Phantom of the Kill

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101202030 ロストラグナロク編(失われた千年王国編) 第12章 リバースワールド 第2話 神器、昇天 STAGE3

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【司祭】 サルヴァトーレ! サルヴァトーレ・クリシートは どこですか?

【サルヴァトーレ】 はい、司祭様 僕はここです

【司祭】 おお!サルヴァトーレ おめでとう! 君の敬虔なる信仰が認められましたよ

【司祭】 この神学校創設以来の天才と謳われる 君を是非、審問官に迎えたいと 枢機卿猊下からの申し出です

【サルヴァトーレ】 枢機卿猊下から! あ…ありがとうございます! とても…光栄ですっ

【司祭】 悪魔がはびこるこの世界において 神の教えに反する者を取り締まる 審問官は栄誉ある役職です

【司祭】 まだ神学校の生徒である君が その職に推されたのですから ご両親も大層喜ぶことでしょう

【サルヴァトーレ】 はい! すぐに知らせます

【司祭】 審問官の訓練は厳しいですが、 君ならきっと立派な審問官に なれることでしょう

【司祭】 君の夢である枢機卿猊下への道が また一つ開けましたね

【サルヴァトーレ】 はい!はい! 救済の象徴たる存在になれるよう 今まで以上に熱心に祈りますっ

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【サルヴァトーレ】 両親とも敬虔な信徒で、 何の疑いもなく神学校に入学 将来の夢は枢機卿になることだった

【サルヴァトーレ】 あの頃の俺は、それで本当に世界を、 人々を救えるんだと 信じ切っていたんだ…

【サルヴァトーレ】 信仰の力で悪魔を打ち払い、 世界に恒久的な平和をもたらす そんな理想に燃える少年だったよ

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【サルヴァトーレ】 それでお前はパンを盗んだんだな?

【若者】 もう…何日もまともに 食ってなかったんだ…! だからっ…

【サルヴァトーレ】 罪を認めたな では、罰を受けろ

【若者】 教会には食い物がたんまり 蓄えてあるじゃねえか…! 少しくらい盗んだって――

【審問官】 黙れ、この罪人が! こっちに来い!

【若者】 くそったれぇぇぇっ…! てめえらこそ地獄に墜ちやがれぇ!!

【サルヴァトーレ】 …………

【サルヴァトーレ】 失礼致します

【司教】 おお、サルヴァトーレ審問官 盗人は自白したかね?

【サルヴァトーレ】 はい… ですが、彼にも事情が――

【司教】 まったく 神聖なる教会の倉庫から盗みを 働くなど許し難いものだな

【大商人】 まさに神罰が下りますなあ ハッハッハ!

【司教】 あの倉庫には秘蔵のワインが 何本も収蔵してあるのです

【大商人】 貧乏人にはその価値、理解できない でしょうなあ ハッハッハ!

【サルヴァトーレ】 …………あのっ

【司教】 何だ、サルヴァトーレ まだいたのか 早く下がりなさい

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【サルヴァトーレ】 今にして思えば、よくあることだ 教会上層部と金持ちどもの癒着

【サルヴァトーレ】 奴らは口では神の教えを説きながら その行動は悪魔のそれだった

【サルヴァトーレ】 自分達だけが贅沢な暮らしを享受し 魔獣の脅威に怯えて生きる 多くの人々のことなど眼中にない

【サルヴァトーレ】 理想に燃えていた少年が失望するのに それほどの時間はかからなかったよ

【サルヴァトーレ】 若くて青臭い正義感だ それを振りかざし、俺は、連中を 片っ端から「断罪」した

【サルヴァトーレ】 そして「重罪人」として追われ 人目につかないよう一人、廃墟に 隠れ潜むことになった

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