10149211 ティルフィング 放課後の教室
教室
生徒達がざわざわと騒いでいる
先日行われた小テストが 返ってきたのだ
はぁ…… マスターは浮かない顔で、 ため息をついている
――と、
【ティルフィング】 どうしたんですか?
声を掛けてきたのは、 ティルフィングだ
【ティルフィング】 点数が良くなかったんですか?
わわっ! と咄嗟に隠すも、 図星なマスター
【ティルフィング】 大丈夫です 次、がんばれば、 いいじゃないですか
励まされたのだが、 マスターの表情は冴えない
このままじゃ、 次の期末テストは確実に赤点だ… と嘆くマスター
【ティルフィング】 赤点…?
【ティルフィング】 それだと、留年…
【ティルフィング】 いえ、もしかしたら…落第
わぁぁぁ!おどかさないでよ! と頭をかきむしるマスター
するとティルフィングは…
【ティルフィング】 あの…
【ティルフィング】 もし良ければ放課後、 残って私と一緒に勉強しませんか?
【ティルフィング】 分からないところは、 私が教えてあげられるかも 知れませんし
え!本当に!? ティルフィングは成績優秀な優等生 それは願ってもないことだ
しかしマスターは不思議がる
【ティルフィング】 どうしました? そんな顔して…
ティルフィングとは、 特に親しいというわけではない
むしろ、ほとんど話したことがない なのに、どうしてそこまで してくれるの?と、マスターが尋ねる
【ティルフィング】 ……え?
【ティルフィング】 べ、別に深い理由はありません ただ、アナタが困ってたから
正義感の強い彼女らしい答えだった
続けて、マスターは尋ねる でも大丈夫なの? きみの勉強の邪魔になるんじゃ…?
【ティルフィング】 いいえ、大丈夫です
【ティルフィング】 アナタに教えることで、 私自身も勉強になると思います
【ティルフィング】 だから、一緒にがんばりましょう
かくして、ティルフィングと マスターの放課後居残り勉強が 始まったのだった
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