202210600 初心者クエスト 異聞不可分フォーハング 異聞不可分フォーハング 異聞不可分フォーハング 第3部 7 - 異聞不可分フォーハング-ED 異聞不可分フォーハング 第3部-ED 異聞不可分フォーハング 第3部-ED
【ティルフィング】
…………
ティルフィングは 四人の帰りを待っている
【マナナン＆マクリル】 わくわく、わくわく！
マナナンとマクリルは 幕が下りるのをわくわく待っている
【マナナン】
さぁ、行くよ、フィナーレだ！
【マクリル】
さぁ、戻るよ、現実に！
【ティルフィング】
ああ…おかえりなさい、皆さん！
「裏側」より帰還した四人は 旅立つ前と見違えるほどに 自信に満ち溢れていた
【イチイバル】
可能性に惹かれてた理由は
至極簡単なことだった訳だ
【ヒョウハ】
なんつーか、情けないっ！
でも仕方ない！
【ミュルグレス】
仕方ないとか自分に甘すぎない？
【ヒョウハ】
ミュルグレスだって
あたしのこと言えないだろー！
【ミュルグレス】
なんですって！
【イチイバル】
まぁまぁ、帰ってきて早々
きゃんきゃんにゃんにゃん吠えないで
【ヒョウハ＆ミュルグレス】 吠えてない！
【ティファレト】
「裏側」へ行かねば
きっと見て見ぬ振りをし続けた
自身の弱さが「揺らぎ」の原因でした
【ティルフィング】
…その弱さを抱くことは
決して悪いことではありません
【ティファレト】
…ふふ、見ていたんですものね
ティルフィングもいたずらさんですね
【ティルフィング】
そ、そんなつもりでは！？
【ティファレト】
ティルフィングの言う通りですね
弱さを抱くことは悪いことではない
【ティルフィング】
…はい、その弱さから目を逸らし
逃げ続けてしまうことが
悲劇を生むことになるのです
【ティファレト】
耳の痛い話ですが、
「揺らぎ」にならずともそれは
いずれ悲劇の芽となるものです…
【ティルフィング】
誰だって「ああだったらいいな」
と思ってしまうものですから…
【ティルフィング】
でも、こうして自分と向き合うことで
選んできた道も間違いではないと
気付いて欲しかったのです
ティルフィングの言葉に 自分にできることがあれば これからも手伝うと口々に言う四人
【マナナン】
そろそろいいかな？
【マクリル】
お話し中だからダメかな？
【ティルフィング】
あ、ごめんなさい！
「穴」を閉じないと、ですよね！
【ティルフィング】
マナナン、マクリル
お願いします
【マナナン】
めでたしめでたし
【マクリル】
めでたしめでたし
【マナナン＆マクリル】 四つのお話が終わったよ 四つの可能性が潰えたよ
【マナナン】
それでもこれは大団円
【マクリル】
それでもこれはハッピーエンド
【マナナン＆マクリル】 さぁさぁ終わらせよう！ 今の続きを始める為に終わらせよう！
マナナンとマクリルの手によって 「裏側」への「穴」は閉じられた
そしてこれは、カーテンコール
【ティルフィング】
皆さんが「裏側」で
「揺らぎ」の対処をしてから
しばらく経ちました
【ティルフィング】
皆さんはその後どうしているでしょう
【フライクーゲル】
ホワッツ！？
だって今日はケーキを食べるって
言ってたよね！？
【ティファレト】
気が変わったのです
もう、付き合ってくれても
いいじゃないですかフライクーゲル
【フライクーゲル】
エスコートする身にも
なってよね
【ティファレト】
ふふ、大丈夫
私はひとりでもちゃんと歩けます♪
【フライクーゲル】
それは困るよ
わたしが隣にいるならひとりではなく
ふたりになるんだからさ
【ティファレト】
…そうね、ふふ
ありがとう、フライクーゲル
【イチイバル】
やぁ、おかえり
久しぶりだね、ロジェ
【ロジェスティラ】
はい、ただいま戻りました
イチイバルさん！
ロジェスティラの旅先での話を 愛おしそうに聞くイチイバル
【ロジェスティラ】
――それでですね、えぇと
【イチイバル】
…ねぇ、ロジェ
【ロジェスティラ】
あ、すみません！
わたしばかり話しちゃって！
【イチイバル】
ああ、違うんだ
話を聞くのは楽しいからいいんだ
【ロジェスティラ】
…イチイバルさん？
【イチイバル】
ありがとう、ロジェ
【ロジェスティラ】
へっ！？
【ロジェスティラ】
あの、あの、それは
わたしのほうこそお礼を
たくさん言わないといけなくて――
【イチイバル】
それはたくさん貰ってるよ
だから、イチイバルさんも
もっと返さないとって思ってね
【ロジェスティラ】
返したら、どうなるんですか？
【イチイバル】
それは…雪だるま式に
大きなありがとうになっていくのさ
【イチイバル】
ボクはたくさん貰っていたから
まずはそれを返すところから、だけど
【ロジェスティラ】
イチイバルさん…
【スイハ】
…………
【ヒョウハ】
…いや、やっぱスイハは
何考えてんのかわかんねぇ！
【ヒョウハ】
一体どうしたら…
【スイハ】
…………あの、ヒョウハ
【ヒョウハ】
へあ！？
あ、お、おう、なんだ
【スイハ】
えっと…
【ヒョウハ】
待った、あんたが先に動いたけど
その次の一手はあたしに出させてくれ
【スイハ】
は、はい
【ヒョウハ】
あのー、だな…
今度、茶でもしねぇか？
【スイハ】
…………
【ヒョウハ】
いや、変な感じになってるけど
あたしらってあんまちゃんと
話してこなかったりしただろ？
【スイハ】
…私も、そうしたかったんです
スイハである私はヒョウハである
あなたと、話がしたかった
【ヒョウハ】
――そ、そうなのか！？
【ヒョウハ】
それなら早く言ってくれっていうか
早く言えばよかったっていうか…
【ヒョウハ】
じゃあ、次のオフにでも――
【スイハ】
あ、その日は集まりが…
【ヒョウハ】
えー…
【ミュルグレス】
さーて、オルフェのライブが
始まるまでまだ時間あるし
カステラでも食べに…ん？
ミュルグレスの目の前で 右往左往しているキル姫が
【ミュルグレス】
あははっ、これなら
カステラ食べに行かなくても
退屈しないでいいかも
【ミュルグレス】
むしろ、カステラも食べられるかな？
【ナーゲルリング】
あ、あの、そこのあなた
私はナーゲルリングと言います
ちょっと困っていまして…
【ミュルグレス】
いいわ、助けてあげる
その代わりに…
【ナーゲルリング】
う、何事も等価交換
差し出すものがなければ
得られないのですね…
【ミュルグレス】
ミュルは、ミュルグレスって言うの
ねぇ、ミュルと友達になってくれる？
【ナーゲルリング】
それはいいですけど…
どうして初対面の私に？
【ミュルグレス】
さぁ？
ミュルとアンタが似てるからかもね
【ナーゲルリング】
たしかに言われてみれば…
ふふ、なんだか
初めて会った気がしませんね、私達
【ミュルグレス】
…そうね
【ミュルグレス】
それで、
ナーゲルリングはどうするのかしら？
【ナーゲルリング】
お受けいたしましょう
ミュルグレス、よろしくね
【ミュルグレス】
ふふ、いいわ
それじゃあ困ってるお友達を
助けてあげなきゃね！
誰しもが自身を大切にし 今こうして目の前にいる誰かを想う
その結末に辿り着けたのは それぞれがそれぞれを救えたから
【ティルフィング】
最後まで私は祈ることしか
できませんでしたね…
【ティルフィング】
けれど、それも私の役目のひとつ
で、あれば もうひとつ祈ろう
【ティルフィング】
私の想いも込めて
【ティルフィング】
皆さんの可能性に、祝福を
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