66630011 Unit666 ロンギヌス
【ロンギヌス】 マスター、お話って… なんでしょうか?
マスターは頷いて 線香花火をロンギヌスの手に 持たせる
【ロンギヌス】 これは…線香花火ですか?
一瞬、不思議そうにした ロンギヌスだがすぐに顔を ほころばせる
【ロンギヌス】 夏ですからね 線香花火…一緒にやりましょう
火をつけた線香花火は 火球の蕾ができ、 パチパチと火花を散らし始める
ロンギヌスはその灯りをじっと まるで祈るかのように 真摯に見つめていた
そんなロンギヌスに マスターは、大丈夫? と声をかける
【ロンギヌス】 …あっ!すみません なんだか見入っちゃいました
【ロンギヌス】 小さなこの灯りを見ていると いろいろ思い出してしまって…
【ロンギヌス】 マスターは 覚えていますか? 私たちが会ったばかりの ときのことを
【ロンギヌス】 私はよく覚えています 近づく人は みんな私の力が 目当ての人ばかりだったのに
【ロンギヌス】 マスターだけは あまりに普通に接してきて 逆に不思議でした
【ロンギヌス】 何を考えているか、わからなくて すごく警戒してしまいました
【ロンギヌス】 でもマスターが、ちゃんと私を 見てくれているってわかって 私も信用できたんです
線香花火の火は 激しく火花を散らし 文字通り、火の花を咲かせる
【ロンギヌス】 マスターと行動を共に するようになって 敵が襲ってきたときも
【ロンギヌス】 マスターは私の力をあてにはせず 私が戦う意思を固めるまで 待ってくれました…
ロンギヌスの意思を尊重するのは それは当然のことだよ マスターがそう答えると…
【ロンギヌス】 そうです マスターは私達キル姫を 武器や兵器として、見なかったんです
【ロンギヌス】 私は戦うことは、好きじゃないですし 人も苦手で…約立たずって 言われてもおかしくないのに
【ロンギヌス】 マスターはずっと見守ってくれました それが、どんなに私の心を 救ってくれたか…
【ロンギヌス】 マスターとプールに 行ったときのこともそうです
【ロンギヌス】 トマトのビーチボールを もらって…それでも水の中に 入れなくて…
【ロンギヌス】 そんな臆病な私を マスターはずっと見守って くれましたよね
ちゃんと勇気も見せてくれたのは ロンギヌスだよと マスターは伝える
【ロンギヌス】 溺れた子供を助けたことですか? あれは…泳ぎが苦手なのに 考えなしでしたよね
【ロンギヌス】 でも子供が危ないと思ったら 体が勝手に動いて プールに飛び込んでいました
【ロンギヌス】 あれもマスターがいたから 飛び込めたのかなって思います
【ロンギヌス】 私一人だったら 変わることはなかったと思います
【ロンギヌス】 マスターがいてくれたおかげで 人も水も少しだけ 大丈夫になりました
【ロンギヌス】 そして少しだけ 臆病じゃなくなったと思います
【ロンギヌス】 みんなマスターのおかげです
最初から臆病ではなかったと 優しいだけだとマスターが伝える
ロンギヌスは照れたように 目を伏せ、線香花火を見つめた
【ロンギヌス】 マスターは…いつも私の いいところを 見つけてくれますね
線香花火の火花が丸みを帯び 静かで淡い光に変わる
【ロンギヌス】 あの教会でも… マスターは私のことを 否定せずに肯定してくれました
【ロンギヌス】 祈ることに意味はない そんなふうに思っている人が いっぱいいるのに
【ロンギヌス】 マスターは私の祈りを そして世界に平和を、っていう 私の夢を認めてくれました
【ロンギヌス】 私が信じているものを マスターも信じて後押ししてくれる
【ロンギヌス】 それが嬉しくて… 私の支えになっているんです
線香花火の淡い光が ロンギヌスの笑顔を暗闇に 浮かび上がらせる
やがて線香花火の火花が消え、 火球だけが残る
今にも消え去りそうな火球を 見つめるロンギヌスに マスターは寄り添う
【ロンギヌス】 あ、あの…マスター? どうしたんですか? そんなに見つめて…
ロンギヌス…
選択肢:
- 僕と誓約を結んでほしい → select_label_01へ
ロンギヌス…
select_label_01:
【ロンギヌス】 マ、マスター!?
select_label_end:
【ロンギヌス】 ほ、本当に? 私なんかで…
なんかじゃない ロンギヌスがいい
【ロンギヌス】 私が…? そんな… 夢じゃ、ないですよね?
【ロンギヌス】 私…ずっと願ってました でもそんなこと無理だって 諦めてて…
【ロンギヌス】 それなのに… マスターが望んでくれるなんて…
【ロンギヌス】 私…こんなに恵まれていて いいんでしょうか?
互いに望むものが 絆を深めることが 悪いことであるはずがない
マスターは力強く言って あらためてロンギヌスの 返答を待つ
【ロンギヌス】 答えなんて決まっています 私でよければ…
マスターを見る ロンギヌスの頬には 光る雫が伝っていた
【ロンギヌス】 マスター 誓いを…立てさせてください
【ロンギヌス】 私、ロンギヌスは いついかなる時も…
【ロンギヌス】 喜びを分かち合い 苦難を共にし…
【ロンギヌス】 誠心誠意をもって マスターを支え…
【ロンギヌス】 この先もずっと…ずっと… マスターと一緒にいることを ここに誓います!
ロンギヌスは祈るように 両手を組み マスターを見つめる
マスターはしっかりと 見つめ返して、一言答える 僕も誓う、と
同時に、線香花火の 火球からすっと光が失われる
【ロンギヌス】 あ…灯りが… あれ? 線香花火って 灯りが、落ちるんじゃ…
【ロンギヌス】 これは…不吉なしるし…?
マスターはニッコリ笑うと 逆だと、最後まで落ちないと 願いが叶うのだと教える。
【ロンギヌス】 よかったです! そうですか…願いが… いえ、もう叶っていますね!
その瞬間、消えたはずの 線香花火が輝き出し その灯りが二人を包む
【ロンギヌス】 感じます…! マスターとの繋がりが 深まっていくようです…
【ロンギヌス】 この繋がりが、マスターが… 私の居場所…
【ロンギヌス】 私にも 本当の居場所ができました…
こうしてマスターと ロンギヌスの誓約は、 結ばれたのだった
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