66630201 Unit666 ピサール
【ピサール】
ふあぁぁ~…
良い子は寝る時間だよ
マスタ~
【ピサール】
あ、でも夜のビーチで寝るのも
オツかも~?
マスターは線香花火を出し、 ピサールに差し出す
【ピサール】
…え~、
こんなところで寝るな?
だってもう夜だよ~?
【ピサール】
あとなぁに、これ
線香花火?
【ピサール】
これ一本だけなら
付き合おうかな~?
あ、あとでアイス買ってね?
火をつけた線香花火は 火球の蕾ができ、 パチパチと火花を散らし始める
【ピサール】
…すぅ
【ピサール】
…はっ!
線香花火見てたら眠気が~!
【ピサール】
あ~
可愛げがないとか思ったでしょ
仕方ないじゃな~い
【ピサール】
線香花火って綺麗だけど
なんだか眠くなってきちゃうし…
マスターは大丈夫そう?
【ピサール】
え~?
花火に催眠効果はないって?
マスターが真剣な表情で頷くと ピサールは小さく笑った
【ピサール】
初めて会ったときも思ったけど
マスターはマジメだね~
【ピサール】
まあ、マジメな人が
マスターっていうの
アリだと思ったかな~
【ピサール】
ただ、惜しいのよね~
【ピサール】
マジメなのはいいけど
グイグイこないのが
ちょっとね~?
【ピサール】
でも、戦いのときは
頼りにしてるよ~
【ピサール】
頑張ったら
アイスも買ってくれもんね~
【ピサール】
アイスもいいけど
寝かせといてくれるのが
一番なんだけどな~?
線香花火の火は 激しく火花を散らし 文字通り、火の花を咲かせる
【ピサール】
あらら?
線香花火も熱暴走~?
【ピサール】
マスターが近くにいたら
熱暴走しちゃうよね~
【ピサール】
わたしも
今ちょっと暑いかな?
【ピサール】
触って確かめてみる~?
【ピサール】
ってのは冗談だけど~
本気にしちゃった?
【ピサール】
…おっと~、マスターじゃなく
線香花火と話しちゃった~
【ピサール】
…わわわっ!
触ろうとしちゃダメ!
【ピサール】
わたしが灼熱の槍だってこと
もう忘れちゃったの~?
【ピサール】
海の温度すら上げちゃうくらい
わたしは発熱してるんだからね?
触ったら危ないって~
線香花火の火花が丸みを帯び 静かで淡い光に変わる
【ピサール】
そうそう、熱いっていえばさ~
【ピサール】
砂の中がひんやりしてるの
大発見だったねぇ~
【ピサール】
マスターとデートした
水族館も良かったねぇ~♪
【ピサール】
水槽にぴたーって
くっつくの気持ちよかったぁ
【ピサール】
わたしが水槽の中にいたら
人魚みたいって
マスターは言ったけど
【ピサール】
わたしが人魚だったら
マスターとこんな風に
一緒にはいられないよねぇ
【ピサール】
人魚姫は想いを遂げようとして
泡になって消えちゃったけど…
線香花火の火花が消え、 火球だけが残る
マスターは意を決して ピサールを見つめた
ピサール…
選択肢:
- 僕と誓約を結んでほしい → select_label_01へ
ピサール…
select_label_01:
【ピサール】
…もう一声!
もっと強引でもいいよ~?
select_label_end:
強引と聞いてマスターは 言い直すべきか考え込んだ
【ピサール】
あはは!
マジメなマスターだ~!
【ピサール】
今の言葉で十分だよ、マスター
わたしを泡にしたくないんだね~
【ピサール】
安心して
わたしは泡にはならないから
【ピサール】
そうだ
せっかくだし、わたしも
なにか誓いを立てようかな~
【ピサール】
意外でしょ?
いつもなら、めんどくさ~いって
言うところだもんね~
小首をかしげたピサールは 上目遣いでマスターを うかがった
【ピサール】
わたしだって、
こういうときくらい
ちゃんとするって~
【ピサール】
マスターが望むなら
戦いも頑張るし…
【ピサール】
もちろん二人で
寝ることは大歓迎♪
【ピサール】
だからこの先
どんなことがあっても
一緒にいようね?
それを聞いたマスターは頷き、 僕も誓うよ と宣言する
同時に、線香花火の 火球が地面へと落ちる
【ピサール】
きらきらしてきたぁ~!
地面に落ちた火球から 光りが広がり、
マスターと ピサールを包んだ
【ピサール】
熱いんじゃなくて
あったかいのっていいね~
【ピサール】
でも、マスターには
わたしの熱を感じて欲しいな~
【ピサール】
ビーチで寝ようと思ったけど
やっぱそれはナシ!
【ピサール】
今なら誰もいないし
ふたり二人で海に入ろ?
【ピサール】
マスターが火傷するくらい
ひっついちゃうよ~!
【ピサール】
この先もずーっと
わたしの熱い想いで
火傷してね
こうしてマスターと ピサールの誓約は 結ばれたのだった
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