930201 天上編 第9章 降臨せし観測者 第３話 終焉の始まり バトル開始前の会話
【市民Ａ】 異族を…王政府が 野放しにしているだって…！？
【フレンネル】 そうだ。我々人類は長い歴史の中で、 あらゆる天災を乗り越える すべを身に付けた
【フレンネル】 だが、それは… 人間を脅かす天敵が いなくなったことでもあるのだ
【ノーブル】 増え続ける人口を抑制しなければ、 人間は自滅の道を辿ることになる… 王政府は、そう結論付けたのだろう
【市民Ｂ】 抑制…！？ どういうことですか、大公！
【フレンネル】 …“人口調整”だよ 王政府は、異族を 口減らしの道具に使っているのだ
【市民Ａ】 口減らしのために、異族を…！？ そんな、バカな！？
【フレンネル】 これは真実だ その事実を隠蔽するためには、 彼らは歴史のねつ造も辞さない…
【フレンネル】 それが、この国の 置かれた現状なのだ
【市民Ｂ】 まさかっ！？ 俺達の知る歴史は、 偽物だってのか！？
【フレンネル】 信じられんのも無理はない だが、政府が公表する歴史ではなく、 真の歴史で読み解けば…
【フレンネル】 その、あまりに不自然な 人口推移が見て取れる
【フレンネル】 定期的に異族が大量発生し、 人口の水準が見事に保たれているのだ
【ノーブル】 …世に天才と謳われながら、 異端として学界から 追放された天文学者…
【ノーブル】 エクスジェラルド・ヴァン・ ルステンシュタイン3世
【ノーブル】 彼はその天文技術のすべてを注ぎ、 一冊の暦を導き出した
【ノーブル】 そこに… この大陸の本当の歴史が 記されているのだよ！
【レン】 これよ！ この一冊に、この大陸の 真の歴史が記されているの！
【王立軍兵士】 そこまでだ！ 内乱画策の容疑でお前達を連行する！ 拘束しろ！
【ディーン】
チッ！
どこから、抜け入って来やがった！？
【フレンネル】 いや…構わん 王立軍の兵士達… そなたらも、耳を傾けてくれんか？
【王立軍兵士】 ！？ フ、フレンネル大公！？ なぜ、アナタが！？
【レン】 お願い！ ほんの少しでいいの！ アタシ達の話を聞いて！
【フレンネル】 …紐解けば、この星の誕生から 人類の出現、歩んできた歴史…
【フレンネル】 果てはこの星の誕生した 時期に至るまで… この世界の真実は…
【フレンネル】 一握りの者達によって、 そのすべてが都合のいいように 塗り替えられてしまっているのだ！
【フレンネル】 こんな不正がまかり通ってはならん！ これは人間の尊厳を踏みにじる、 卑劣な行為に他ならない！
【フレンネル】 …今こそ、世に真実を 明かさねばならん！！
【フレンネル】 王政府の暗躍を食い止め、 人々が立ち上がるべき時なのだ！！
王政府“グランガーデン” 中央広場付近
【ティバルト】 …カミノツカイどころか、 大天使だと…？ クッ、未だに信じられん…
【トト】
ね、ねぇ！
ティルフィングは！？
【ティバルト】 さぁ… 今のところ、 命は繋ぎ止めているようだが…
【トト】
ハァ…
良かったぁ…
【デュリン】
あの…ありがとうございました！
まさか、ティバルト団長に
助けていただくなんて…
【ティバルト】 別に…彼らの行動が、 正しいとは思えなかっただけだ
【ティバルト】 …しかし、リベリオンめ まさか既に、この世界から 去っていたとは…
【トト】
…団長も、素直じゃないんだね
【ティバルト】 …なに？
【デュリン】
ト、トト！
なにを言い出すのよ！？
【トト】
だって、そうだろ？
二人とも、この世界のことを思って
頑張ってるのに…
【トト】
おじさんも、団長のことを
認めてたんだよ？
【ティバルト】 おじさん…？
【トト】
リベリオンのことだよ！
この世界に置いておくには
惜しい男だって…
【トト】
もしティルフィングやおじさんと
組んでたら、あんな天使なんて
すぐにやっつけられたはずなのに…
【ティバルト】 …フン
【トト】
…ボクも、団長ぐらい強ければ
ティルフィングを守ってあげることも
できるのに…
【ティバルト】 …本当に強くなりたいのなら、 羨望の気持ちを棄てろ
【ティバルト】 人を羨む時間があるのなら、 自身を磨け…
【ティバルト】 俺達の次の世代を担うのは お前達なんだ
【トト】
わ、わかってるよ！
おじさんにも
同じことを言われたもん！
【ティバルト】 チッ…
【デュリン】
まぁ…それもこれも、
この世界が残っていたら
の話だけどね
【ティバルト】 まったく… 悪い夢でも見ているようだ… で、これからどうするつもりだ？
【デュリン】
…もはや人類の力だけでは、
あの大天使達には太刀打ちできない
【デュリン】
アイツらを倒すには…
ヤツらに通じる力を持つ、
神々に頼るしか…
【ティバルト】 神々…？ バカな…大天使の側に立つのは 目に見えているだろう
【デュリン】
普通ならね…
ただ…神々の意に背き、
人類に味方した神がいるんです
【トト】
！
ティルフィングのお母さん！？
【ティバルト】 …このキル姫の 母親？
【デュリン】
女神エイレーネ！
私達が一縷の希望を託せるのは…
【デュリン】
彼女をおいて、
もう他にはいない！！
【民衆Ｂ】 じゃあ、俺達は… 作られた歴史を、 刷り込まれていたってことなのか！？
【民衆Ａ】 バカ、それだけじゃねぇだろ！
【民衆Ａ】 人々が異族に襲われてるのを、 王政府は黙認してた ってことなんだぞ！？
【王立軍兵士Ａ】 バカなっ！ そんな話が、信じられるか！ 我が、王政府が…
【王立軍兵士Ｂ】 で、でもよ… 異族出没地域からの救援要請が、 揉み消されてるって噂…
【王立軍兵士Ｂ】 俺も聞いたことがあるぜ…？
【王立軍兵士Ａ】 う… お前も…？
【ノーブル】 ひとまず、人々は… 耳を傾けてくれたようですな
【フレンネル】 あとは、王政府がどう出てくるかだ もっとも、王政府の組織系統が、 機能していればの話だが…
【レン】 ねぇ！サフラン日報が、 号外を出してくれるって！ 他の新聞社も！
【レン】 これで、人民区や 耕民区にも伝わるわ！
【フレンネル】 そうか… …レンといったな 報告をありがとう
【レン】 と、と、とんでもないですっ！
【フレンネル】 さぁ… 忙しくなるぞ
【ノーブル】 …？
【ノーブル】 向こうが、騒がしい… また、反対派の者達が 暴れ出したのか？
【エドガー】 大公！教授！ここは、マズイです …早く、移動する準備を！
【レン】 なに…？ なにかあったの…？
【ディーン】
チッ…アイツらが言っていたのは、
本当だった！
“カミノツカイ”だ！！
【ディーン】
おとぎ話の天使が、
実際に現れたんだよ！！
【ディーン】
それも空が埋まるくらいに
大量に！！
【ノーブル】 なっ！？
【フレンネル】 ！！ …待て 耳を澄ますのだ…
【レン】 えっ？ …なにか、聞こえる これ、讃美歌？
【フレンネル】 …神々のおでましか！ 皆の者、うろたえるでないぞ！
【ミカエル】
『…鎮まりなさい、民よ
我は神々に仕えし、大天使ミカエル
なにも、怖れることはありません』
グランエクスペリ郊外 エルフレストの森
【ティバルト】 …ここらでいいだろう このエルフレストの森は、 大聖堂の裏手まで続いている
【ティバルト】 エイレーネの石像は、 その森の泉のほとりに 建てられているはずだ
【デュリン】
えっ？
どこへ行くんです…？
【ティバルト】 勘違いをするな… 俺は味方になったわけじゃない
【ティバルト】 なんせお前達は、我が王立軍を ズタズタにした張本人なんだからな
【デュリン】
そ、それは
そうだけど…
【ティルフィング】
…うぐっ！
そ、それはウソです…
【ティルフィング】
わ、私達を…
助けてくれようと
しているじゃ…あ、ありませんか…
【トト】
！？
ティルフィング！
ティルフィングが意識を取り戻した！
【デュリン】
ティルフィング！
【ティバルト】 …お前達を助ける？ なにを言っているんだ
【ティルフィング】
わ、私にはわかります…
グ、グリード…
黒奏官のティルフィングが迫っている
【ティルフィング】
そ、その迎撃に
向かうつもりですね…？
【ティバルト】 …………
【デュリン】
ティバルト団長！
【ティバルト】 …とんだ回復力だな 神の血を継いでいる というのも頷ける
【ティルフィング】
む、無茶です！彼女は、
並みのキラープリンセスとは違う…
とても、一人では…
【ティバルト】 …闘いに行くなどとは 一言も言っていない ヤツらの話を聞きに行くだけだ
【デュリン】
話…？
【ティバルト】 お前達の話を聞いただけでは、 なにが正しいのか把握できない
【ティバルト】 ヤツらの言い分を聞き… 俺は、俺の正義の剣を 振るう相手を判断する
【トト】
そんな！
【ティバルト】 …これを持っていけ
選択肢:
- 予備の剣…？どうして、俺に…？ → select_label_01へ
- なぜ…俺に剣を…？ → select_label_01へ
…これを持っていけ
select_label_01:
【ティバルト】 …お前達によって、我が軍は 甚大な被害を受けたが 不思議と、死者は出ていないと聞く
select_label_end:
【ティバルト】 ナメたことを… 加減していたということだろう？
【ティルフィング】
そ、それは…
【ティバルト】 その剣は餞別… これで、貸し借りなしだ
【ティバルト】 …仮にも、世を救う正義を謳うのなら この乱世、生き抜いてみせろ
【トト】
あっ！
ティバルト団長！
【デュリン】
まったく…
アンタの言う通り、
素直じゃない人ね
【トト】
うん…
【？？？】 …確かに、頑なと言えよう 大天使様までも値踏みするとは…
【デュリン】
えっ！？
【黒奏官】 …まさか、ここまで粘ろうとはな 大したものだ
【デュリン】
こ、黒奏官！？
【ティルフィング】
う、うぐっ！
【黒奏官】 フン…瀕死のお前に なにができるのだ？ そもそも、用があるのはお前ではない
【ティルフィング】
え…？
【黒奏官】 男…少しばかり、お前に話がある 悪いが、ともに来てもらうぞ
【デュリン】
マスターに…！？
選択肢:
- …すぐに後を追う。先に行ってくれ → select_label_02へ
- 二人とも…ティルフィングを頼む → select_label_02へ
マスターに…！？
select_label_02:
【ティルフィング】
マ、マスター！
select_label_end2:
【デュリン】
クッ！
ダメよ、ティルフィング！
【デュリン】
アンタは一刻も早く、エイレーネと
再会しなければならない！
【デュリン】
そこで奇跡が起こることに、
人類は賭けるしかないんだから！
【トト】
で、でもっ！
【デュリン】
トト、アンタもよ！
…アタシ達は一縷の望みに賭け、
先に向かってる
【デュリン】
こんなところで
くたばるんじゃないわよ？
【トト】
ぐっ！
絶対やられちゃダメだよ！
【ティルフィング】
グッ！
…マ、マスター
必ず、無事に合流してください！
Next: 930301