66640192 Unit666 誓約フェイルノート
【フェイルノート】 待たせたわね、お前様
【フェイルノート】 それで? 私に何の用なの?
花火をしよう と、線香花火を差し出すマスター
【フェイルノート】 花火を? …なるほど、 それでこんな時間なのね
【フェイルノート】 まぁいいわ 付き合ってあげる
火をつけた線香花火は 火球の蕾ができ、 パチパチと火花を散らし始める
【フェイルノート】 小さなものね 空を飾るものとは大違い でも…
【フェイルノート】 小さくとも、 輝き続ける気高き光…
【フェイルノート】 これを私と眺めようなんて、 お前様にしては悪くない趣味ね
【フェイルノート】 悪くない、というよりむしろ…
【フェイルノート】 …あっ! な、なんでもないわ!
フェイルノートは 慌てたように言うと、 こほんと咳払いをした
【フェイルノート】 そんなことより…この花火、 眺めているとなんだか お前様を見ているように思えてくるわ
【フェイルノート】 小さくて、頼りなくて…
【フェイルノート】 …そういえば私、 出会ったばかりの頃は
【フェイルノート】 お前様のことを本気で 頼りないと思っていたわね
そうなんだ… と苦笑いを浮かべるマスター
【フェイルノート】 この小さな光を 見ているとつい…
【フェイルノート】 まぁ今は違うのだから、 思い出話と思って 聞いておきなさいな
【フェイルノート】 …確かに、最初の頃は お前様のことを 頼りない人間だと思っていたわ
【フェイルノート】 頼りなくて、甘くて… 人の上に立つ者として、 まったくふさわしくないと
【フェイルノート】 でも…私が間違っていた 共に戦っていく中で、 お前様はそれを私に示したのよ
線香花火の火は 激しく火花を散らし 文字通り、火の花を咲かせる
【フェイルノート】 どんな困難な状況でも、 下を向かずに立ち向かっていく姿…
【フェイルノート】 どんな強敵を前にしても、 諦めずに勝利への道を探る姿…
【フェイルノート】 それは紛れもなく、 人の上に立ち、 弱者を守る強者の…王の姿だったわ
【フェイルノート】 そしてお前様は… 弱者だけではなく、 私のことも助け、新たな力をくれる
【フェイルノート】 …海で異族たちと 戦った時のことは覚えている?
【フェイルノート】 あの時、私達は不覚にも 人質を取られてしまった
【フェイルノート】 …情けなかったわ 弱者を守るべき強者でありながら、 弱者を危険にさらしてしまった
【フェイルノート】 でも…
【フェイルノート】 お前様の言葉があったから、 私はあの状況を 打破することができた
【フェイルノート】 私だからできることがきっとある
【フェイルノート】 お前様のその言葉が、 私に力をくれたのよ
【フェイルノート】 …あの時、私は確信したの
【フェイルノート】 私は強者たらんとするけれど、 一方で弱さもある…
【フェイルノート】 でも…お前様がいてくれたら 虚勢は消え、真となり、強者として よりふさわしい自分になれると
【フェイルノート】 …ねぇお前様 デートの帰り際、私の部屋に よってくれたことがあるでしょう
線香花火の火花が丸みを帯び 静かで淡い光に変わる
【フェイルノート】 あの時の私は… 少し、不安になっていた
【フェイルノート】 お前様と、もう少しだけ 一緒にいたくて…。でもあまり 可愛い甘え方もできなくて…
【フェイルノート】 でもお前様は、 そんな情けない私にも気づいて、 私の我が儘に付き合ってくれた
【フェイルノート】 …感謝しているの 傍にいてくれることを
フェイルノートはそう呟いて、 微かに潤んだ目でマスターを見た
線香花火の火花が消え、 火球だけが残る
マスターは意を決して フェイルノートを見つめた
【フェイルノート】 お前様…?
フェイルノート…
選択肢:
- 僕と誓約を結んでほしい → select_label_01へ
フェイルノート…
select_label_01:
【フェイルノート】 え…?
select_label_end:
【フェイルノート】 せ、誓約を? 私とお前様で…?
【フェイルノート】 それはつまり、私の業を背負い 最後のその時まで共にある という契約を交わすということ
【フェイルノート】 それをわかって言っているの?
もちろん と力強く頷くマスター
【フェイルノート】 …そう
【フェイルノート】 ならば、お前様のその思い しかと受け取りましょう
【フェイルノート】 私の弱さを見抜き、 寄り添ってくれた お前様が傍にいてくれたら
【フェイルノート】 私は必ずや 混沌とした世界を統べる王となり、 あらゆる者を守る強者となれる
【フェイルノート】 私と共に業を背負うと 言ってくれたお前様のためにも、 私は強者として立ち続けると誓うわ
それを聞いたマスターは頷き、 僕も誓うよ と宣言する
同時に、線香花火の 火球が地面へと落ちる
地面に落ちた火球から 光りが広がり、
マスターと フェイルノートを包んだ
【フェイルノート】 お前様のバイブスと 私のキラーズが 深く繋がっていく…
【フェイルノート】 …きよ
【フェイルノート】 …あ、いえ…そのっ…! …………っ
【フェイルノート】 好きって、言ったの…! こ、これも誓約に必要な 言葉のようなものよ…!
【フェイルノート】 と、とにかくっ…! お前様と私の誓約は ここに結ばれたわ
【フェイルノート】 この誓約を永劫胸に抱き、 私は歩み続けるわ お前様と共に
【フェイルノート】 もう離れることはできないわよ 覚悟なさい いいわね?ふふ
こうしてマスターと フェイルノートの誓約は 結ばれたのだった
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