930101 天上編 第9章 降臨せし観測者 第3話 終焉の始まり バトル開始前の会話
【レン】 ディーン!エドガー! 向こうの様子は…?
【ディーン】 ひとまず、小競り合いは沈静化してる 教授の仲間達が、 反対派を説得してるけどよ…
【ディーン】 いつ、また暴れ始めるか わかんねぇぞ?
【レン】 …王政府の動向は、なにか掴めた?
【エドガー】 真偽のほどは定かじゃないが、 いくつかの師団が壊滅状態にあると…
【エドガー】 王立軍の兵士達も、 その情報に混乱しているようだ
【レン】 だから、兵士達が 慌ただしく行き来してるのね…
【エドガー】 ああ。王立軍にラグナロク教会、 そして民衆達も…
【エドガー】 この先どういう行動に出るのか 全く予想がつかない
【エドガー】 流れる情報次第で、 暴徒化する可能性もあり得る
【ディーン】 ともかく、モタモタしてる 暇はねぇってことだ
【レン】 混沌としてるってこと… でも、それって…
【レン】 取りようによっては チャンスじゃない?
【ディーン】 あ?
【ノーブル】 うむ… 絶対的な権威が崩れている証…
【ノーブル】 うまくすれば、一手に人々の目を 集めることができるかもしれん
【市民A】 いつになったら始まるんだ! こっちは戒厳令の中を、 抜け出て来てるんだぞ!!
【市民B】 お、おい…向こうで、 市街戦が行われてるらしいぜ? ここもヤバいんじゃないか?
【ノーブル】 うぬ…
【レン】 教授! もう、これ以上は…
【ノーブル】 …私の言葉で、どれほどの人々を 揺り動かせるかわからんが… 仕方あるまい
【レン】 大丈夫…! きっと、みんな… 耳を傾けてくれます!
【???】 …もちろんだ 自分で思っている以上に、 君には影響力がある…
【???】 過小評価は、悪い癖だぞ?
【レン】 え…?
【ノーブル】 お、おおっ! おおおっ!!
【フレンネル】 心配させて済まなかった 苦労をかけたな…ノーブル教授
【ノーブル】 フ、フレンネル大公!! やはり、ご無事で!!
【市民A】 お、おい…あれって フレンネル大公じゃないのか!?
【市民B】 まさかっ!? 火事で亡くなったって聞いてるぞ!?
【フレンネル】 リベリオン殿から話は聞いている… さぁ、始めようか
【レン】 はいっ!!
【ティルフィング】 !!
【トト】 ティルフィング!!
【デュリン】 !! ど…どうしてっ!?
【???】 どうして…? …それは、こちらのセリフだ
【デュリン】 !?
【黒奏官】 なぜに、お前達は… 非現実的な希望に、 その身を託すことができるのだ?
【デュリン】 こ、黒奏官!?
【トト】 う、うぁっ! ヤ、ヤダよ! なんなんだよ、この音!?
【デュリン】 …ま、まさか そんな…
【黒奏官】 …リベリオンは、地上へと 帰還したようです …ラファエル様
【ラファエル】 『…そうですか これで、新たな理想郷を 築けるというもの…ご苦労でした』
【デュリン】 ラ、ラファエル!!! どうして!?
【デュリン】 リベリオンに討たれたはずじゃ!?
【黒奏官】 大天使様が、あの程度の者に 後れを取ると思うのか…? 失礼にも程があるぞ?
【デュリン】 そんなっ!? どういうことなの!?
【ラファエル】 『…あの者を始末したところで …新たなる使者を送り込まれては、 なにひとつ意味を成しません…』
【ラファエル】 『ゆえに、ひと時の夢を 与えてみせたのです』
【ラファエル】 『これで…この世界の理も 正されましょう』
【黒奏官】 そもそもは…この天上世界では、 キラープリンセスを育成できんと…
【黒奏官】 計画自体に無理があったと 諦めさせることを意図していた
【黒奏官】 だが…教皇の下手な芝居のおかげで、 その目論見がリベリオンに露見し… 計画を変更せざるを得なくなったのだ
【デュリン】 つ、つまり… リベリオンに、わざと 討たれてみせたということ!?
【黒奏官】 すべてが解決したと思わせ、 帰還させれば…
【黒奏官】 すぐに新たな使者が 送られてくることもあるまい
【デュリン】 で、でも…キラープリンセスが 送られてこない状況に、 すぐに気付くはずだわ!
【黒奏官】 それまでには、多少の時間が生じよう その時間差こそが肝要なのだ
【黒奏官】 …クク…ヤツらが再び新たな使者を 送り込んだところで、 すべては後の祭りなのだからな
【デュリン】 あ、後の祭り!?
【黒奏官】 再び使者が送られてくる頃には、 この世界は跡形もなく 様変わりをしている…
【黒奏官】 なにひとつ意味をなさんのだ
【ラファエル】 『…地上世界からの異物の混入により 我々観測者が、正しい観測を できなくなりました』
【ラファエル】 『それは、この箱庭の存在意義が 失われたということを意味します』
【ラファエル】 『ゆえに…“この世界の初期化”を 行うのです』
【デュリン】 世界の初期化!? ど、どういうこと!?
【ラファエル】 『人類を含めたすべての存在… そこに紡がれたすべての歴史… この大陸自体を、ゼロに戻すのです』
【黒奏官】 この世界に現存するすべてのもの… この大陸自体が、 一度消え去るということだ
【デュリン】 なっ!?
【黒奏官】 すべてが消失したこの世界に…
【黒奏官】 新たなる大陸が設けられ、 新たに選ばれた人類が 放たれることになるのだ
【ラファエル】 『その者達が、この世界に 新たな歴史を生み出してゆく… この箱庭を再生するのです』
【デュリン】 な…なにが再生よ!? それって…この世界を 滅ぼすってことじゃない!!
【ラファエル】 『アナタ方の立場からすれば、 そのような意味合いに なるのかもしれませんね』
【デュリン】 ふ、ふざけないで!! そんなこと、許されるはずが…
【黒奏官】 …立場を理解していないようだな
【黒奏官】 神々は、お前達の許しなど 求めてはいない… これは既に決定したことなのだ
【デュリン】 !!
【トト】 …なにが、天使だよ
【ラファエル】 『…?』
【トト】 …ティルフィングを …みんなをこんな目に遭わせて …なにが、神様だよ
【黒奏官】 慎め 子供のお前に、 理解できることではない
【トト】 うるさい!! こんなこと…絶対に間違ってる!!
【トト】 人間は… お前達の駒なんかじゃないんだ!!!
【トト】 ハァァァっ!!!
【黒奏官】 …フン
【トト】 うぎっ!!!
【デュリン】 トト!
【黒奏官】 …目障りだ グリード
【グリード】 …はい
【トト】 !! う、うぁっ!!
【デュリン】 トト!! 逃げて!!!
【グリード】 …なにしてるの? その手を離しなさい
【ティルフィング】 う、うぐっ! …さ、させないっ!
【デュリン】 ティルフィング!
【ティルフィング】 ア、アナタ達にとっては ただの駒でも…
【ティルフィング】 ここに生きる人々には、 それぞれの人生が… 意志が…ココロがある!
【ティルフィング】 こ、この世界を消させはしない! 私が止めてみせる!
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