902010001 地上編 2章 怠惰は意思を飲み込むのか? 第1話 畏怖の矛先
ベルフェゴール打倒のため 美術館を目指すゼロ一行は 一夜の宿を求めて避難所を訪れる
しかし、そこで待ち受けたのは… 人々の冷たい視線だった―
【男】 やめろ! いつ魔獣になるか分からない奴らを 避難所に近づけないでくれ!
【ヴァリン】 ちょっと! そんな言い方ないでしょっ アタシたちはただ一晩の宿を―
【男】 勘弁してくれっ…
【男】 俺たちは何とか寄り添って 生き延びているんだ…
【男】 助けてくれたことには 感謝してるけど…
【ゼロ】 …行こうぜ、ヴァリン これ以上、粘ったところで無駄だ
【アルン】 …きっと皆さん、 魔獣に対する恐れが強いんです
【アルン】 どんなにボク達が味方だって 頭で理解していても、いつ魔獣化して 襲ってくるか分からないと思うと…
【アルン】 避難所には子ども達もいますし
【ヴァリン】 …あー、もう!今夜は野宿よっ とりあえず 屋根のあるところを探して!
【アルン】 ロンギヌスが魔獣化した一件は、 予想以上に衝撃を 与えているみたいですね…
【アルン】 魔獣化の危険性は あまり知られていなかったんですか?
【ヴァリン】 …実験開始当初から、 その危険性については 何度も指摘されてきたわ
【ヴァリン】 それでも他に道はなかったの! …アルンの言う通りね
【ヴァリン】 頭で理解するのと 実際に目の当たりにするのとでは 大違いだったのよ
【アルン】 ボクが、もっとしっかりしないと
【アルン】 魔獣化を抑えるキラーズを ボクのバイブスで制御できていれば、 ロンギヌスは…
【アルン】 これじゃ、彼の正義が報われませんっ
【ティルフィング】 アルン あまり自分を責めないで下さい
【ヴァリン】 ロンギヌスも一人で 無茶し過ぎたのよ…
【ヴァリン】 体内の獣血を解放し続けると 体組織がどんどん魔獣のものに 組み替えられてしまう
【ヴァリン】 魔獣の血肉は 物凄い速さで分裂を繰り返すわ
【ヴァリン】 その影響でキラーメイル自身も 増殖してしまって…
【ヴァリン】 便宜上、『イミテーション』と 呼んでいるのは知ってるわよね?
【アルン】 はい。イミテーション同士は 互いに引かれ合い、本能的に殺し合う ものだと本部で教わりました…
【アルン】 彼らは、 どれだけ重い宿命を 背負わされているんでしょう…
【アスカ】 お兄ちゃん… わたしを助けてくれたのに…
【ゼロ】 そんなリスクは承知の上で、 それでもやるしかなかったんだ
【ゼロ】 今更、グダグダ言っても始まらねぇ それより、魔獣のお出ましだぜ
【魔獣】 ガアアアアアアアア!
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