66660141 Unit666 プタハ
【プタハ】 母を呼ぶ可愛い子はここか? ふふ…見つけたぞ、マスター
【プタハ】 さて、今宵のおねだりは なんであろうか? ぬ…後ろ手に何か隠しておるな
マスターは線香花火を出し、 プタハに差し出す
【プタハ】 おお、線香花火とは… そなたも趣のある遊びを覚えたか 子の成長は嬉しいものだな
【プタハ】 いけない夜遊びであれば 叱るところだが… よし、我も共に楽しむとしよう
火をつけた線香花火は 火球の蕾ができ、 パチパチと火花を散らし始める
【プタハ】 親子らが集い、花火に興じる様を 見守るのは我の喜びだが…
【プタハ】 こうして、静寂に包まれつつ 季節の終わりを名残惜しむのも 悪くないものであるな
【プタハ】 夏が過ぎれば実りの秋が来る… 皆は、忘却をも厭わぬ せわしい日々を送っておるが
【プタハ】 我は昨日のことのように思い出せる そなたという尊き命に はじめてふれた日のことを…
【プタハ】 我の手を借りたいと、すがりつく そなたはまるで赤子のようで それはそれは愛くるしかった
【プタハ】 ただ…そなたに課せられた使命は そのか弱き身に余るのではと 世の不条理を嘆いたものよ
【プタハ】 親の心子知らずとはこのことか―― そう思うこともあったが…
【プタハ】 我の心労が絶えぬことを そなたは知っていたのだろう
【プタハ】 何も案ずることはないと、 甘やかす隙を我にくれる… 互いを満たしながら前へ進む
【プタハ】 マスターの器量を見誤っていた… 時を待たずして、そう気付かされたぞ
線香花火の火は 激しく火花を散らし 文字通り、火の花を咲かせる
【プタハ】 今や変革の時代 その渦中に落とされても 逃げることなく、光を灯し続ける…
【プタハ】 敵への畏怖さえ凌駕する マスターの熱意と誠に、 応えなかった姫は未だおらぬ
【プタハ】 それが世界の答えだろう この世は…いいや我は、 そなたを待ちわびていたらしい
【プタハ】 だからこそ、自分でも戸惑うほど 過保護になってしまうのだが…
【プタハ】 忘れたとは言わせんぞ? 川べりで子守りをする最中、 そなたが子を庇い、傷を負ったこと
【プタハ】 あのときの我の取り乱しようは 記憶から葬ってほしいが… 事があったからこそ芽生えた愛もある
【プタハ】 愛の形がどうであれ 我は等しく胸に抱くつもりでいる そう、どの子らにも等しく…だが…
【プタハ】 そなたのことは、 そなただけは…いくら抱きしめても 甘やかしても、何故か足りないのだ
【プタハ】 星の数ほどの命にふれてきた この我が、与え足りない… よもや、こんな渇きがあったとはな
線香花火の火花が丸みを帯び 静かで淡い光に変わる
【プタハ】 まあ…我が乞うより先に、 そなたが甘え上手になってくれて 有難い気持ちもあるのだがな?
【プタハ】 そなたと観覧車とやらに乗った夜や 恋人のように過ごした一日のことは 他のどの子にも話しておらぬ
【プタハ】 ふふ…皆の母にも、一つや二つ 秘密の宝物があってもよかろう?
【プタハ】 …地上の光を空から眺めた時は、 言いようのない寂しさに襲われ… 隣にいるそなたが頼もしかった
【プタハ】 そんな、人知れぬ我の心を さらりと掬い上げようとする 聡さには驚かされたものだ…
【プタハ】 いつもありがとう、マスター そなたは愛しい…立派な子だ
線香花火の火花が消え、 火球だけが残る
マスターは意を決して プタハを見つめた
【プタハ】 ぬ、何か言いたげだな? 臆せず我になんでも…
プタハ…
選択肢:
- 僕と誓約を結んでほしい → select_label_01へ
プタハ…
select_label_01:
【プタハ】 そなたのことは、 そなただけは…いくら抱きしめても 甘やかしても、何故か足りないのだ
select_label_end:
【プタハ】 我の中にあった渇きは 子への母性ではなく、 愛ゆえ…だったのだな…
【プタハ】 いつしか頼もしく成長した そなたを、我は誰よりも 愛おしく思っていた
【プタハ】 …子どもだからではない きっと…そなたをひとりの 異性として…
【プタハ】 そして、 そなたも我を、母ではなく ひとりの女性として見ていたのだな
プタハから目をそらさず ゆっくり、深く頷くマスター
【プタハ】 すべて、全てを受け入れよう… そなたに望まれて、返せぬものなど 我には一つもないのだから
そう答えたプタハの微笑みは 母のように優しく、 いつかの寂しげな表情にも似ていた
【プタハ】 よいか、マスター… 此度の我の誓いは、 万物が震えるほどに大きいぞ
【プタハ】 たとえこの身が朽ちようと、 果てることはない愛をもって… そなたを抱き、守り続けよう
【プタハ】 …どうか、我を置いて 遠くへ行かないでおくれ
【プタハ】 誓ってくれるか?
それを聞いたマスターは頷き、 誓うよ と宣言する
同時に、線香花火の 火球が地面へと落ちる
地面に落ちた火球から 光りが広がり、
マスターと プタハを包んだ
【プタハ】 マスターの想い、願い、欲望… しかと、受け止めたぞ
【プタハ】 おぉ…そなたのバイブスと 我のキラーズが、深まりを増し 新たな理が創造されたぞ…
【プタハ】 これからは母ではなく 伴侶として、そなたの隣に いさせてくれ
こうしてマスターと プタハの誓約は 結ばれたのだった
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