10054203 ダモクレス 『トゥルーファイア』
【リットゥ】 …どうした 私の顔になにかついているのか?
翌日校門で会ったリットゥは いつも通りのぴりっとした 雰囲気だった
むしろ昨日よりもさらに 厳しさを増している気さえする…
【リットゥ】 お前に指導するようなことは特にない 後がつかえているんだ さっさと行け!
リットゥに追い払われるように 校内に駆け込みながらマスターは 昨日のことを思い出していた
【リットゥ】 …………
やはり気になってしまって 様子を見に来てみた マスターの目に映ったのは…
机に突っ伏した 明らかに昨日より 調子が悪そうなリットゥ…
【リットゥ】 ん… なんだ、マスターか~…
リットゥは顔だけ上げて あごは机に乗せたままだ
【リットゥ】 最近どうも体が重い気がするのだ~… 睡眠はしっかり取っているから 気のせいのはずなのだが~…
そういうリットゥは 制服の上着を脱いでいた
普段ならば「破廉恥だ!」と叫ぶ インナーのシャツワンピ姿だ
【リットゥ】 やらなければならないことが なんだか億劫な気がしたりもして~… どうも気力が湧かないよ~な…
【リットゥ】 だが、朝の風紀指導だけは なんとしてもやらなければ… 大事な友人の手伝いだしな…
このだらけきった姿は その反動なのだろうか…
選択肢:
- 無理しないでって言ったのに… → select_label_01へ
- 誰にでもあることだよ? → select_label_02へ
- 認めたくないかもしれないけど… → select_label_03へ
このだらけきった姿は その反動なのだろうか…
select_label_01:
【リットゥ】 しかしこれは仕事だし…
select_label_02:
【リットゥ】 だからと言って怠けていいわけが…
select_label_03:
【リットゥ】 私が意固地になっているとでも!?
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マスターはリットゥにお願いする 調子が悪いことを認めてほしい、と
【リットゥ】 …うっ
【リットゥ】 私の調子が悪いと言いたいのか…?
マスターはいい切る むしろそれで調子が悪くないなんて よく言えるな、と
【リットゥ】 ううっ!!
リットゥは再び 机に突っ伏してしまう
【リットゥ】 …本当は 薄々気づいていたんだ
【リットゥ】 でも、風紀委員として… そんなことを認めるわけには いかなかったんだ
しかし顔を上げたリットゥは どこかほっとしたような表情だった
【リットゥ】 不思議だな… 不調を素直に認めたら… 逆になんだか楽になった気がする
【リットゥ】 自分をごまかすうちに 知らず知らず心と体に 負担をかけていたのか…
【リットゥ】 『トゥルーファイア』 自分に正直になることは こんなにも大切なのだな…
それはまさしく 彼女が新たなスキルに 目覚めた瞬間だった
【リットゥ】 調子が悪いとわかれば… それを気合で吹き飛ばすことも できるというわけだ!!
リットゥは勢いをつけて 元気に立ち上がった!
…が、長い髪が椅子に 引っかかってしまい 束ねていたゴムが弾けた
はらりと広がるリットゥの髪… 普段は絶対に見ることができない姿に 思わず見惚れてしまうマスター
【リットゥ】 な、なにを見ている! あっちを向いていろ!!
【リットゥ】 風紀委員の私が 髪を下ろして下校するなど… か、代えのゴムがあったはず…!
しかしどうやら見当たらなかったのか リットゥは髪だけでなんとか結ぼうと 躍起になっているようだった
どうせ帰るだけなのだし 自分が内緒にしていれば バレないのにとマスターはつぶやく
【リットゥ】 た、たしかに… 風紀委員としては許されないが… それなら… いや、それで私はいいのか…?
【リットゥ】 今は聖ユグドラシルの雰囲気を正す 大事な時期なんだぞ! 私が怠けてどうする!!
ムキになるリットゥ 言っていることは最もだが…
その顔は真っ赤だった――
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