840301 天上編 第8章 王都決戦 第4話 決戦の刻 バトル開始前の会話
【ディーン】 レーヴァテイン! 深追いするな! 先へ進むことだけを考えろ!
【レーヴァテイン】 当然…!
【リベリオン】 とんでもなく、だだっ広い回廊だな… ここが、総本山ってことか?
【デュリン】 ええ。ここが大聖堂グランドタワー… この一番奥に、 教皇様がいらっしゃるのよ
【リベリオン】 まったく…少し見ないうちに、 こんなバカデケぇ 趣味の悪い建物をおっ建てやがって…
【リベリオン】 …少しばかり、 お灸を据えてやる必要があるな
【デュリン】 ねぇ…。それより、誰なのよ? フレンネル大公の居場所を売り、 襲撃させた裏切り者って…?
【デュリン】 教皇様に謁見する前に、 そいつを抑えておくべきじゃないの?
【リベリオン】 …いや、このままでいい このまま、教皇の元へ向かう
【デュリン】 でもさ… 私達が乗り込んできたことを、 そいつももちろん察知してるはず…
【デュリン】 もし、逃げられたら…
【リベリオン】 だから、 このままでいいと言ってるんだ
【デュリン】 え…?
【リベリオン】 …裏切り者が何者なのかを 確信させてくれたのは、レンの父親だ
【リベリオン】 …憶えているか? レンの父…ジョン・エイベルが、 命がけで遺した伝言を…?
【デュリン】 “人々の希望の頂は、 既に神々の手に侵されている”…?
【デュリン】 …!? …ウソでしょ…!?
【リベリオン】 世の人々の 希望とされている、教会組織…
【リベリオン】 その“頂き”に立つ者を 思い浮かべれば… おのずと答えは出るんじゃないか?
【デュリン】 まさか…!?
【リベリオン】 そう… “教皇”だよ
【デュリン】 !!!!
【リベリオン】 抜け目のないフレンネル家の末裔が、 罠に嵌められた…
【リベリオン】 それがどうにも腑に落ちなくてな だが、目をかけていた教皇の言葉なら 騙されたとしても、まぁ理解できる
【デュリン】 ちょっと待ってよ!まだそれは 推測の話でしょ!?教皇様が 裏切り者だなんて、そんなこと…!
【リベリオン】 なぁに…教皇に会って確かめれば、 すべては明らかになることだ 深く考えるな
【デュリン】 …………
【リベリオン】 そもそも… 教皇に会えるかどうかも、 まだわからないんだ
【リベリオン】 …アイツのように、 邪魔する輩がわんさかいるからな
【デュリン】 え…?
【エンヴィ】 確かに… ここから先へ行けるのは、 “招かれし者”だけです
【リベリオン】 …どういう意味だ?
【デュリン】 エ、エンヴィ!? じゃあ、ティルフィングは…
【エンヴィ】 安心してください… 彼女なら、苦しまずに 逝くことができたはずです…
【デュリン】 な、なんですって…!?
【レーヴァテイン】 クッ…!
【ディーン】 待て、レーヴァテイン! 先へ進むことだけを考えろ… そう言ったはずだ!
【レーヴァテイン】 でも…
【ディーン】 ティルフィングが、 なんのために身体を張ったと 思ってるんだ?
【ディーン】 俺達はなにがあろうと、 コイツらを教皇様の元へ 辿り着かせなきゃならない…違うか?
【レーヴァテイン】 グ…
【リベリオン】 だから落ち着け それにこいつは、アイツの獲物だろ?
【エンヴィ】 アイツ…?
【???】 …ハァァァァァーッ!!!
【エンヴィ】 !?
【ティルフィング】 ま、まだよ…! みんなの足止めはさせないわ…!
【デュリン】 ティルフィング…!!
【エンヴィ】 …アナタ、なぜ? 相応のダメージは、 与えたはずなのに…
【ティルフィング】 どんなにダメージを受けようと… この心が死なない限り、 私は絶対に屈しはしない…!!
【エンヴィ】 心… その強靭な精神の源ですか…?
【デュリン】 …! ごめん、そうだったわね…
【デュリン】 後は任せたわ、ティルフィング さぁ、行きましょう
【ディーン】 ああ 行くぞ、レーヴァテイン
【レーヴァテイン】 …えぇ
【エンヴィ】 …! どういうことですか…? また、彼女を見殺しに…?
【ティルフィング】 違うわ… みんなは、私を 信頼してくれているのよ
【エンヴィ】 …! 信頼…?
【ティルフィング】 ええ アナタにも仲間がいるのなら、 わかるはず…
【ティルフィング】 みんなが信頼してくれているだけで、 私は十分…! 何度だって立ち上がれるわ…!
【エンヴィ】 …!!
【エンヴィ】 妬ましい…
【ティルフィング】 え…?
【エンヴィ】 私と違って信頼されるような存在の あなたが…、本当に妬ましい…
【エンヴィ】 私は… アナタには、 絶対に負けたくありません…!
【ティルフィング】 …アナタとはきっと、 いい仲間になれそうな気がする
【エンヴィ】 …!
【ティルフィング】 いつの日か… 必ず、また会いましょう… 同じ戦地を駆けた、仲間として…
【エンヴィ】 !? な、なにを…!?
【ティルフィング】 …“ファントムオブキル”!!!!
【エンヴィ】 ガッ…!!!!
【エンヴィ】 う、うぐ…! そ、そんな… く、口車に乗せられるなんて…
【ティルフィング】 …口車なんかじゃないわ
【エンヴィ】 え…?
【ティルフィング】 私は、本心でそう思ったのよ アナタとなら… きっと、いい仲間になれるって
【エンヴィ】 …!
【ティルフィング】 ごめんなさい、みんなが待ってる… 先を急ぐわ
【エンヴィ】 …う…羨ましい… そう…思ってしまったの…
【ティルフィング】 …え?
【エンヴィ】 し、信頼し合える仲間がいるなんて… わ、私には…そんな仲間は…
【ティルフィング】 …いるわ、ここに
【エンヴィ】 え…?
【ティルフィング】 アナタとの闘いは終わった… もう、仲間でしょ?
【エンヴィ】 …! ティル…フィン…グ…
【ティルフィング】 待っていてね、エンヴィ… 必ず…みんなが手を取り合える未来を 実現してみせるから…!
【ディーン】 教皇様が裏切り者…!? バカな…なに言ってんだよ!?
【デュリン】 アタシだって、 鵜呑みにはしちゃいないわよ!
【デュリン】 でも… それなら納得できる点も、 いくつかあるのよ…
【ディーン】 チッ…。ともかく、 教皇様の元へ辿り着かなきゃ 始まらねぇ…。行くぞ!
【デュリン】 ええ…!
【リベリオン】 フッ…燃えてやがるな… グッ…!
【ティルフィング】 …! 大丈夫ですか…!?
【リベリオン】 ティルフィング…! 無事だったか…!
【ティルフィング】 はい。なんとか、 彼女を眠らせることが出来ました
【リベリオン】 眠らせる…? この状況でも、まだそんなことを…
【ティルフィング】 もちろんです。立場は違えど、 同じキラープリンセス同士… 命を奪うつもりなんてありません
【リベリオン】 …!
【ティルフィング】 それに… 彼女には、信頼しあえる 仲間がいなかっただけなんです
【ティルフィング】 最後にそう打ち明けてくれました 彼女のためにも…
【ティルフィング】 みんなが手を取り合える未来を 実現しなければ…!
【リベリオン】 …さすがは、音に聞くエイレーネの娘 “運命の子”だな
【ティルフィング】 え…?
【リベリオン】 その慈悲のココロだよ …アイツと同じだな
【ティルフィング】 アイツ…?
【リベリオン】 話しただろう、ゼロという男のことを 俺達の世界にも、 お前のようなヤツがいるんだよ
【リベリオン】 剣だけじゃなく… その心で道を切り拓いちまう戦士が
【ティルフィング】 …ゼロ…
【ティルフィング】 !! グッ…!
【リベリオン】 今は忘れちまってるが、お前の 失われた記憶の中にもいるはずだ
【リベリオン】 その男の存在が、 キラープリンセス不在の俺達の 世界の希望となってくれているんだ
【ティルフィング】 地上世界の希望… そんなすごい方と、 私を比較しないでください
【リベリオン】 なに言ってるんだ… お前はそれ以上の希望の光なんだぞ?
【リベリオン】 事実、ゼロも…最後の希望である お前が戻り、救いの手を差し伸べて くれることを今も待ち望んでいる
【ティルフィング】 そんな…買い被り過ぎです 私には、世界を救う力なんて あるとは思えません
【リベリオン】 なに…?
【ティルフィング】 リベリオンさんがおっしゃる通り… 私は、女神エイレーネの 娘なのかもしれません
【ティルフィング】 でも、ただそれだけです 私には…自分に、 人を救う力なんてあるようには…
【リベリオン】 …気付いていないのか? 現に、多くの人を救っていることを
【ティルフィング】 え…?
【リベリオン】 今さっき闘ったロンギヌスも… 俺達に逃げ道を 作ってくれたパラシュも…
【リベリオン】 お前と剣を交えたものは 皆、心が救われているじゃないか?
【ティルフィング】 …! それは…彼女達が、 自ら気付いただけで…
【リベリオン】 それは違う お前と触れ合うことで、 みんな気付いていってるんだ
【ティルフィング】 …!
【リベリオン】 どんなに絶望的な状況でも、 お前さえいれば立て直せる…
【リベリオン】 そんな気に、 お前はさせてくれるんだよ
【リベリオン】 やはり俺達の世界にはお前が必要だ… 人々を奮い立たせてくれる、 ココロの戦士が
【ティルフィング】 そんな…
【リベリオン】 …まぁ、深く考えるな 今は目の前の状況に集中する… それだけでいい
【ティルフィング】 はい!
【リベリオン】 フッ…。ともかく、 教皇の元に辿り着かなければな… 行くぞ“希望の光”
【ティルフィング】 その呼び方はやめてください …行きます!
Next: 840401