …む、線香花火か! それなら一向に構わんぞ!
火をつけた線香花火は 火球の蕾ができ、 パチパチと火花を散らし始める
【草薙剣】 ふふ、よく光ってはいるが 所詮は花火じゃ。すぐ消える宿命を 余が見守ってやるとするか
【草薙剣】 しかし…この慎ましい光を 見ていると、そちと 出会った頃のことを思い出すのう
【草薙剣】 あの時のマスターは この花火の光のように 頼りなく見えたものじゃ
【草薙剣】 余の助けがなければ ひとりでトイレにもいけなくて…
それは言いすぎじゃない? と、マスターは苦笑する
【草薙剣】 むう、確かに 余の記憶違いであることを 祈るばかりだ
【草薙剣】 ま、余へのもてなしは なかなかだったからの
【草薙剣】 適材適所というやつじゃな 余はふりかかる火の粉を払い マスターは余を崇める
【草薙剣】 そう思うと、マスターは最初から 余の良きパートナーだったのだな!
線香花火の火は 激しく火花を散らし 文字通り、火の花を咲かせる
【草薙剣】 うーむ…そういえば そちは戦闘の時も余と共に 先陣に立っているな
【草薙剣】 自分の身を守るのだって 覚束ないのによくやるのお
【草薙剣】 戦闘に不得手なマスターが 戦場に立つとは… 余が水場で戦うようなものか?
【草薙剣】 うう… 想像しただけでも足が震えるぞ…
【草薙剣】 それを押してまで 同じ場所に立とうとするとは マスターは天晴なやつじゃな
【草薙剣】 その勇気のおかげで余も 存分に力が振るえるのじゃ!
【草薙剣】 だが、マスターが不得手に 立ち向かっているというのに 余は未だに水を克服できておらん…
【草薙剣】 一度、克服するきっかけはあったな マスターとプールに 行った時のことか
【草薙剣】 マスターは 余が水に沈まぬようにと 浮き輪とやらを持ち出してきた
【草薙剣】 本当にあんなもので 溺れなくなるものかと 余は怪しんだが…
【草薙剣】 いつも余を信じて戦っている マスターがそう言うのじゃ それを余が信じずにどうする
【草薙剣】 そう思うと腹が据わって 水に立ち向かおうという 気持ちになれたのじゃ!
【草薙剣】 まあ、結局 水の克服には成らんかったが…
【草薙剣】 あの瞬間 胸に宿った気持ちは 今でもよく覚えておるぞ
線香花火の火花が丸みを帯び 静かで淡い光に変わる
【草薙剣】 …気持ちといえば 二人で観覧車に乗った時 した話を覚えておるか?
【草薙剣】 遠くの景色ばかり見ている余に マスターはさらっと 教えてくれたのう
【草薙剣】 遠くに目をやるだけでは見えない ものもある…とな
【草薙剣】 確かに、一番見るべきことは 誰と観覧車に乗って お互いに何を思っているかじゃ
【草薙剣】 そちはわかりやすいからのう 余のことが大好きなのが すーぐ伝わってきたぞ!
【草薙剣】 あわよくばマスターにも 余の気持ちが伝わっていたら 嬉しいのじゃが…
線香花火の火花が消え、 火球だけが残る
マスターは意を決して 草薙剣を見つめ返す
【草薙剣】 マスター?
草薙剣…
選択肢:
- 僕と誓約を結んでほしい → select_label_01へ
草薙剣…
select_label_01:
【草薙剣】 お、おお!
select_label_end:
【草薙剣】 余を選んだというのか! さ、流石じゃ、マスター!
【草薙剣】 も、もしやと思って そわそわしていたわけではないぞ! ほんとだぞ!
【草薙剣】 こほん…では改めて よかろう、その申し出 受け入れてやろうぞ
【草薙剣】 余は草薙剣 神剣の力を継ぐものである!
【草薙剣】 降りかかる火の粉は 全て打ち払ってしんぜよう!
【草薙剣】 そして、この身の朽ちるまで そちと添い遂げることを誓おう!
【草薙剣】 ゆえにそちも… 遠くばかりを見て ゆめゆめ余を見失うでないぞ
その言葉を聞いて ああ、誓うよ と、マスターは宣言する
同時に、線香花火の 火球が地面へと落ちる
【草薙剣】 なんと…
地面に落ちた火球から 光りが広がり、
マスターと 草薙剣を包んだ
【草薙剣】 マスターのバイブスと 余のキラーズが深く 繋がっていくのじゃ…!
【草薙剣】 マスターの想い…感じるぞ えへへ…なんだか照れくさいのう
【草薙剣】 うむ! それではよろしく頼むぞ! マスター!
こうしてマスターと 草薙剣の誓約は 結ばれたのだった
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