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【???】 あらぁ、ご機嫌よう
外の空気を吸おうと、 夜の平原を歩いていたとき ひとりの女性が声をかけてくる
【ベルフェゴール】 初めまして 私は《怠惰》の悪魔、 ベルフェゴールよ
【ベルフェゴール】 かつては人間どもを支配していた 七魔王のひとりだったのぉ
【ベルフェゴール】 うふふ… 突然、悪魔なんて言われても 信じられないかしらぁ?
【ベルフェゴール】 まぁ、当然よねぇ こんなに平和な世界にいれば ますます怠惰になるわよねぇ
【ベルフェゴール】 …けれど、分かるわよぉ あなたが他の人間どもとは 違うってことくらい
【ベルフェゴール】 あなた、マスターなんでしょう? 平和な世界でも、他人のために 何かをしようだなんて働き者ねぇ
【ベルフェゴール】 人間は怠惰な生き物なのに、 あなたをそこまで動かすものは 何なのか、気になるわぁ
【ベルフェゴール】 あなたの意思は どんな味がするのかしらぁ?
ベルフェゴールは不敵に微笑み 距離を詰めてくる
【ベルフェゴール】 少しだけ、 味見させてくれない?
【ベルフェゴール】 …代わりに、 いい夢を見せてあげるわぁ
油断すれば彼女の甘い囁きに 呑み込まれそうになるが、 なんとか意識を保ち首を横に振った
【ベルフェゴール】 へぇ……見込んだ通りねぇ ますますあなたに興味が湧いたわぁ
【ベルフェゴール】 ふふふ、これからしばらくの間 じっくり観察させてもらうわねぇ? よろしく、働き者のマスターさん
彼女の言葉に嫌な予感を覚えながらも その怪しい美しさと魅力から 目が離せないのだった
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