66610051 Unit666 リットゥ
【リットゥ】
マスター
待たせてしまったか
すまない
【リットゥ】
マスターが
こんなにも早く来ているとは
思わなかったんだ
【リットゥ】
お前がここまで急ぐとは
一体、何の用なんだ？
マスターは線香花火を出し、 リットゥに差し出す
【リットゥ】
線香花火…？
私と、か…？
【リットゥ】
…静かな夜だ
今晩は敵も現れないだろう
少しだけ、付き合ってやる
火をつけた線香花火は 火球の蕾ができ、 パチパチと火花を散らし始める
【リットゥ】
可憐な火だ
ずっと見ていたくなるような
輝きを持っている
【リットゥ】
…マスター
線香花火は人生を表すというな
【リットゥ】
この輝きを見ていると
マスターと出会ってから
今までのことが蘇るようだ
【リットゥ】
初めて会った時のお前は
不真面目ではないが
何かと甘い奴に見えた
【リットゥ】
戒律を守らなかったものを
必死にかばったり
憤慨する私の機嫌をとったりな
【リットゥ】
皆が従ってこその戒律だ
お前だけが従っていても意味がない
【リットゥ】
これでいいものかと
散々頭を悩ませたんだぞ
線香花火の火は 激しく火花を散らし 文字通り、火の花を咲かせる
【リットゥ】
折り合いがつかずに、お前と
言い争いになったこともあったな
【リットゥ】
特に、戦闘中の
戒律の在り方については
揉めに揉めた
【リットゥ】
戦場での気の緩みは命取りになる
ゆえに戒律の順守は
徹底的にしなければならない
【リットゥ】
しかし、それはやりすぎだと
お前は言い張った
【リットゥ】
何が起こるかわからない戦闘では
戒律よりも大切なことがある、と
【リットゥ】
無茶苦茶なことを言うな、と
私は憤慨したが…
【リットゥ】
お前の方針のもとで私達は
勝利を重ねていくことができた
【リットゥ】
それで、私は少しずつ
お前の言葉の意味を
考えるようにしたんだ
【リットゥ】
戒律よりも大切なもの…
それが一体、何なのか…
【リットゥ】
その正体を掴めたのは
お前と海に行った時のことだ
【リットゥ】
ビーチの安寧は私が守ると
豪語しておきながら…
【リットゥ】
ひとりの少女の危機に
気が付くのが遅れてしまった
【リットゥ】
お前の助力もあって
少女の救出はできたが
私は自分の未熟さを突き付けられた
【リットゥ】
しかし、助けた少女の口にした
ありがとう、という言葉…
【リットゥ】
あの時に私は気が付いたんだ
【リットゥ】
戒律よりも大切なもの
それは戒律によって救われ
守られるもののことだ、と…
【リットゥ】
お前はそのことを知っていた
だからこそ、強くあれたのだな
マスター…
線香花火の火花が丸みを帯び 静かで淡い光に変わる
【リットゥ】
笑わないで聞いて欲しいんだが
私が戒律によって守りたいものは
何かと考えてみたんだ
【リットゥ】
そうしたら…
何故かお前との思い出ばかりが
出てきてな…
【リットゥ】
森の中で焚火をしたり
勇気を出して部屋に招いたり…
【リットゥ】
私は、お前とのそういう日常を
守りたいと思ってしまうんだ
【リットゥ】
この気持ちは…
戒律を破ることに
つながらないだろうか…
線香花火の火花が消え、 火球だけが残る
マスターは意を決して リットゥを見つめ返す
【リットゥ】
マスター…
リットゥ…
選択肢:
- 僕と誓約を結んでほしい → select_label_01へ
リットゥ…
select_label_01:
【リットゥ】
なっ…
select_label_end:
【リットゥ】
わ、私と、だと…？
いいのか、本当に…？
君が良いんだ と、マスターはうなずく
【リットゥ】
そうか…
嬉しいぞ、マスター
【リットゥ】
…私はまだまだ未熟だ
戒律を正しく扱えているかも
まだわからない…
【リットゥ】
それに、お前を見ると抱く
この感情が何なのかも
まだ掴めていない…
【リットゥ】
ゆえにぶつかることもあるだろう
些細なことから大きなことまで
口論から大ゲンカまで…
【リットゥ】
それでも、お前を守るという
この決意だけは永遠に変わらないと
誓おう
【リットゥ】
マスターも…
こんな私と
一緒にいてくれるか…？
その言葉を聞いて ああ、誓うよ と、マスターは宣言する
同時に、線香花火の 火球が地面へと落ちる
【リットゥ】
あっ…
地面に落ちた火球から 光りが広がり、
マスターと リットゥを包んだ
【リットゥ】
マスターのバイブスと
私のキラーズが
深く繋がり合っていく…
【リットゥ】
流れてくるマスターの想い…
温かくて…気持ちが安らぐ…
ああ、きっとこれは…
【リットゥ】
マスター…今、お前のことが
愛おしくてたまらない…
【リットゥ】
お前と誓約を結ぶことができて
私は、幸せだ…
【リットゥ】
こんな気持ち、
一生口にすることはないと
思っていたのだがな…
そう言うと、 リットゥは穏やかに微笑み 真っすぐとマスターを見つめた
【リットゥ】
この先、何があろうと
お前のことは必ず私が守り抜く
この幸せを永遠に
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