66640191 Unit666 フェイルノート(ギアハック)
【フェイルノート】 この私を呼び出すだなんて いい度胸ね、お前様?
【フェイルノート】 私に足を運ばせた以上 相応の用件でなければ 即刻その首が飛ぶと思いなさい
相変わらずのフェイルノートに 苦笑しながら、マスターは 来てくれて嬉しいよ、と言う
【フェイルノート】 …ふ、ふんっ 誘いに応じると返したんだから、 私がすっぽかすなんてあり得ないわ
【フェイルノート】 そんなことより、 早く用件を言いなさい 私を待たせるなんて不敬よ?
マスターは線香花火を取り出し、 フェイルノートへ差し出した
火をつけた線香花火は 火球の蕾ができ、 パチパチと火花を散らし始める
【フェイルノート】 線香花火だなんて、 お前様にしてはいい趣味だわ
【フェイルノート】 小さくとも確かに存在する 『輝き』を持つもの…
【フェイルノート】 …出会った頃の お前様を見ているようね
【フェイルノート】 あの頃のお前様は矮小で頼りなくて… でも私が初めて目にする 特異な『輝き』を持っていた
【フェイルノート】 はじめは間違いかと思ったわ これほど卑小な存在に、 このような輝きがあるなんて
【フェイルノート】 でもお前様の輝きは衰えなかった
線香花火の火は 激しく火花を散らし 文字通り、火の花を咲かせる
【フェイルノート】 どんな困難な状況でも、 どんな敵を前にしても
【フェイルノート】 お前様の持つ輝きはくすむことも 陰ることもなく、 今もなお、強く存在し続けている
【フェイルノート】 その輝きが消えたときは、即刻 切り捨てるつもりだったのに…
そ、そんなこと考えてたの!? と驚くマスターに、 当然という顔をするフェイルノート
【フェイルノート】 私を誰だと思っているのよ?
【フェイルノート】 魔を統べた地獄の王 その傍にいられるのは、 相応の輝きを持つ者だけよ
【フェイルノート】 …もっとも、それに固執しすぎても 良い結果は生まないということも、 もう分かっているけれど
【フェイルノート】 私は孤高の存在 …でも、孤立していい訳じゃない
【フェイルノート】 他を導く者として存在するのに、 他に見放されるようでは お話にならないわ
【フェイルノート】 お前様にも言われたものね 後悔はつまらない、と
【フェイルノート】 私だって、みんなから 嫌われたいわけじゃない
【フェイルノート】 時には素直になって 気持ちを口にすることも必要だって、 お前様から学んだわ
【フェイルノート】 …本当に不思議ね、お前様は
線香花火の火花が丸みを帯び 静かで淡い光に変わる
【フェイルノート】 この私をデートと称して 散々連れまわしたり…
【フェイルノート】 かと思えば、最後の最後で 私と同じことを考え、行動に出たり
【フェイルノート】 あの温泉でのことは、 悪くなかった…いえ、 楽しめた、とはっきり言ってあげるわ
【フェイルノート】 時には、素直になることも必要だものね
そう言ってイタズラっぽく 笑うフェイルノートは、 いつにも増して魅力的だった
線香花火の火花が消え、 火球だけが残る
マスターは意を決して フェイルノートを見つめた
【フェイルノート】 なに? 黙ってじっと見つめるなんて不敬よ?
フェイルノート…
選択肢:
- 僕と誓約を結んでほしい → select_label_01へ
フェイルノート…
select_label_01:
【フェイルノート】 え…?
select_label_end:
【フェイルノート】 せ、誓約? 私が? お前様と?
【フェイルノート】 己はこの私と 誓約を結ぶに足る存在だと、 お前様はそう言うつもりなのね?
そうだよ マスターは力強くうなずく
【フェイルノート】 …そう
【フェイルノート】 この私を相手に 誓約を持ちかけるなんて、 本当にいい度胸をしているわ
【フェイルノート】 …でも、悪くはない
【フェイルノート】 いいでしょう 精進なさい
【フェイルノート】 私は、いつ何時も お前様を見ているわ
【フェイルノート】 その輝きがくすんだ時が、 お前様の最後…
【フェイルノート】 その覚悟をもって この私の傍にあると、誓いなさい
誓うよ マスターは決意を込めて頷く
同時に、線香花火の 火球が地面へと落ちる
地面に落ちた火球から 光りが広がり、
マスターと フェイルノートを包んだ
【フェイルノート】 …確かに受け取ったわ お前様の覚悟
【フェイルノート】 バイブスとキラーズ… この私とより深く心を結ぶこと、 並の重さではないと心得なさい
【フェイルノート】 …最後のその時まで、 お前様の輝きを私に見せ続けるのよ
こうしてマスターと フェイルノートの誓約は 結ばれたのだった
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